搾乳した母乳を常温で保存しても大丈夫?母乳の正しい保存方法や5つ注意点

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赤ちゃんを保育園に預けるワーキングママや、赤ちゃんがおっぱいを上手に飲めない場合など、
母乳育児中心のお母さんは、母乳を搾乳したものを赤ちゃんに飲ませますね。

しかし、保育園へ運ぶときや、赤ちゃんがなかなか飲んでくれないときは、
搾乳した母乳が常温でそのままの状態にさらされてしまいます。

雑菌が繁殖していないのか、味が変わったり変色したりしていないのかなど、とても心配になります。

もし、常温でそのまま置いていたために、すべての母乳を捨ててしまったとして、
すぐに赤ちゃんが母乳を欲しがってしまっても、思うように母乳が出ないこともあります。

「搾乳した母乳は常温で置いていても大丈夫?」
「母乳の正しい保存方法や持ち運び方について知りたい!」
「搾乳した母乳を飲ませる時に気を付けることはある?」
など、母乳を搾乳して飲ませる場合、慣れない間は不安や疑問が生まれます。

今回は、搾乳した後の母乳の保管方法について詳しくご紹介していきます。

・搾乳について
・搾乳した後の常温保管について
・母乳の正しい保存方法
・保存に関する注意点5つ

母乳育児を続けていきたいけどこれから仕事が始まるから不安なお母さん、
搾乳や保存の方法がよく分からないお母さんなど、搾乳した母乳についての疑問や不安が、
少しでも解消できるお手伝いになれば嬉しいです♪

母乳の搾乳について

まずは、母乳の搾乳がどんなときに必要になるのか、また搾乳の方法についてみていきましょう。

搾乳とは?必要なの?

搾乳は名前の通り、お母さんのおっぱいを絞ることです。

赤ちゃんが何らかの病気で入院してしまった時や、産後にお母さんが先に退院して赤ちゃんだけ治療する時、
お母さんが急用や仕事、病気などにより赤ちゃんにおっぱいを飲ませることができないとき、
赤ちゃんがおっぱいから直接上手に母乳を吸えない時など、たくさんの場合において必要になります。

搾乳とは無関係と思っていても、急にその時を迎えることがあります。

特に、母乳育児で赤ちゃんを育てていく場合や、ミルクが苦手な赤ちゃんにとっては、
搾乳での母乳が必要となるので、搾乳はお母さんの大切な仕事となるのです。

また、お母さんのおっぱいがはってしまい搾乳する必要があるときもあります。

おっぱいがはって詰まり気味になると、ドロドロとした美味しくない母乳が先に出てきます。

その母乳を少し出してから、サラサラの美味しい母乳を赤ちゃんに飲ませることもあるのです。

そのため、搾乳についてできるだけ知識を把握しておくことで、いざというときに役に立ちますよ。

正しい搾乳の方法

搾乳は手で行う方法と搾乳器を使って搾乳する方法があります。

手で搾乳する場合には、乳輪部を傷つけないように爪を短く切って、手は清潔に洗いましょう。

親指と人差し指の腹の部分で、乳輪の外側から中心に向けて軽く圧迫して搾乳します。

初めは、母乳が全然出てこないこともあり悪戦苦闘しますが、だんだんと慣れてきます。

おっぱいが温かい方が母乳は出やすいので、お風呂上りや温かいタオルを当ててから搾乳してみましょう。

また、いつも同じ角度から絞るのではなく、上下や斜めなど色々な角度に変えて搾乳しましょう。

母乳が出ないから強く絞ってみたなど痛みを感じるほど絞る必要はありません。

もし出ないのであれば、一度助産師さんに指導してもらうとよいでしょう。

次に搾乳器を使う場合です。

手で絞るのが苦手というお母さんも多いようで、搾乳器のほうがラクではあります。

たくさんの量を絞らなければならない場合は、手で絞ると時間がかかりますし、
上手く器に入らないこともあるので、どうしても手では無理というときにおすすめです。

ハンドルを握って搾乳する手動タイプや、ボタンを押すとあとはお任せできる自動タイプがあります。

ベビー用品コーナーに販売されているので、一度目を通しておくとよいですね。

搾乳器は乳管や乳頭を痛めてしまうこともあるので、できれば手でしぼったほうがよいです。

母乳を搾乳した後に常温で保管していても大丈夫なのか

搾乳した母乳をスプーンにのせて赤ちゃんに飲ませるのであれば、20分ほど時間がかかります。

また、搾乳した母乳を近くの保育園に運ぶのにも移動時間がかかります。

このように、搾乳した母乳は常温においたまま、赤ちゃんに飲ませても大丈夫なのでしょうか。

搾乳した母乳は、消毒した容器や哺乳瓶に溜めていき保存します。

常温で保存する場合には、細菌が繁殖してしまうことや、鮮度が落ちてしまうことを考えると、
30分以内に飲ませる方がよいでしょう。

ホコリや汚れが入らないように蓋をして、直射日光の当たらない場所に置いておきます。

6時間は大丈夫という説もありますが、衛生面から考えて30分を限度に保管します。

もし30分以上常温で保管するのであれば、一度冷蔵庫に入れておきましょう。

保育園に運ぶときには、保冷バッグなどを使って持ち運ぶとよいでしょう。

母乳の正しい保存方法

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母乳の保存方法としては冷蔵保存と冷凍保存があります。

冷蔵保存の場合

搾乳した母乳を消毒した容器に入れて冷蔵庫で保存します。

冷凍保存は解凍する必要がありますが、冷蔵であればさっと準備でき、
赤ちゃんが泣きながら母乳を待つ時間が短くなります。

赤ちゃんが飲んでいる途中で寝てしまったときなどにも冷蔵保存しておくことで、
また起きたときに温め直して飲ませることができます。

冷蔵保存は、搾乳してから24時間以内には飲ませるようにしましょう。

それ以上時間が経ったものは廃棄となります。

もし、お皿などに絞っているときには、ラップなどでしっかりと蓋をしておきましょう。

哺乳瓶の場合は、そのまま入れても大丈夫です。

冷凍保存の場合

母乳専用の冷凍パックがあるので、搾乳した母乳をパックに7~8割ほど入れます。

というのも、パックにいっぱい入れてしまうと、膨張して袋が破損することがあります。

しっかりと空気を抜いて蓋をして、平たくしてから冷凍庫にいれましょう。

冷凍保存の場合は、2週間から1ヶ月ほどの期間保存することが可能です。

できるだけ早く飲ませた方が鮮度は良いので、冷凍パックに日付をかき、
古いものが出ないように気を付けてみてくださいね。

母乳を温め直す又は解凍する方法

常温で保存していた母乳が冷めてしまった時や、冷蔵庫の母乳を温める時には、
湯せんで温め直しましょう。

小鍋にお湯をはり、容器ごとお湯につけて37℃前後になるまで温めます。

「え?電子レンジで温め直した方が早いんじゃないの?」と考える人も多いのですが、
のちほど詳しくご説明していきますね。

冷凍保存していた母乳は、半日ほど前から冷蔵庫に移してゆっくりと自然解凍をさせ、
ぬるま湯や流水につけてしっかりと解凍します。

その後、消毒済みの哺乳瓶や容器に移して、湯せんで温め直します。

この際、脂肪分が分離してしまうことがありますが、軽く哺乳瓶をふれば大丈夫です。

また、解凍した母乳を赤ちゃんが飲まなかったからといって、再度冷凍することはできません。

飲みきれない場合は冷蔵保存して早めに飲ませるか、廃棄するようにしましょう。

搾乳した母乳を保存するときに気を付けてほしい5つのこと

最後に、搾乳した母乳を常温や冷蔵・冷凍保存する場合に注意してほしいことがあります。

飲み残した母乳は廃棄する

たっぷり搾乳できたのに、赤ちゃんが全然飲んでくれないことはよくあることです。

栄養満点の母乳を捨てるのはもったいないのですが、飲み残しは廃棄するようにしましょう。

冷蔵保存であれば1日、冷凍保存であれば解凍後の飲み残しは廃棄となります。

また、常温においていた母乳、解凍したものや冷凍していないものを持ち運びした母乳も、
長時間常温にさらされたものは廃棄します。

そのままにしておくと、細菌の繁殖や変色、鮮度が落ちるなど、赤ちゃんに飲ませるには良くないので、
しっかりと母乳の保管をお願いします。

電子レンジで加熱・解凍しないこと

冷凍保存しておいた母乳を解凍する時、冷蔵庫にある母乳を温め直す時、
やっぱり電子レンジが簡単でラクにできますよね。

しかし、電子レンジを使うと急速に加熱してしまうため、母乳の栄養分や免疫成分が壊れてしまいます。

せっかくの母乳が台無しになり、赤ちゃんに必要な成分が壊れたものを飲ませてしまうことになるので、
赤ちゃんが「お腹がすいたよー」と泣く中、準備に少し時間がかかってしまいますが、
流水や湯せんを使い、少しずつ加熱しなければなりません。

保管する容器や搾乳器などは消毒する

何より、免疫力の弱い赤ちゃんの体内に入るものなので、消毒をしっかりと行う必要があります。

まず、搾乳する前に、お母さんの手を洗い、乳首もきれいなガーゼなどで拭きます。

搾乳器も説明書に従って消毒を定期的に行います。

また、母乳パックや哺乳瓶などの保管する容器も、毎回消毒をするようにしましょう。

煮沸消毒や、電子レンジでできる消毒、ミルトンなどの消毒専用の道具を使うなど、
最近は様々な種類の消毒があるので、好みのものを探してみてくださいね。

母乳のつぎ足しはしない

搾乳したけど母乳が少ししか出なかったから、冷蔵保存している容器に足してもよいのでしょうか?
これは、やめましょう。

母乳は生ものであれば、搾乳する時間によって消費期限も変わってきます。

つぎ足しせずに、小さな容器に入れて、冷蔵保存したり赤ちゃんに飲ませたりしましょう。

同じく、冷蔵保存したいたものを飲まないからと冷凍保存しているパックにつぎ足すのもやめましょう。

湯せんの温度に気を付ける

湯せんで温め直す時には、50度以上の温度にならないように注意してください。

温度が高すぎると、母乳の栄養成分や免疫成分が壊れてしまいます。

湯せんの温度は40度程度に保ち、温めるようにします。

台所に、温度計を準備しておくと便利ですね。

まとめ

搾乳した母乳を常温で保存することはできますが、すぐに飲む分だけにして、
残りは別の容器にいれ冷蔵・冷凍保存するようにします。

電子レンジを使わない、しっかり消毒をするなど注意点も多いので、間違えのないように、
メモなどを冷蔵庫に貼っておくとよいでしょう。

授乳期間はとても大変ですが、母乳はお母さんから赤ちゃんへの大切なプレゼントです。

大切にしていきたいですね。