母子家庭のママは生活保護を受けられる?生活保護を受ける条件と金額や申請方法

スポンサードリンク

母子家庭になると、生活をしていくうえで経済的な不安を感じるという人も多いと思います。

私の周りにも母子家庭の人はそれなりにいますが、家庭環境にもよりますが節約しながらがんばっているという人が多いように感じます。

母子家庭になると国や自治体からいくつかの援助を受けることができますが、

「控除を受けても生活が苦しい」
「収入だけではどんなに頑張っても普通の生活が送れない」

という家庭もあるでしょう。

そこで

「母子家庭は生活保護を受けられないのかな」
「生活保護を受けられるなら金額はいくらくらい?」

といった疑問が出てきます。

結果から言うと、

・母子家庭でも条件を満たせば生活保護を受けられる
・条件はかなり厳しい
・金額は最低生活費から収入を差し引いた額

こういったことが言えます。

まずは生活保護制度の基本を理解して、どのような条件を満たしたら母子家庭で生活保護を受けられるのかを知ることから始めましょう。

生活保護ってどんな制度?

皆さんは生活保護というとどんなイメージを持っていますか?

『収入が少ない人がもらっている』『働けない人がもらえる』『不正受給をしている人もいる』といったイメージでしょうか。

生活保護制度の趣旨は、

1. 最低限の生活を保障する
2. 自立することを前提に保護を行う

という2点です。

ここでは生活保護制度の基本を見ていきましょう。

最低限の生活を保護し自立を助長するもの

そもそも生活保護とは、

生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。

(引用:厚生労働省|生活保護制度より)

といった趣旨が根本にあります。冒頭でも紹介したように、生活保護を受けることで

・最低限の生活を保障する
・自立することを前提に保護を行う

ということを目指しているのですね。

言ってしまえば

『働いて収入を得ることを最終目的に、それまでの生活の保護をする』

ということでしょうか。

生活保護を受けるには様々な調査や面談を受け、条件を満たした人だけが受けることができる制度です。

誰でも簡単に受けられるわけではありません。

生活するうえで必要な費用を扶助

生活保護では、次のような費用が扶助されます。

・生活扶助・・・食費や被服、光熱費など日常に必要な費用
・住宅扶助・・・アパートなどの家賃
・教育扶助・・・教育に必要な学用品の費用
・医療扶助・・・医療を受ける際の費用
・介護扶助・・・介護を受ける際の費用
・出産扶助・・・出産する際に必要な費用
・生業扶助・・・就労に必要な資格などを取得するための費用
・葬祭扶助・・・葬祭などに必要な費用

(参照:厚生労働省|生活保護制度より)

『生活保護』として受給できるのは、生活扶助と住宅扶助の2点が基本です。

医療扶助と介護扶助に関しては、医療機関や介護事業所へ直接支給されることになるので注意が必要です。

ほかの扶助に関しては、世帯の実態に合わせて支給されます。

生活保護を受けるうえで様々な調査が行われる

スポンサードリンク


前の項目でも生活保護は簡単に受けられるわけではないと言いましたが、生活保護を受けるためには、まずはお住まいの自治体の生活保護を担当する福祉事務所等に相談することから始まります。

その後申請手続きとなりますが、生活保護を支給するかどうかは

・生活状態を把握するための家庭訪問
・預貯金や保険、不動産などの資産調査
・養育費など仕送りや援助可否の調査
・就労収入の調査
・年金や保険などの収入の調査
・働いていない場合は就労の可能性の有無

といった調査を行います。

少しでも条件に満たない項目があれば、生活保護を受けることはできません。

毎月申告する必要がある

生活保護を受給できることが決定しても、収入や就労の可能性などは毎月申告する必要があるのです。

冒頭でも触れましたが、生活保護はあくまで自立するまで生活を保障してくれるもの。

毎月の収入に変化がないか、生活保護で受け取ることができる金額に変更はないか、毎月申告する必要があります。

年数回の面談も

毎月の申告だけでなく、年に数回ケースワーカーとの面談を受けることも義務付けられています。

訪問調査を兼ねた就労に向けた指導や助言などを行います。

最終的には生活保護を受けることなく就労で得た収入で生活していけるようになることを目標とします。

母子家庭でも生活保護が受けられる?

さて、いよいよ本題です。

「母子家庭でも生活保護を受けることはできるの?」

ということですが、結論から言うと母子家庭でも条件を満たしていれば生活保護を受けることができます。

ただし、母子家庭だと様々な控除や手当を受けることができ、これらを受けることが優先となります。

条件を満たしていれば母子家庭でも受けられる

冒頭でも触れたように、母子家庭でも条件を満たしていれば生活保護を受けることが可能です。

前の項目で紹介したような調査が行われ、生活保護を受ける資格があるとみなされた場合、

『最低生活費-収入=支給金額』

といった形で生活保護が支給されます。

条件に関しては、あとの項目で詳しく紹介しますね。

母子家庭で得られる控除や手当が優先

ほかの家庭とちょっと違うのは、母子家庭だと様々な控除や手当を受け取ることができます。

・児童扶養手当
・住宅手当
・夫が亡くなった場合は遺族年金

これに加えて15歳までの子どもがいるすべての家庭に支給される児童手当もプラスされます。

生活保護を受ける前に、母子家庭で受けることができる手当などを利用することが優先されます。

収入にこれらの手当てを合わせても最低生活費に届かない場合、初めて生活保護を受ける権利を得ることができます。

母子家庭で生活保護を受ける4つの条件

スポンサードリンク


前の項目で触れた、母子家庭の人が生活保護を受けられる条件は全部で4つ。

1. 収入が最低生活費を下回っている
2. 貯金など資産がない
3. 養育費などの援助がない
4. 働くことができない

生活が苦しいからといって簡単に生活保護を受けられるわけではありません。

ここでは母子家庭の人が生活保護を受ける4つの条件について詳しく見ていきましょう。

世帯収入が最低生活費を下回っている

ここまで何度か触れてきましたが、生活保護は人が最低限の生活を保護するために支給されるお金です。

そのため、世帯収入が最低生活費を下回っているということが大前提。

収入には前の項目で紹介した、

・児童手当
・児童扶養手当
・住宅手当

などが含まれています。

さらに祖父母と同居している場合は、祖父母の就労収入や年金なども含まれます。

自分が働いている場合は、もちろん就労によって得た収入も含まれますよ。

貯金や土地など資産がない

実はこれも大きなポイントに。

生活保護を受けるときに、資産がないか隅々まで調査が行われます。

・貯金はないか
・持家や土地など不動産の所有はないか
・お金に換えられるものはないか

などなど。

資産がある場合は、まずはそれを売ってお金にして生活しましょう、ということになりますから、生活保護を受けることを考えている人は、自分に資産がないか改めて確認するといいですね。

元夫や親などから養育費の援助がない

離婚して母子家庭になった場合、子どもの養育費を元夫からもらっているという人もいるでしょう。

養育費はもらっていなくても、自分の両親から生活費の援助をしてもらっているという人もいるかもしれませんね。

こういったことも、生活保護を受ける際に細かく調査されます。

・両親に頼ることはできないのか
・兄弟や親せきに援助してもらうことは可能か
・元夫と金銭関係でつながりがないか

など、かなり細かく調べられるそう。

現金でのやり取りだと明確になりにくいこともありますが、

「今月ちょっと苦しいから1万円貸して!」

というのも実はNG。

こういったことも収入とみなされ、返還の義務が生じるので注意したいところです。

何らかの理由で働くことができない

スポンサードリンク


母子家庭であるものの、本人の体調面や子どもの障害などによって働くことができない場合は、生活保護を受けられる可能性が高くなります。

本人が病気などで働けない場合は、医師の診断書が必要となるので、かかりつけの病院で診断書をもらっておくといいですね。

お子さんに障害がある場合は、特別児童扶養手当などを受けることもできますから、そういった制度も上手に活用しましょう。

母子家庭でもらえる生活保護の金額

次に気になるのは母子家庭でもらえる生活保護の金額ですよね。

「具体的にいくらくらいの金額になるのか知りたい」

という人は多いはず。生活保護で受け取れる金額は、

・最低生活費の金額は地域で異なる
・世帯人数によって金額が異なる
・『最低生活費-収入』が基本

となります。

ここでは母子家庭でもらえる生活保護の金額について詳しく紹介します。

世帯人数や地域によって最低生活費が異なる

東京と地方では物価も違いますし、住宅費にも大きな差がありますよね。

それで全国一律となってしまうと、地域格差が出てしまうこともあるでしょう。

そのため、最低生活費は地域によって異なります。

まずはお住まいの地域の福祉事務所に問い合わせ、生活保護を受けられる場合どのくらいの金額になるのか確認してみてくださいね。

さらに世帯人数によっても受けられる金額が変わってきます。

子どもの人数が多ければ人数分加算されます。

最低生活費から収入が差し引かれる

前の項目でも紹介しましたが、母子家庭で生活保護を受ける場合、最低生活費から

・就労による収入
・児童手当
・児童扶養手当
・住宅手当

などが差し引かれます。

養育費などを受けている場合は、これも差し引かれる対象に。

すべての収入を差し引いて、残った分が支給される金額となります。

毎月同じ額が支給されるわけではありません。

母子家庭でもらえる生活保護の金額の例

スポンサードリンク


生活保護で受けられる金額は地域によっても世帯の実態によっても大きく変わります。

「なんとなくでいいから受けられる金額を知りたい!」

という人もいるかもしれませんね。

・東京23区に住んでいる
・母と小学生2人家族

というモデルだと、支給される生活保護の金額は264,150円となります。

内訳は

生活扶助基準額・・・149,760円
母子加算・・・24,590円
自動養育加算・・・20,000円
住宅扶助基準額・・・69,800円

となっています。

持ち家の場合は住宅扶助は支払われず、家賃もこれよりも低い場合は家賃分が支払われます。

ここから就労収入などが差し引かれて支給されることとなります。

母子家庭でも生活保護がもらえない3つのケース

母子家庭でも条件を満たしていれば生活保護を受けることができます。

しかし

1. 最低生活費を超えている
2. 誰かからの援助を受けることができる
3. 恋人がいるともらえないことも

これらのケースがあると生活保護を受けることはできません。

収入が最低生活費を超えると受けられない

これは母子家庭だけに言えることではありませんね。

生活保護を受ける場合は、収入が最低生活費に満たないことが最大の条件!

自分で計算してみて

「最低生活費を超えていないはず!」

と思っていても生活保護を受けられないと言われることもあるようです。

そんな時はなぜ受けられないのかきちんと確認してみましょう。

元夫だけでなく親や兄弟からの援助もNG

前の項目でも触れましたが、元夫や親、兄弟から生活の援助をしてもらっている場合も生活保護を受けることができません。

生活費を借りていることが判明した時点で、『不正受給』とされることもあるので注意が必要です。

恋人がいることがわかると受給できないことも

これも意外と思われるかもしれませんが、恋人がいることがわかると生活保護を受けることができないかもしれません。

この場合恋人が生活の援助の対象となるため。

籍を入れていなくても同居をしていると内縁の夫とみなされます。

恋人に就労収入があり、最低生活費を超えていればもちろん生活保護を受けることはできませんよ。

生活保護を受けることでデメリットもある

生活保護はあくまで自立をするまでの支援です。

楽に生活をするためのものではありません。生活保護を受けると生活はある程度安定しますが、

・貯金ができない
・細かい調査でストレスを感じる
・後ろめたさもある

といったストレスを感じることもあるようです。

生活保護を受けることでデメリットもあるということを知っておくことが大切です。

生活保護は貯金をすることはできない

スポンサードリンク


生活保護は最低限の生活を保護するためのお金です。

・食費
・光熱費
・被服費

など必要なものを購入するためには自由にお金を使うことができます。

しかし貯金はNG。

・将来の子どものために貯金したい
・老後のために貯金したい

貯金ができない分、生活保護を受けている間は将来にも不安が出てくるということも頭に入れておくといいですね。

何に使ったか細かい調査でストレスも

生活保護を受けていると、

・いくらくらい使ったか
・何に使ったか

など細かい調査を受けることもあります。

こういったことがストレスとなる人も少なくないそうです。

中にはケースワーカーとトラブルになる人もいるとか!

生活保護をもらうことが後ろめたいという人も

生活保護を受けること自体に後ろめたさを感じている人も多いですよね。

特にここ数年は

「生活保護の不正受給者が多すぎる!」
「生活保護もらいすぎ!」
「生活保護で楽してるんじゃないの?」

といったイメージを持っている人も少なくありません。

生活保護は本当に必要な人が受けるべき制度です。

「仕事が安定するまで!」

と、自立することも前提に生活保護を受けていれば、後ろめたさを感じる必要はありません。

まとめ

生活保護は、最低限の生活を保護するために必要な金額を支給する制度です。

条件を満たせば、母子家庭の人でも誰でも受けることができます。

母子家庭の場合、

・就労収入
・母子家庭で得られる手当

などが差し引かれた金額が支給金額となり、条件を満たして生活保護を受けられるという人はそんなに多くはないようです。

生活保護を受けることで、メリットもありますがデメリットもあるということをきちんと知り、必要であれば制度を上手に利用しましょう。

生活保護に関しては、なかなか周りに相談することができない内容でもありますよね。

まずはお住まいの役所などで相談してみてくださいね。