妊娠中期の腹痛がひどい!チクチクとお腹が痛む原因や影響と8つの対処法

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妊娠中期は一般的に「安定期」といわれ、流産のリスクは減少します。

妊娠5ヶ月もすればつわりも徐々に落ち着いて来ると同時に、妊娠中という環境に慣れてくることもあるでしょう。

そうはいってもこの時期には、妊娠高血圧症候群やその合併症でお腹の赤ちゃんや母体に深刻な影響が及ぶケースなど、まだまだ油断はできません。

そこで、こちらの記事では、妊娠中期に腹痛をひき起こす原因となるトラブルと、それに対処する次の8つの方法をご紹介します。

・ただちに医師に相談しよう

・3つの対処法で冷えを予防!

①ひざ掛けやカイロを常備する

②腸を冷やさないよう温かいものを食べる

③お風呂で身体を温める

・動きすぎはタブー!極力負担を減らそう

・食事は高タンパク、低カロリー、塩分控えめを心がけよう

・性行為では感染症に気をつけよう

妊娠中期の腹痛対策や予防にこちらの対処法をぜひお役立てくださいね!

妊娠中期の腹痛で下痢に!冷えも原因?

妊娠中期(妊娠16~27週)に、腹痛とともに下痢になったという先輩ママさんも少なくないようです。

安定期に入ったとはいえ、下痢になったら「流産しないかな?」と心配になりますよね。

そこで、妊娠中期に下痢になる原因を解説します。

妊娠中期の下痢の原因はホルモンバランスの乱れ

妊娠中期になると、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hGC)という性腺刺激ホルモンの分泌が減少し、卵胞ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲステロンの分泌が増加します。

こうした女性ホルモンのバランスの乱れが、女性ホルモンと同じく脳の視床下部でコントロールされている自律神経のバランスに影響を及ぼすことに。

自律神経には、交感神経と副交感神経があり、それぞれ自分の意思に関係なく活動しています。

正常な状態では、日中は交感神経が働き、また寝ている時やリラックスしている時には副交感神経が働きます。

しかしこのバランスが乱れると、日中に副交感神経が働いてしまうようになり、下痢などのさまざまな身体の不調を招いてしまうんです。

自律神経のバランスの乱れから下痢になる要因のひとつは、自律神経の乱れによって腸内環境が悪化しているため。

またもう一つの要因としては、日中に副交感神経が作用することで、腸の働きが促進されて下痢になってしまうためと考えられています。

冷えも下痢の原因に

つわりの症状がなくなる妊娠中期には、つわりの間にあまり食べられなかった反動でついつい食べ過ぎてしまう妊婦さんも。

それによって胃や腸に負担がかかり、下痢になってしまうことがあるんです。

また、ホルモンバランスの乱れが要因の自律神経のバランスの乱れによって、身体が持つ体温調整機能が低下。

さらに血管収縮による血行不良でむくみをひき起こすため、身体が冷えやすくなります。

例えば夏場は暑くてつい夜もエアコンをかけっぱなしで眠ってしまうこともありますよね。

そして翌朝、寝起きの体がひんやり冷たいことはありませんか?

こうした冷えもまた下痢になる原因になっています。

下腹部が痛い!妊娠中期の腹痛、その原因は?

妊娠中期には、左右の下腹部に痛みが生じる方はかなり多くいらっしゃいます。

中でも女性の下腹部痛は、大腸、膀胱、子宮、卵巣などに何らかのトラブルが発生したものと考えられますが、具体的には何が原因で発生しているのでしょうか?

特に妊娠中期に起こりうるトラブルのうち、主なものをピックアップして解説します。

つったような痛みは子宮が大きくなっていることが原因

お腹の中の赤ちゃんの成長に伴って子宮が大きくなっていくと、子宮と鼠径部をつなぐ円靭帯が引っ張られます。

これによって下腹部につったようなチクチクした痛みや張りを感じるように。

この症状を円靭帯痛といいます。

身体の左側か右側いずれかの下腹部に痛みが生じるのも大きな特徴です。

また、ピリピリとした痛み・痒みであれば妊娠線が進行している可能性があります。

妊娠線とは、表皮の下にある真皮と皮下組織が妊娠してお腹が大きくなることで急激に伸ばされることに耐えられなくなり、亀裂や裂傷が起こることを言います。

伸びきられない皮を伸ばそうとするわけですので、痛みを伴うのは想像できますよね?

これがピリピリした痛みに感じるのです。

切迫流・早産による腹痛

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下腹部の張りやチクチクとした痛み、お腹が硬くなる、不正出血などの症状がある場合は、切迫流・早産の可能性も。

妊娠22週未満での出産や死産を流産といいます。

このうち胎児が子宮の中にとどまっていて流産しかかっている状態が切迫流産です。

そして妊娠22週以降36週6日までの出産を早産、早産になりそうな状態を切迫早産といいます。

妊娠中期以降に切迫流早産を発症する赤ちゃん側の原因は、双子以上の多胎妊娠、羊水過多などがあります。

母体側の原因としては、子宮の収縮、動きすぎによるもの、絨毛膜羊膜炎、絨毛膜下血腫、子宮頸管無力症、感染症、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群などいろいろとありますが、絨毛膜羊膜炎によるものが最も多いといわれています。

絨毛膜羊膜炎とは、膣内で増殖した細菌が子宮内部に侵入、感染し、赤ちゃんを包む絨毛膜や羊膜に炎症が起こる病気です。

妊娠中期に発症しやすく、子宮口が開きやすくなったり、子宮の収縮が促進されるため、早産をひき起こすことに。

歯肉炎を持つ妊婦さんはより発症リスクが高いといわれています。

また、性感染症が発症原因になることもあります。

常位胎盤早期剥離

(出典元:吉田医院

常位胎盤早期剥離とは、何らかの原因で分娩前に胎盤が子宮壁から剥がれてしまうことをいいます。

常位胎盤早期剥離によって、お腹の赤ちゃんは酸素欠乏、母体は、体内にたくさんの血栓ができて循環障害による臓器不全などをひき起こす播種性血管内凝固症候群(DIC)などのリスクが。

したがって、母子それぞれ死に至る可能性がある恐ろしい病気です。

常位胎盤早期剥離は、妊娠高血圧症候群や切迫早産の診断を受けた妊婦さん、また妊娠中の腹部外傷や喫煙などが原因といわれています。

症状は、突然、下腹部にチクチク、ズキズキした痛みや背部の痛み、お腹の張り、不正出血などが出現。

ただし、剥離している場所や重症度によって現れる症状が異なります。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮内にこぶのような腫瘍ができる病気です。

全女性の約1/4にみられ、また、妊娠中の方では、2.7%〜10.7%ぐらいの頻度で子宮筋腫を認めます。

子宮筋腫を有する妊婦さんの多くは、問題なく経過しますが、妊娠経過中に(特に初期〜中期にかけて)増大することがあります。

(出典元:佐野産婦人科医院

この場合、腫瘍の部位や大きさによっては、チクチクした下腹部痛だけでなく、常位胎盤早期剥離、流産・早産、逆子などの胎位異常などをひき起こす可能性もあるので、注意が必要です。

クラミジア感染による子宮内膜炎や骨盤腹膜炎

クラミジア感染症とは、クラミジア・トラコマティスという細菌の感染により発症。

感染した女性の多くに目立った自覚症状がみらないことから、重症化してしまいやすい病気です。

クラミジア感染によって子宮内膜が炎症を起こす子宮内膜炎にかかった場合、チクチクした下腹部痛のほか、発熱、臭いにおいのする黄色いおりもの、出血などの症状が出現。

さらに重症化すると、骨盤に感染が広がる骨盤腹膜炎を発症し、激しい下腹部痛や発熱などの症状が現れます。

便秘

下腹部にチクチク、キリキリとした痛みがする場合は、便秘かもしれません。

妊娠中期から後期にかけて、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌は増加していきます。

(グラフ出典元:2丁目石井歯科医院

このプロゲステロンには、腸の活動を抑制する作用があることから、分泌が多い間は便秘がちに。

また、妊娠中期になると子宮が大きくなることによる腸の圧迫や、運動不足によって腸の活動が低下することも便秘の原因になります。

膀胱炎

健康な状態であれば抵抗力があるため、排尿時に細菌などを洗浄、排出することによって膀胱への侵入を防ぎます。

しかし、妊娠中は身体の抵抗力が低下するため、排尿時のこうした防御作用が充分機能せず、膀胱に大腸菌などの細菌などが侵入して炎症を起こしてしまうことも少なくありません。

膀胱炎になると、下腹部にチクチクした痛みが生じるほか、排尿時にしみるような痛み、残尿感、頻尿や尿に血が混ざるといった症状がみられます。

妊娠中期に右下腹部がチクチク、キリキリ、ズキズキと痛む!その原因は?

右下腹部にチクチク、キリキリ、ズキズキとした痛みがある場合は、急性虫垂炎かもしれません。

俗に「盲腸」と呼ばれていますので、こちらの方に馴染みがある方も多いのではないでしょうか。

注意が必要!妊娠中の急性虫垂炎

急性虫垂炎とは、盲腸から垂れ下がった虫垂に、便や異物が蓄積することによって雑菌が繁殖し、炎症になる病気です。

妊娠中には子宮が大きくなるため、盲腸が移動し、右上部に痛みが出ることもあるようです。

軽症の時はチクチクとした痛みですが、症状が進むにつれてキリキリからズキズキとした痛みに変わります。

腹痛のほか、発熱や食欲不振などの症状、また血液検査による白血球の増加もみられますが、これらの症状は妊娠の症状と区別がつかないことが多いようです。

さらに妊娠中は触診による診断でも痛みの箇所がわかりにくい上、X線撮影を躊躇する医師も多く、診断が遅れることも少なくありません。

急性虫垂炎が重症化すると腸に穴が空き、腹膜炎を併発します。

そうなると、流早産や母体にリスクが及ぶこともあるんです。

そのため、右の腹部にチクチク、キリキリとした痛みが続く場合、放っておかずに早めに医師へ相談することをおすすめします。

妊娠中期にみぞおちや左右上腹部が痛む!腹痛の原因は?

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妊娠中期に上腹部(おへそより上)が痛む場合は、どんな原因によるものが考えられるのでしょうか?

中央にあるみぞおちのあたりでしたら、食道か胃、十二指腸の不調が考えられます。

また、右上腹部が痛む場合は、肝臓や胆のうなどの病気かも。

左上腹部が痛い場合は、膵臓や大腸などのトラブルによるものの可能性があります。

便秘は下腹部だけでなく上腹部がチクチク、キリキリと痛くなることも。

それでは、妊娠中期に上腹部が痛くなるトラブルのうち、特に注意を要するものをピックアップして解説します。

HELLP(ヘルプ)症候群

HELLP症候群とは、主な症状である溶血(Hemolysis) ・肝臓からの酵素の上昇(Elevated Liver enzyme) ・血小板減少(Low Platelets)の組み合わせHELLPから命名された症候群です。

(出典元:山本産婦人科

HELLP症候群は、妊娠20週以降から分娩後12週までの間に高血圧の症状をひき起こす妊娠高血圧症候群の妊婦さんに多く発症。

したがってHELLP症候群も妊娠中期以降に発症します。

症状は、突然、下腹部やみぞおちの痛み、倦怠感や疲労感に襲われることも。

重症化すると、播種性血管内凝固症候群(DIC)や腎不全、肝不全などの合併症をひき起こし、生命に危険を及ぼすこともあるので注意が必要です。

肝周囲炎

クラミジアに感染すると、膣から子宮頸管炎→卵管炎・卵巣炎→骨盤腹膜炎→肝周囲炎と身体の上部へとどんどん感染が広がっていきます。

おりものが増えるなどの症状はありますが、激痛などの目だった自覚症状が現れないまま、重症化していくことも少なくありません。

肝周囲炎になった場合、右上腹部にチクチク、ズキズキとした痛みや発熱の症状が現れます。

クラミジアに感染した妊婦さんが完全に治らないまま出産すると、産道で赤ちゃんに感染してしまい、新生児結膜炎や肺炎にかかるリスクも。

また切迫流・早産をひき起こす可能性もあります。

妊娠中期の腹痛、その8つの対処法

妊娠中期に腹痛の症状が発生した場合、どのように対処すればいいのでしょうか?これまでご紹介したトラブルをもとに、妊婦さんが留意すべき8つの対処法をまとめました。

ただちに医師に相談しよう

妊娠中期に起こる腹痛は、子宮が大きくなることが原因だけとは限りません。

お腹の赤ちゃんや母体に危険が及ぶ可能性がある病気によるものかもしれません。

そのため、痛みを感じたら、早急に受診しましょう。痛みが激しい場合は、まずは電話でかかりつけの産婦人科に連絡し、医師の指示をあおいだ上で行動するのがおすすめです。

もし妊娠線による痛みであれば、妊娠中でもつかえるオイルやクリームなどでマッサージしてあげるのが良いでしょう。

そうすることで皮膚が柔軟性や弾力性を持つことができ、お腹の成長にも耐えられる肌になります。

3つの対処法で冷えを予防!

妊婦さんは、ホルモンバランスの乱れで血行が悪くなることから、冷えやすくなるもの。

冷えによって下痢や膀胱炎による下腹部痛が起こりやすくなります。

そのため、冷えを予防することが腹痛の対処になります。

ひざ掛けやカイロを常備する

夏でも室内は冷房が効いているので身体が冷えてしまいます。

そのため、カバンに薄手のひざ掛けを常備していつでもサッと掛けられるようにしておくのがおすすめ。

また急な冷えに対応できるよう、使い捨てカイロを常備しておくと便利ですよ。

腸を冷やさないよう温かいものを食べる

夏の暑い時は、冷たいものを食べたり飲んだりしたくなるものですが、腸が冷えると下痢を起こしやすくなるだけでなく、免疫力の低下にもつながるんです。

夏でも温かいものを取って、腸を冷やさないようにしましょう。

お風呂で身体を温める

お風呂はシャワーで済ませてしまうのではなく、ぬるめのお湯に浸かって身体を温めるのがおすすめです。

妊娠中はのぼせや動悸が起こりやすくなりますので、熱いお湯は避けてくださいね。

また、長風呂も子宮の収縮を促進させることがあるため、浸かる時間は長くて15分程度にしましょう。

足湯で足を温めるのもおすすめです。

入浴剤は、市販のもので妊婦の使用は避けるようとの注意書きがないものでしたら問題ありません。

しかし、アロマオイルのうちラベンダーやローズ、ペパーミントなどは子宮収縮を促す作用がありますので、使用は控えましょう。

アロマオイルなどを使用する際には、念のため医師に相談した上で行ってくださいね。

動きすぎはタブー!極力負担を減らそう

妊婦さんの動きすぎによって切迫流産・早産が起こることがあります。

日常生活においても、買い物などで重いものを持つとか、掃除も立ったり座ったりなど負担がかかる動作が多いので注意が必要です。

家事は自分でやってしまわないと気が済まないという妊婦さんも多いと思います。

しかし妊娠中は、ご家族や周りの方に頼めるものは頼んでしまったり、手抜きをしたりして多少のことは目をつぶってしまう方が、身体の負担だけでなく、ストレスの軽減にもつながりますよ。

食事は高タンパク、低カロリー、塩分控えめを心がけよう

妊娠中期以降に発症する妊娠高血圧症候群を予防するためには、栄養バランスが取れた食生活が大切です。

魚類や豆類は高タンパク、低カロリーなので特におすすめ。

しかし、魚類の中には、キンメダイ、マカジキ、クロマグロ、メバチマグロなどは水銀を多く含むため、妊婦さんがたくさん食べてしまうとお腹の赤ちゃんにリスクが及ぶことも。

そのため、摂取量に注意が必要です。

マグロの中でも、キハダ、ビンナガ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)、ツナ缶、また、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどの魚類は、そうした注意は必要ありません。

(出典元:厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」)

そのため、安心して食べることができます。

また高血圧の対処として欠かせないのは、塩分控えめにすることです。

「濃い味付けが好き。」という妊婦さんもいらっしゃると思いますが、妊娠高血圧症候群は重大な合併症をひき起こすかもしれません。

そのため、お腹の赤ちゃんと妊婦さんご自身の健康を守るためにも、妊娠したこの機会に塩分控えめの食事を心がけましょう。

関連記事⇒妊娠高血圧症候群とは?原因や症状と治療方法、4つの予防策

性行為では感染症に気をつけよう

妊娠中は抵抗力が低下するため、クラミジアなどの性感染症にかかりやすくなります。

妊娠初期の検査で陰性であっても、妊娠中の性交渉などで感染。

肝周囲炎を併発していたという妊婦さんもいらっしゃいます。

そのため妊娠中の性行為においては、必ずコンドームを着用した上で行ってくださいね。

まとめ

妊娠中期の腹痛の原因には、お腹の赤ちゃんや妊婦さんに生命の危険を及ぼすような深刻なものもあります。

そのため、少しでも異常を感じたら「まあ、大丈夫だろう。」と先延ばしにせず、すぐに医師に相談してくださいね。

HELLP症候群などの原因となる妊娠高血圧症候群の予防には、塩分量に配慮した食事が大切。

また、高タンパク食品は免疫力アップにも効果的ですので、積極的に摂取しましょう。