妊娠中期3つの貧血対策~妊娠中期の貧血の症状と赤ちゃんへの影響

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妊婦さんのうち3~4割の方に貧血がみられるといわれています。

特に、妊娠中期に貧血になってしまう妊婦さんはとても多いんです。

仕事が辛くて仕方がないという妊婦さんも多いですよね。

この記事では、妊娠中期に起こる貧血の原因や症状、治療の内容、赤ちゃんやママへの影響など詳しく解説しています。

その上で、妊娠中期の貧血を防ぐ対策方法をご紹介。その方法は次の3つです。

  • 鉄分の多い食事を取ろう
  • サプリメントもOK
  • タンニンの多い飲み物を避ける

ひどい貧血になると、入院による治療も。

できれば平素からこの方法を実践して、貧血を予防してくださいね。

妊娠中期の貧血の原因は?どんな症状?頭痛や吐き気はある?

妊娠中期に入って、妊婦健診で貧血と診断される妊婦さんは少なくありません。

妊娠中期に入るとどうして貧血を発症しやすくなるのでしょうか?

そこで、貧血をひき起こす原因と、貧血になるとどんな症状が現れるのかについて解説します。

どうして貧血になるの!?その原因とは?

妊婦さんの貧血の90%以上は鉄欠乏性貧血によるものです。

(出典元:公益社団法人日本産科婦人科学会

妊娠すると、お腹の赤ちゃんに血液を供給するため、妊婦さんの血液の量がおよそ1.5倍に増加。

ところが、血液中の成分はあまり増えず、血漿という水分が増えるので、血液が薄くなります。

その上、赤ちゃんに血液中の鉄分が取られてしまうので、元々体内に蓄積されていた鉄分が少ない妊婦さんは鉄分が足りなくなって貧血を発症するんです。

妊娠中期の貧血はどんな症状がみられるの?

鉄欠乏性貧血になると、倦怠感や疲れやすさを感じたり、立ちくらみ、頭痛、吐き気や動悸などの症状が現れます。

しかし、激しい痛みなどの目立った自覚症状が現れないため、血液検査をして初めて気づいたという妊婦さんも少なくありません。

妊娠中期の貧血はどんな治療?基準数値とは?鉄剤や点滴の効果は?

妊婦健診での血液検査の結果、鉄欠乏性貧血と診断されたら、どんな治療が行われるのか気になりますよね。

そこでここでは、検査や治療の内容、基準となる数値、鉄剤などの効果について解説します。

鉄欠乏性貧血になるとどんな治療が行われるの?治療の基準となる数値とは?

貧血の有無や鉄欠乏性貧血であるかどうかといったことを調べるため、妊婦さんの血液を採取して検査が行われます。

WHO基準では、血液中のヘモグロビン濃度(Hb)が妊婦や幼児は11g/dl未満であれば貧血だと定められています。

(出典元:福岡市医師会

医療機関によって違いはありますが、主にHbや赤血球の大きさを表すMCVの数値をもとにして、次のような治療が行われます。

・Hbが9~11g/dlでかつMCVが85~100fl:血液の希釈であるとして、鉄分や葉酸などをたくさん摂取する食事療法を実施。

・Hbが11g/dl以下でかつMCVが85fl以下:鉄欠乏性貧血と診断されます。

上記の食事療法に加え、鉄剤の内服による治療を実施。

ただし、内服で吐き気などの副作用がみられたら、静脈注射による治療が行われます。

MCVの基準値は85~100flなので、ヘモグロビン濃度及び赤血球が小さくなっている場合に鉄欠乏性貧血であるとして、鉄剤による治療が行われるようです。

妊娠中期の貧血って赤ちゃんやママへの影響はあるの?

妊娠中期に貧血の診断が出た妊婦さんが気になるのは、赤ちゃんへの影響ではないでしょうか?

そこで、貧血になった場合、赤ちゃんや妊婦さん自身にどんな影響があるのかについて解説します。

貧血によって赤ちゃんにどんな影響があるの?

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赤ちゃんは妊婦さんの血液から栄養分や酸素を送ってもらっています。

したがって妊婦さんが貧血になると、赤ちゃんに充分な栄養分や酸素が届けられなくなるので、十分な発育ができずに低体重児になるリスクが高くなります。

また、妊婦さんが鉄欠乏性貧血になると赤ちゃんが酸欠状態になるので、流早産の原因になることも。

さらに赤ちゃんの体内に充分な鉄分が蓄積されないため、胎児貧血をひき起こすこともあるんです。

貧血によるママへの影響は?

貧血によって妊婦さんの体力が低下することで、微弱陣痛になり分娩にかかる時間が長時間に及ぶことがあります。

また、分娩時に大量出血をひき起こすと、危険な状態になることも。

出産時に大量出血すると、母乳も血液から作られていることから母乳の分泌にも影響します。

さらに、産後の体力の回復も時間がかかることがあります。

妊娠中期の貧血を防ぐ3つの対策とは?

このように、ママや赤ちゃんに影響を及ぼす恐れがある貧血。

特に多いといわれる妊娠中期の貧血を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?そこで、貧血対策の方法を3つご紹介します。

鉄分の多い食事を取ろう

治療法として食事療法が行われるように、日頃の食事で鉄分を積極的に摂取することはとても大切です。

鉄分には、肉や魚などの動物性の食材にたくさん含まれるヘム鉄と野菜などの植物性の食材にたくさん含まれる非ヘム鉄とがあります。

非ヘム鉄よりヘム鉄の方が身体への吸収率が高いといわれています。

特に鉄分たっぷりでおすすめなのは、あさりの水煮缶。スーパーでも手に入りやすく、手軽に使えるところもメリット大ですよね。

また、豚や鶏のレバーもヘム鉄が多いことで知られています。

レバーは、胎児に影響を及ぼすビタミンAを多く含むため、特に妊娠初期には摂取を控えるべき食材です。

妊娠中期になるとリスクは少なくなりますが、大量摂取は控えた方が無難でしょう。

一方で、非ヘム鉄はビタミンCや動物性のたんぱく質と一緒に取ると吸収率がアップするといわれています。

非ヘム鉄を多く含む食材は、乾燥ひじきや小松菜、凍り豆腐、油揚げなど。

ビタミンCも豊富な小松菜の卵とじやひじきと豚肉の炒め煮など、食材の組み合わせを意識して料理してみてくださいね。

サプリメントもOK

大きくなったお腹の圧迫によって食欲不振になっている妊婦さんは、食事で鉄分を摂取するのはなかなか難しいかもしれません。

そうした方は、鉄分のサプリメントで補いましょう。

吸収率のよいヘム鉄のサプリメントが多く市販されています。

ヘム鉄だけでなく、赤血球を生成する葉酸やビタミンB12も一緒に補給できるものがあるのもうれしいポイント。

ただし、米国の研究によって葉酸やビタミンB12を過剰に摂取すると自閉症児の出産リスクが高くなるという報告もあります。

そのため、摂取する際にはまず医師に確認してから、指定された用量を守って服用しましょう。

タンニンの多い飲み物を避ける

コーヒーや玉露、紅茶などにたくさん含まれる渋味成分のタンニンには、鉄分の吸収を妨げる働きがあります。

ヘム鉄は影響を受けにくいようですが、非ヘム鉄はタンニンと結合して腸から吸収されにくくなってしまうんです。

こうした飲料には赤ちゃんの発育に影響するカフェインも含まれているため、妊娠中はなるべく避けてくださいね。

まとめ

妊娠中期の多くの妊婦さんが発症する鉄欠乏性貧血。

特に、女性は元々身体に蓄積された鉄分が少ない傾向にあるため、貧血になりやすいといわれています。

重度の貧血になると、赤ちゃんや妊婦さんにもリスクが生じることも。

そのため、常日頃からご紹介した3つの対策法を実践して、貧血にならないように心がけましょう。