不妊治療と言う言葉を身にしみるようになったのは、自分も不妊治療を行うようになったからでした。
正直、1人目を自然に妊娠出来たので、まさか2人目で自分自身が不妊になるなんて思ってもみませんでした。
2人目が欲しいと思った時から、私の戦いが始まりました。
今回はそんな、誰の身にも訪れる可能性がある、不妊、そしてその治療方法について、一緒に勉強していきましょう。
目次
不妊って一体どんな状態?不妊の原因とは?

赤ちゃんが欲しい。
女性だったら誰でも1度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
しかし、そう思ったところですぐに妊娠できるわけではありません。
まずはパートナーがいないことには話にならないし、パートナーがいてもすぐに妊娠できる人もいれば、何年も妊娠出来ない人だっています。
そんな、なかなか妊娠出来ない場合を不妊と言うのですが、どうして不妊になってしまうのでしょうか。
一緒に見て行きましょう。
誰でも不妊になるの?不妊ってどんな状態なの?

まずは、不妊の定義について見て行きましょう。
日本産科婦人科学会と言う学会があるのですが、そこによると不妊とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しない事を指しています。
ここで注意していただきたいのは、健康な男女と言う記述です。
例えば男性の場合、精子の数がものすごく少なかったり、元々無精子の方もいらっしゃいます。
また、女性の場合は排卵がなかったり、子宮内膜症を合併していたり、過去に骨盤腹膜炎にかかっている人は、妊娠しにくい体であることが分かっています。
つまり、元気であっても妊娠したくても妊娠出来ない状態が続く事が、不妊であると言えるわけです。
不妊の原因って一体何?何で不妊になっちゃうの?

どうして私たちが不妊になってしまうのでしょうか。
その原因があるとしたら、それは一体何なのでしょうか。
不妊の原因は以前は女性にのみあると考えられていました。
しかし、近年その原因は、女性だけでなく、男性にも、そしてその比率も50パーセント対50パーセントと、どちらも同じくらいの原因率があることが分かってきました。
とは言え、まだまだ不妊においては女性側に原因があるという考えが根強く残っていますし、男性は不妊について無知だったり、非協力的だったり、さらに、婦人科を受診するのが恥ずかしいという理由から、男性不妊の治療が進んでいないのが現状です。
ではまず、そんな男性側の不妊の原因について、見て行きましょう。
男性の不妊症の原因は、
- 射精がうまくいかない、性機能障害
- 射精される精液の中の精子の数や運動率が悪くなっている、精液性状低下
の2つに分けることができます。
中でも後者の方は軽度のものと中等度のもの、そして高度、無精子症に分けられます。
これらの症状の原因は、先天的なものだったり、過度なストレスなど精神的なものも考えられますが、停留精巣の手術後やおたふく風邪による耳下腺炎性精巣炎も、不妊の原因になるのです。
また、1番多い理由としては、その原因が分からないと言う残念な結論も出されており、まだまだ妊娠のメカニズムは分からないことが多いとされています。
次に、女性の不妊について見て行きましょう。
女性の不妊症の原因には、
- 排卵因子(排卵障害)
- 卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)
- 子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、先天奇形)
- 頸管因子(子宮頸管炎、子宮頸管からの粘液分泌異常)
- 免疫因子(抗精子抗体)
が挙げられます。
ざっと挙げただけでもたくさんあってびっくりしちゃいますよね。
しかも、このうちの排卵因子、卵管因子、そして男性不因子の3つは特に不妊の原因としても頻度が高いことが有名で、不妊症の3大原因と言われています。
女性の不妊の原因も、先天性のものや、クラミジアなど自覚症状のあまりない性病などがあり、男性同様原因不明という不妊の結果が1番多く、全体の実に3分の1がこれに当たると言われています。
今の医学では、これを解明するにあたっておらず、妊娠にはまだ私たちが分かっていない、私達にはどうすることもできないようなことがたくさんあるんですね。
不妊に悩んでいる人って、どのくらいいるの?

不妊に悩んでるのは私だけなんじゃないか・・・
私も一時期そう考えてしまっている自分がいました。
その頃、私の周りでは妊娠、出産ブームで、結婚した友達や会社の先輩が、挙って妊娠や出産をしていたんです。
そのせいか、不妊治療なんて言葉は、私の中に全く入ってきませんでした。
しかし、どうしても2人目が欲しい。
そう思った私は、不妊治療の第一歩を踏み出しました。
そんな私が最初に思ったのは、不妊に悩んでいる人って、私以外にどのくらいいるんだろうと言うことです。
何年か前までは、不妊に悩むカップルは10組に1組と言われていました。
しかし、その確率は年々上がってきており、今では5、6組に1組のアップルが不妊に悩んでいる、または不妊治療を行っていると言うデータも出ています。
厚生労働省が発表したデータによると、不妊治療を行っている人数は、実に242、161人にも上り、それは年々増加傾向にあることが分かっています。
どうして不妊の人が増えているの?また、その原因とは?
不妊の人が年々増加傾向にあることは、上記でお分かり頂けたと思います。
不妊に悩んでいるのはあなただけではありませんので、どうか気持ちを落ちつけてください。
とはいえ、私たちの社会は便利になっていく一方だし、医学だって進歩しているはずです。
では、どうしてこのように不妊に悩む人が増えてしまうのでしょうか。
不妊に悩む人が増加!その原因を徹底解明!

では、どうして不妊治療を行う人が増えているのでしょうか。
その理由は、女性の社会進出が大きな理由として考えられています。
元々女性の体と言うのは、妊娠しやすい時期と言うのがあります。
この、妊娠しやすさというのは、女性の年齢により大きく変化し、20歳前後と言われています。
しかし、女性の社会進出により、結婚する年齢が上がってきています。
仕事にやりがいを感じる、管理職になる、とどんどん結婚や妊娠が遅くなってしまい、妊娠するタイミングが遅くなってしまうのです。
仕事は多少待ってくれるかもしれません。
でも、体の老化は待ってくれません。
実は卵子も老化するんです。
この卵子の老化が、妊娠するのを年を重ねることにより、難しくさせているんです。
ですので、いざ子どもが欲しいと思ってもなかなか妊娠しないカップルが増えていると言うわけです。
不妊で悩んでいる人は、年齢が上がると共にその割合が増加してくるのです。
また、加齢が1番大きな原因の1つではありますが、ストレスも不妊の大きな原因の1つとされています。
親戚や親に子供はまだか、と言われ続けたり、仕事や人間関係におけるストレスは、私たちの体に大きな影響を与え、それが不妊の原因となるケースも考えられます。
今の日本の不妊の状況とは?平均出産年齢とは?
女性の年齢が上がるごとに、妊娠が難しいことを分かっていただけたでしょうか。
年齢も45歳を過ぎると、たとえ排卵や生理があったとしても、赤ちゃんを作ることが出来るような強い卵子を体内でつくることができなくなってしまいます。
そのため、このぐらいの年になると妊娠の可能性はほとんどなくなります。
日本では、2010年に、女性の平均初婚年齢が28.8歳にまで上がってきました。
上記に書いたような、女性の社会進出が大きな原因とされています。
そして、結婚が晩婚化するのと比例するかのように、第一子出生時の母の平均年齢は29.9歳にまでなってきました。
これが30年前にまで遡ると、それぞれ25.2歳と26.4歳と、今よりもかなり若い数値になります。
ですので、子どもを持ちたいと思いながらも、なかなか妊娠できないカップルの割合は、ここ最近になってぐんと上昇しているのです。
不妊かもしれないと思ったらするべきことって?

では、もし自分が不妊かもしれないと思ったら。
一体何をしたらいいのでしょうか。
とりあえずネットで調べてみる?
生活習慣を見直してみる?
急いで病院に行く?
色々選択肢はあるのと思うのですが、ここでは、不妊を感じた時にやっていただきたいことを書いていきます。
不妊だと思ったら、これをやってみようリスト!
①基礎体温をつけてみる

妊活の中でも基本中の基本なんですが、基礎体温のグラフを付けてみることをお勧めします。
これにより、生理や排卵などと言った女性の体をコントロールしているホルモンの動きが目で見て分かるわけです。
よく、不妊で病院に行くと、基礎体温はつけているか?と聞かれますよ。
この基礎体温を継続的に測かり、記録することで、あなたの体のリズム分かってくるんです。
基礎体温の取り方は、ちょっと大変なんですが、朝目が覚めた瞬間の体温を測ることです。
出来る限り目が覚めたら動かず、体温を測ります。
動く事で血液が動き出し、体温が上がってしまうからなんです。
私はこれをつけるのがとても大変でした。
と言うのも上の子がいたため、枕元に体温計を置いておいても、上の子が先に起きたりすると、それで遊んでしまったり、体温を測るのを邪魔してくるからです。
ちょっと脱線しましたが、基礎体温を測るために枕元に体温計を置いておき、目が覚めたらそのままの姿勢で体温を測るようにしましょう。
ちなみに、体温計は基礎体温専用の基礎体温計を使うようにしましょう。
②体の冷え対策

実は冷えは、不妊の大きな原因の1つなんです。
いまいち不妊と体の冷えが繋がらないかもしれませんが、体が冷えると言う事は、体の血液の循環が悪いと言うことです。
血液の循環が悪いと、子宮や卵巣に十分な栄養が回らなくなり、それが冷えとなって体に現れます。
子宮などが冷えてしまうと、生理痛、生理不順、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣脳腫などを引き起こす原因にもなるんです。
また、体が冷える原因として挙げられるのが、
- 喫煙
- 飲酒
- 締め付ける下着や服
- ヒールの高い靴
- 冷たい食べ物、飲み物
- シャワーだけの入浴
- 日ごろの運動不足
などが挙げられます。
不妊で悩んでいるあなたには、きっと当てはまるポイントがあるはずです。
③バランスの良い食生活

仕事や家事、育児が忙しいと、疎かになりがちなのが、この日常の食事です。
ですが、この食事は当然ながら栄養を摂取するため、必要なものです。
食生活が乱れれば、当然ながら体に悪影響を与えます。
栄養をバランス良く、しっかりとした和食中心の食事がお勧めです。
④飲酒やたばこはほどほどに

実は、過度な飲酒は妊娠する確率をガクンと落としてしまうんです。
また、喫煙は血流の悪化を招いてしまうため、不妊の原因の代表格です。
女性が喫煙した場合、卵巣機能の低下を招きます。
そして、男性の喫煙の場合は精子に悪影響を与えてしまいます。
本気で不妊治療を行っていくのであれば、男女共に禁煙していきましょう。
⑤ストレスフリーになる

過度なストレスを受けると、私たち人間の体のホルモンバランスに悪影響が起こります。
そして、ホルモンバランスが崩れると生理不順を引き起こし、特に女性側の不妊を引き起こす原因となるのです。
仕事に家事、育児や人間関係など、この世の中で生きて行くと多かれ少なかれストレスを感じることでしょう。
このストレスと上手に付き合っていくのも、不妊治療の大事な第一歩。
自分なりのストレス発散法を見つけられるといいですね。
⑥適度な運動と、良質な睡眠を心がける

学生時代は体育の授業などで、運動する機会がそれなりにありましたが、社会人になるとそんな時間ありませんよね。
しかし、運動が不足すると体内の血流の低下を招いてしまうため、不妊の原因になります。
また、肥満も妊娠と大きな関係があり、BMIが増加すると、妊娠率・着床率・生産率が低下するというデータも出ているんです。
さらに、睡眠が不足すると私たちの体内で、成長ホルモンの分泌が不足してしまい、不妊の原因になってしまいます。
産婦人科にはどのタイミングで行くべき?

では、実際に産婦人科に行くタイミングって、いつがベストなんでしょうか。
結論から言うと、妊娠を望んでいるのであれば1日も早く産婦人科を受診するべきです。
産婦人科を受診することによって、不妊の原因がどこにあるのか、何がいけないのかが明確になるからです。
とは言え、いきなり産婦人科に行くのはちょっと勇気がない、と言う方は、まずは不妊チェックをしてみてはいかがでしょうか。
これに1つでも当てはまるようなことがあれば、産婦人科に行くことをお勧めします。
まずは、女性の不妊症チェックです。
- 生理周期が不規則である
- 生理時の出血量が多い、血の固まりが出る
- 生理痛がひどい、薬を飲んでも辛い
- 生理ではない時に不正出血がある
- 性交痛がある
- 性感染症にかかったことが1度でもある
- 甲状腺の病気や糖尿病などの疾患がある
- 抗うつ剤などの薬を服用している、していた
- 開腹手術や婦人科の手術を受けたことがある
- 強いストレスを感じている
- BMIが25.0以上で、肥満である
- BMIが18.5未満で、やせている
次に、男性の不妊症チェックです。
- 射精・性交がうまくできない
- 射精時に出る精液の量が少ない、ほとんどない
- 睾丸が極端に小さかったり大きかったりする
- 睾丸に引きつれた痛みやしこりがある
- 大人になってからおたふく風邪にかかった経験がある
- 強いストレスを感じている
- 常用している胃腸薬がある
いかがでしたでしょうか。
意外と当てはまる部分も多いのではないでしょうか。
ちょっとでも不安があったり、早期に妊娠を希望している場合は、やはり早めに産婦人科に行きましょう。
産婦人科に行く時も、行く前にチェックしてほしいのは、その病院の治療内容です。
産婦人科によって不妊治療の得意不得意や、どの程度の治療まで出来るか様々です。
分からないことがあったら、産婦人科に問い合わせてみましょう。
産婦人科での、不妊治療って何をするの?

では、実際に産婦人科に行く勇気が出たあなた。
素晴らしいです!
それこそ不妊から脱出する大きな第一歩なんです。
とはいえ、不妊治療なんて体験したことないし、ネットで調べると意味の分からない言葉や数値、ものすごい金額や痛みなど、多くの情報が出ていて、一体何を信じたらいいのか分からなくなってしまいますよね。
ここでは実際に産婦人科に行く際にあるといいもの、気をつけたいことなどお話して行きます。
産婦人科に行く前に、用意しておくといいもの
まず女性側の準備としては、基礎体温をつける事がとっても大切。
基礎体温をきちんとつけておくことで、お医者さんはかなり助かります。
もちろん、問診や内診も行ってくれますが、あなたの体のホルモンバランスを把握するのには基礎体温が1番分かりやすいからなんです。
また、受診する際には最後にあった生理の日にちや、生理周期なども説明できるといいですね。
次に、男性側の準備です。
とは言いますが、実は男性側の準備は特にないんですよね。
産婦人科に行くと、まずは精液検査を受けますので、心の準備をしていくといいかもしれません。
精液検査とは、クリニックに行って採精室でマスターベーションで採取します。
または、お家で専用容器に採取して持って行って検査します。
この検査男性にとっては結構ハードルが高いんですよね。
しかも、男性は産婦人科に行きにくいもの。
もしも、男性が一緒に行くと言ってくれたら、女性としてはかなり嬉しいんですけどね。
産婦人科を受診するタイミングとしては、生理が終わった後3~⑤日くらいに行くのがベスト。
その理由は、次の排卵する卵子の様子が良く分かるのと、次の項目に書く血液検査の結果がきちんと出るからです。
産婦人科では、どんな診察やお話をするの?血液検査って一体?

まず、初診について見て行きましょう。
産婦人科に行くと、まずは問診や内診などを行い、妊娠が可能な状態か調べることから始めるのが一般的です。
その時に決定的な以上が見つかることは少なく、医師から不妊治療の流れの説明をされた後、夫婦でどのような治療をしていくか、いつぐらいまでに、妊娠したいか、予算など検討してから検査を始める病院が増えています。
今後の流れとしては、検査が多くなってくるでしょう。
不妊の原因を特定するためです。
その検査内容としては、
・血液、ホルモン検査
生理開始1~5日に行う
・クラミジア感染検査
血液・ホルモン検査と同タイミングで行う
・精液検査
3日ほどの禁欲後、行う
・子宮卵管造影検査
排卵日またはその直前
・フーナーテスト
排卵日またはその直前
排卵の1~3日前に来院し、卵胞の大きさを測り、排卵日を予測
などなど。
クラミジア検査以外は、保険が適用されますのでご安心ください。
不妊治療って一体何?どんなことをするの?

では、無事に産婦人科に行き、検査を一通り終えたあなた。
お疲れさまです。
ここらかは、不妊治療の種類について勉強していきたいと思います。
不妊治療は自由診療ってどういうこと?
実は、不妊治療も体外受精までは保険が適用されたり、自治体からの助成金を受け取ることができます。
しかし、不妊と言うのは医療分野ではまだまだ発展途上の領域です。
しかも、妊娠はこれをしたから必ず妊娠できる!と言うものではございません。
妊娠の成功率が不明ですし、不妊は病気という扱いにはならないのです。
そのため、保険が適用されない、自由診療になるんですよね。
この考え方は、体外受精や人工受精をしなくても、患者さんの命には関わらないからなんです。
つまり、子供がいなくても私たちは健康に生きていけるからなんですね。
不妊治療にはどんな種類があるの?
人によって不妊の原因が違うように、不妊治療の方法も変わってきます。
一般的な不妊治療には種類があり、タイミング法や内膜症などの対症療法、排卵を誘発するホルモン投薬などが挙げられます。
ここでは、産婦人科で受けることができる不妊治療の代表的なものをご紹介します。
まず、不妊治療には大きく分けて、一般不妊治療と生殖補助医療の2種があるのを理解しておきましょう。
生殖補助医療とは、卵子と精子や受精卵を体外で受精させたりする、かなり高度な不妊治療の事を言います。
この中には、体外で受精させる体外受精と、顕微鏡下で卵子のごく近に精子を注入する顕微授精と言うものがあります。
とにかく卵子と精子を取り使うのは、本当に大変で高度な医療技術なんです。
上記のような技術や、薬物、手術などを使わない治療を、一般不妊治療といいます。
不妊治療というのは、より自然に近い治療から行われて行きます。
そして、どんどん高次の治療法へと段階的に進みます。
生殖補助医療というのは一般不妊治療と比べると、かなりの金額が必要になる事、特に女性の体への負担が大きいことから、男性と女性のきちんとした不妊治療の話し合いが必要になってきます。
さて、一般不妊治療の主なものとしては、下記のようなものが挙げられます。
・タイミング法
排卵日をエコーで予測し、そこを狙って夫婦生活を行う事
・薬物療法
薬や漢方の力で、きちんと排卵させること
・手術療法
薬を何度か試してもダメだった場合行う、体内受精など
・人工授精
体外や顕微鏡を使い、受精させた卵子を体内に戻すこと
などなど。
血液検査などで、決定的な原因が出ない場合は、通常、まずタイミング法から治療をスタートしていきます。
それがだめだった場合、今度は薬物や手術による治療にステップアップしていきます。
それでも妊娠に至らない場合は、人工授精です。
上記にかいたような治療は、1つずつステップアップしていきます。
1つの治療を半年ほど試して、ダメだった場合は次、次と試していくのです。
この一般不妊治療を2年ほど続けても妊娠出来ない時は、生殖補助医療へのステップアップを勧められるでしょう。
もちろんこれは一般的な場合です。
年齢や持病などがあり、早期妊娠を望んでいる場合は、1つの治療に半年費やすことなく、次のステップへ進んでいきます。
人工授精もダメで、一般不妊治療では妊娠しにくい原因がある場合は、卵子や受精卵を体外に取りだす生殖補助医療になります。
生殖補助医療とは、体外受精と顕微授精の2つがあります。
ですが、正しくは妊娠成立を目的とする人間の卵子や精子、受精卵を体外操作することを指します。
上記にも書かきましたが、これらの治療は保険適用外になりますので、全額実費になります。
補助金が下りたとしても、それなりのまとまった金額を用意する必要があります。
不妊治療に使われる薬って一体どんなものなの?

不妊治療には、やはり治療ですので薬が使われます。
風邪や病気と違って体のどこかが不調なわけじゃないのに、薬を飲むなんて・・・
と、抵抗がある人もいるでしょう。
はい、ずばり、それは私です。
最初、排卵させるのに薬を飲むと聞いて、ちょっとためらいがありました。
最終的には薬を飲んで治療を進めて言ったんですけどね。
では、ここでは不妊治療で多く使われる薬の知識を深めていきましょう。
不妊で処方される薬とはどんなものがあるの?
では、早速気になる薬のお話です。
不妊治療といえば、排卵誘発剤のイメージが強いのではないでしょうか。
ちなみに、私もこれ飲んでいました。
排卵誘発剤とは、自分の力では排卵しづらい人、無排卵症の人に排卵をさせる排卵誘発の目的で使う薬です。
実はこの排卵誘発剤には、多くの種類が存在します。
特に、妊娠に不可欠なホルモンが不足したり、バランスが崩れたりすると、正常な排卵が起こりません。
そこで排卵誘発剤の出番です。
主に、
クロミフェン療法・・・抗エストロゲン作用のあるクロミフェン剤を内服して視床下部に働きかける
ゴナドトロピン療法・・・2種類の注射により卵巣を直接刺激する
などがあります。
しかし、やはり薬ですので、個人差はありますが、薬の副作用があります。
ですので、投薬開始後、体への反応を見ながら種類や投与量を決めていくのがオーソドックスです。
中には汗が止まらなくなったと言う人や、食欲が増えた、と言う人もいらっしゃいます。
ちなみにこれが男性だった場合、造精機能障害の時にこの薬を使います。
とは言え造精機能障害は原因不明のことも多いため、まずはビタミン剤や漢方薬などを服用することが多いですね。
不妊治療で行われる手術とは?
手術と言うと、なんだかかなり大がかりなイメージがりますが、不妊の原因によっては、手術をすることで妊娠する確率をあげることが可能です。
近年は医学の進歩により、開腹手術に比べて身体への負担が軽くて済むようになってきましたよ。
子宮筋腫手術は、筋腫核の直径が5~6㎝以上ある、その大きさやある場所によって生殖機能を障害すると診断された場合は、手術を行います。
ポリープなども、筋腫の大きさや場所によっては子宮鏡や腹腔鏡の手術を行うことが多いですが、まれに開腹手術になる場合もあります。
子宮奇形の手術の場合、子宮形成術を行います。
しかし、形によっては手術の必要がないものや不可能なものもあります。
また、子宮内膜症や、チョコレート嚢胞の場合も腔鏡下の手術療法を行います。
卵管障害についても、腹腔鏡や顕微鏡下での手術を行います。
この他にも、精路通過障害については、マイクロサージェリーにより、閉塞部分を切除してまた、つなぎ直す手術が行われます。
不妊治療の手術には色々な種類があるんですね。
不妊治療について詳しく知りたい!また、その料金は?

ここまで不妊治療について書いてきました。
ちょっと専門的な言葉が出てきて難しかったですよね。
ここではそんな不妊治療の知識を深めて言っていただこうと思います。
体外受精って、こんな治療です!
体外受精とは、卵子と精子を試験管の中で混ぜ合わせて授精させる治療です。
さらにそれを人の力で培養し、その受精卵を胚の状態にしてから子宮へ戻して妊娠させます。
この時の卵子は排卵前に採卵針で採取され、授精して分割し始めた受精卵を、膣の方から子宮頸管を経て、子宮内に戻します。
実はこの治療、ものすごーく痛いんですよね。
私的に書いているだけでドキドキしてしまうんですが、卵子を採取するのが、本当に辛い痛みなんですよね。
さらに痛いのはお財布も精神的にも同じです。
この治療を行う際には、旦那さんと十分に話し合ってから行うようにしましょう。
体外受精の中で最も1番行われているのが、受精させ正常に発育した受精卵を子宮に戻す方法です。
この体外受精の対象になるのは、両方の卵管が閉塞していたり、卵子を卵管内に取り込めないピックアップ障害だった場合に行われます。
また、男性側の乏精子症や精子無力症などもこれに該当します。
体外受精で卵子を取る際には、排卵誘発剤を飲み、同時に多くの卵胞を発育させ、成熟させます。
ここで卵子をできるだけ多く採取し、受精させ、得られた卵子を移植する事により、妊娠する確率をあげて行きます。
この胚移植を行った後には、着床をサポートするために、プロゲステンを飲み、2週間後の妊娠判定を待ちます。
日本産婦人科学会によると、体外受精の妊娠率は14.4%、移植当たりの妊娠率は16.2%となっています。
上記にも書いたように、体外受精に健康保険の適用はなく、病院や地域によって金額は変わってきますが、1回につき大体30~50万ぐらいの費用がかかります。
しかも、体外受精は外科的処置を伴うため、完全に安全とは言えないのが事実。
排卵誘発剤の副作用や、採卵時の出血や麻酔のトラブルなどが起こる危険性が付きまといます。
医学が進歩した今の時代でも、です。
排卵誘発剤を使用することにより、多胎妊娠が起こる可能性も高くなります。
そしてそれに加えて、妊娠出来たとしても流産したり、子宮外妊娠が起きる可能性もあるのです。
次に、顕微受精についてです。
受精は精子と卵子を一緒のシャーレに入れて、卵子と精子の力で受精させると言う治療からステップアップさせて、顕微鏡を見ながら確実に卵子に精子を人工的に注入します。
その方法は、卵子の殻に穴を開け精子を新入しやすくします。
また、透明帯の内側にある囲卵腔に精子を注入する方法や、さらに内側の卵細胞質の中に精子を注入する方法も取られ、この治療は顕微授精の中で1番妊娠率が高いことから、現在主流の治療となっています。
顕微授精は、精子の数が極端に少なくても受精が可能なのが大きなポイント。
期待できるその効果は、日本産婦人科学会によると、妊娠率は12.2%、移植当たりの妊娠率は13.2%となっています。
残念ながら、この治療も健康保険の適用外ですので、数万円~10万円ほど費用がかかります。
人工授精ってどんなもの?

さて、最後に人工授精について見て行きましょう。
人工受精とは、その名の通り精子を人工的に子宮腔内に注入する治療の事を言います。
その中でも、パートナーの精子を妻の子宮に注入する方法と、パートナー以外の精子の提供を受けて注入する方法の2つがあります。
後者の場合使われるのは匿名の第三者がボランティアとして提供した精子です。
残念ながら生まれてくる子どもと旦那さんとの間に遺伝的なつながりはと言うものはなくなってしまいますが、戸籍上は実子として扱われます。
人工授精を行うためには、乏精子症や精子無力症、頸管粘液分泌不全など精子が子宮に侵入しにくい時、ペニスや膣の形に問題がある時などに行われます。
基礎体温表や超音波検査、尿検査などから排卵直前の時期をあらかじめ予測します。
そして、良好な精子を妻の子宮腔に注射器で注入します。
そのまま15~30分ほど安静にし、異常がなければ治療の終了です。
こんなに簡単に書いていますが、この治療も卵子を戻す注射がまた痛いんですよね。
この治療の妊娠確率は実は10%を切ることもあるくらい、高い確率ではないんです。
この方法で妊娠する人はおよそ5~6回。
ですので、この回数を上限としている所が多いのが事実です。
費用は自費診療となり、1回1~3万円くらいになります。
不妊治療でもらえるお金って?助成金の正体とは?

上記で不妊治療にかかるお金について書いてきましたが、そのお金を全部自分で払っていたらかなりの金額になってしまいます。
そんな時に使っていただきたいのが、お住まいの地域の自治体で出してくれる不妊治療の助成金です。
これは一体どのくらい、どんなタイミングで、どうすればもらえるのでしょうか。
特定不妊治療の助成金を受けられる制度とは?
まず、この助成金を受け取るためには、特定不妊治療である、体外受精・顕微授精・凍結胚移植などの高度不妊治療受けていなくてはなりません。
とはいえ、受ける前に提出するものなどはなく、あくまでも治療を受けた後に申請するものになります。
これは、国の厚生労働省が実施している事業で、47都道府県どこでも受けられる助成制度なんです。
国の特定不妊治療助成事業と、自治体の助成事業という2つの助成制度が存在し、どちらも一緒に受けることが可能です。
お住まいの地域の自治体による助成制度は、制度や金額などその自治体によって様々ですが、特に多いのが特定不妊治療助成事業の上限額を上回った金額を、最大で○万円まで払う、と言った類ものです。
助成金を受け取るには限度がある?!その年齢とは?
不妊治療を行う人が増えている中、助成金制度が出来たのは2004年。
これが2016年度から、年齢制限がプラスされたのです。
その年齢とはずばり、42歳まで。
この理由は、不妊治療は行う人が年々増え、2004年では約25億円の助成金だったものが、2012年には200億円に増えたことがきっかけです。
しかも、不妊治療は年齢が上がるとともに多くなる体外受精ですが、増えるけれども成功率は低下しているのです。
成功率は、32歳で20%、40歳で7.7%、45歳で0.6%と、45歳にもなると、その成功率は1%にも満たないんです。
そして、妊娠する事が出来ても、流産の可能性は43歳では50%と、高い数値になります。
母子ともに安全を考え、今回42歳と言う年齢制限が設けられました。
さらに、一回の助成金額の上限は15万円まで、通算5年間で10回までという条件も変更されました。
助成を受けるための詳しい条件と必要なものは?
この助成を受けるためには、治療を行っている以外にも存在し、
- 申請日現在、申請都道府県に住所を有し、指定医療機関で不妊治療を行っている戸籍上の夫婦
- 夫婦合算の年間所得額730万円未満
であることが条件となっています。
さらに、この助成金をもらうためには、実際に不妊治療をしたのでお金を補助してください!という申請が必要になります。
その申請の際には保健所でもらう、
- 特定不妊治療費助成事業申請書
- 特定不妊治療費助成事業受診等証明書
病院でもらう書類
- 指定医療機関が発行した治療費の領収書
- 指定医療機関が発行した治療費の明細がわかるもの
区市町村の役所で発行してもらう書類
- 夫婦それぞれの住所を確認できる書類
- 戸籍上の夫婦であることを証明する書類
- 夫婦それぞれの前年の「所得金額」と「所得控除の内訳」が記載された証明書
が必要になります。
また、地方自治体の助成制度を受ける場合は、その自治体によって書類や提出先が違いますので、ご注意くださいね。
申請する際の機嫌は、治療を終了した日の属する年度内に申請してください、とあります。
つまり、その年の4月1日から翌年3月31日までですね。
医療控除とは期限が違ってきますので、よく確認してから申請するようにしましょう。
まとめ

誰にでも訪れる可能性のある不妊。
そして、ゴールの見えない不妊治療。
ただ赤ちゃんが欲しいだけなのに、毎回痛い治療を受けたり、高いお金を払わなければいけません。
でも、それでも諦めずに頑張れるのは、我が子が欲しいと思うからです。
この記事が、これから妊娠を望む人、現在妊活中や、不妊治療をしている人の力になれればいいなと思います。