妊婦は五穀米を食べちゃダメ?妊娠中の注意点と栄養&おすすめレシピ

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五穀米と言えば「健康にいい」とか「ダイエットになる」というイメージがありますよね。

体重管理や栄養バランスに気を遣う妊娠中は「試してみようかな?」と思う方も多くいます。

でも、そもそも五穀米って何が入っているもので、どんな栄養が含まれていて、本当に健康に良いのか。

疑問ですよね。

この記事では、五穀米の栄養とおすすめレシピ、

妊娠中に注意したい点を4つの項目にまとめました。

・五穀米とは米と雑穀を混ぜたもの(決まりはない)
・五穀米のカロリーと栄養は白飯と大きく変わらない
・妊娠中に五穀米で栄養を取るのは効率が良くない
・五穀米のおすすめレシピ

なんとなく期待を抱いてしまう五穀米について、ひとつずつ見ていきましょう。

五穀米とは、米と雑穀を混ぜたもの(決まりはない)

まず、五穀米は5種類の穀物を混ぜたものをいいます。

特に「これが五穀米!」という決まりはありません。

主食として多く食べられている精白米に、雑穀と言われる他の穀物をなんでも4種類プラスすれば五穀米になりますよ。

ムギ、アワ、キビ、マメ、キヌア、ゴマなど。

プラスする雑穀は様々。

自分で複数の雑穀を買ってきて自家製五穀米を作ってもいいですし、五穀米として販売されている商品を購入しても五穀米が食べられます。

自由度が高い分、どういうものがいいのか迷ってしまいますね。

実質的な五穀米の栄養とカロリーは白飯と大きく変わらない

五穀米といえば「ダイエットになる」「健康にいい」というイメージがありますよね。

妊娠中は体重管理が必要ですし、胎児のために多くの栄養素を効率良く取りたいと思うのは当然!

ですが、実際の所、栄養素もカロリーも大きな違いはないんです。

雑穀にはミネラル類と食物繊維が豊富

手に入りやすく、よく五穀米に含まれている雑穀の栄養素を調べてみました。

キビ:カリウムやマグネシウム、不溶性食物繊維が多い
アワ:カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛の他に葉酸、不溶性食物繊維が多い
押し麦:カリウムと水溶性食物繊維が豊富で、不溶性食物繊維も多い
キヌア:カリウム、マグネシウム、葉酸、不溶性食物繊維が豊富

(参考:食品成分データベース|文部科学省

多くの雑穀が、ミネラルと食物繊維が豊富です。

ですから、精白米に雑穀をプラスすると、ミネラルと食物繊維が多く取れ、便通も良くなって健康にいい!と思えます。

やはり、五穀米の方が体にいいと思いがちですが、そうでもないのが現実。

ちょっとした落とし穴があるんです。

重要なのは実際に食べる量

栄養素が豊富な雑穀ですが、皆さんはどれくらいの量を食べますか?

精白米に混ぜる雑穀の量と、1度に食べる量を考えてみましょう。

雑穀の量が少なければ実際に食べられる栄養素の量はわずか。

実際に五穀米として販売されている商品と精白米の栄養素を比べてみましたので見てみてください。

(参考:食品成分データベース|文部科学省kikkoman

数値は食品成分データベースで調べたものと、商品の販売会社のHPに掲載されているものを利用しました。

米粒の状態での栄養素(緑)と、炊きあげて茶碗一杯に入れる分(茶碗小盛り1杯分)の栄養素(黄)を書き出しています。

注目したいのは
・カロリーはそれほど変わらない
・カルシウムはたくさん取れるが、特に不足する栄養素ではない
・脂質は五穀米の方が多い(豆とゴマを含む五穀米なので脂質が多くなる)
・鉄は白飯の5倍だが、妊婦さんに必要な量(8.5~21.5mg)には全然追いつかない
・食物繊維も2倍以上だが、1日に摂取したい量18gには全く届かない
ということ。

この商品は、五穀米50g+精白米250g(合計2合)で炊く商品です。

他社の商品では、精白米2合に30gの雑穀を混ぜるというものも。

実質的に1度の食事で取れる栄養素を考えると「大きな期待を寄せるほどではないのでは?」と感じます。

妊娠中に五穀米で栄養を取るのは効率が良くない

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茶碗1杯分のカロリーが大きく変わらず、摂取できる栄養素も大きな差はない五穀米。

・精白米にプラスする雑穀の量が少ない(プラスできる栄養素が少ない)
・雑穀の量を増やすと、食感や味が落ちて食べにくい
・雑穀は精白米より高価(1kg当たりの値段が5倍以上になることも!)
・妊婦さんに不足しがちな栄養素(タンパク質・鉄・葉酸・カリウムなど)を効率的に摂取できる訳ではない

こうしたことを考えると、食べ慣れた白飯に副菜を1品プラスした方が、経済的で効率的に栄養素を取れると言えます。

五穀米が好きで「食べたい!」という方はいいのですが、「健康に良いなら食べてみようかな」と考えている人は「効率的に栄養を取れるか」考えてみてください。

雑穀はカロリーが低い訳でもなく、精白米の半分以上を雑穀に変えて毎日3食食べなければ栄養素も効果がありません。

また、五穀米から取れる栄養素も、タンパク質・鉄・カリウム・葉酸といった妊婦さんが特に多く取りたい栄養素ではない、という点もポイント。

頑張って五穀米を食べるより、副菜を増やす食事の方が簡単でおすすめです。

五穀米のおすすめレシピ

毎日、たくさん食べるには高価で食べにくい五穀米ですが、時々、料理に活用するのは献立の幅が広がるのでいいですよ。

五穀米の焼きおにぎり

食欲が落ちている時や、ちょっと小腹が空いた時におすすめのおにぎりです。

【材料】
五穀米のおにぎり お好みの量
★しょう油           大さじ1
★砂糖                  大さじ1
★すりごま           40g

【作り方】
(1)★を全て合わせ、おにぎりの片面に付ける。
(2)フライパンで★を付けた面をこんがり焼く。

五穀米のチャーハン

雑穀を具材のひとつと考えると、具だくさんのチャーハンになりますよ。

【材料】
五穀米                  炊きあがったもの茶碗2杯
卵                         2個
タマネギ              1/4個分(みじん切り)
ニンジン              1/4本分(みじん切り)
ひき肉                  (お好みで。小さくカットしたウインナーやベーコンでもOK)
ウェイパー           小さじ1弱

【作り方】

(1)ひき肉をフライパンで炒め、火が通ったらタマネギとニンジンも炒め、皿に取る。
(2)フライパンに溶き卵を入れ、そこへ直ぐ五穀米を入れてお玉で混ぜ、パラパラにする。
(3)(2)に(1)を入れ、全体が混ざったらウェイパーで味を付ける。

※塩もしょう油も入れませんが、ウェイパーならしっかり味が付きます

五穀米でタンパク質強化カレー

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カレーにすれば雑穀が多目の五穀米でも食べやすいですよ。

肉に豆をプラスしてタンパク質を増したカレーはどうでしょう?

【材料】
鶏もも肉              1枚(小さめの角切り)
ミックスビーンズ 1缶
タマネギ              1/2個(スライスかみじん切り)
レンコン              50g(小さめの角切り)
ニンジン              1/2本(小さめの角切り)
水                         500cc
カレールー           1/2箱(4~5皿分)

【作り方】

(1)カレールー以外の材料を鍋に入れ、フタをして沸騰後、中火で20分煮る。
(2)ルーを加え、とろみが付くまで煮る。

五穀米は献立のひとつにするくらいの気持ちで

五穀米は「ダイエットになる」とか「健康にいい」というイメージがありますが、実際に食べる量を考えると、カロリーも栄養素も白飯とほとんど変わりません。

精白米の大部分を雑穀に変えた五穀米なら栄養素も変わってきますが、雑穀は高価で食べにくいのが難点。

五穀米で栄養を取ろうとするより、副菜を1品増やす方が効率的・経済的に栄養素を取ることができますよ。

五穀米を食べるなら、時々、献立のひとつにプラスするくらいの気持ちで。

料理の幅を広げる食材のように考えるのがおすすめです。