妊婦を悩ます「こむら返り」とは?妊娠中の腓返り4つの予防策と対処法

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お腹が大きくなってくる妊娠中期から妊娠後期にかけて、夜中や朝に足のふくらはぎがつって、その痛みで目覚めることがあります。

この足がつる=「こむら返り」と言い、ほとんどの妊婦さんが経験をします。

では、何故、足がつるのでしょうか?どうして、妊娠中に起こりやすいのでしょうか?

そこで、今回は、妊娠中に足がつる原因と対処法、4つの予防策をご紹介します。

・「こむら返り」とは

・足がつる3つの原因

・正しい対処法とは

・4つの予防策

・湿布やサプリメント、漢方薬は服用してもいいの?

赤ちゃんが大きくなってくると、多くの妊婦さんにこむら返りの症状が出て来てしまいます。

正しい対処法と予防策を身につけて、いざという時でも上手に対処できるようにしておきましょう。

・「こむら返り」とは

こむら返りとは、足の筋肉が極端に収縮し、硬直した状態になる辛い「足のつり」のことです。

お腹の赤ちゃんが大きくなると上半身が重くなり、それを支えようと足の筋肉に疲労がたまりやすくなってしまって起こる現象です。

特に、就寝時の夜か朝に発生することが多く、足のふくらはぎに激痛を及ぼすこともあります。

お腹が大きくなった妊婦さんを悩ますトラブルの1つです。

・足がつる3つの原因

50代を超えると多くの方が、運動中や就寝時に足がつるという現象が起きますが、普段足がつることのない若い世代の方も、妊娠中は足がつりやすくなります。

何故、妊娠中に足がつりやすくなるのでしょうか。その原因を3つご紹介します。

1.妊娠よる体型の変化

妊婦さんの足がつる大きな原因は、体型の変化と言われています。

赤ちゃんが成長し、お腹が大きくなってくると上半身が重くなり、それを支える足の筋肉に負担が生じます。

足の筋肉に負荷が掛かることにより、疲労が溜まって足がつってしまうのです。

また、お腹が大きくなることにより、骨盤が歪み足の筋肉が引っ張られて戻そうと急激に収縮し、硬直して足がつる場合もあります。

2.血行不良

お腹が大きくなってくると、身動きがとりにくくなってくるので普段より運動量が極端に減ってきます。

血液の循環が悪くなり、身体が冷えてしまい筋肉が硬くなって収縮し足がつってしまいます。

特に夏場は、外が暑いため外出することが減り室内は冷房で身体が冷えてしまうので、注意が必要です。

3.栄養不足

妊娠時、お腹の赤ちゃんの骨や歯を作るためにより多くのカルシウムが必要ですが、母体よりもお腹の赤ちゃんへ優先的に栄養が送られます。

妊婦さんは栄養不足になりがちで、カルシウムが不足すると、骨や歯に影響するだけでなくイライラしたり肩こりや腰痛の原因となります。

血行不良が生じ、血液の流れが悪くなり足がつってしまうのです。

※カルシウムの1日の摂取量について

成人女性 600mg

妊娠時 900mg

妊婦さんは、成人女性の1.5倍の量が必要となりますので、積極的にカルシウムを摂るようにしましょう!

・正しい対処法とは

実際に足がつってしまった場合は、どのように対処したらいいのでしょうか。

もし、足がつってしまった場合でもきちんと対応ができるように、正しい対処法を身につけておきましょう。

〈足がつった時の対処方法〉

収縮した筋肉である腓腹筋を伸ばすことが、正しい対処方法となります。

  1. つった方の足の親指をつかみます。
  2. すねの方向へ引き上げて、8秒程キープします。
  3. ゆっくりと元に戻します。
  4. 痛みがなくなるまで、1から3の動作を続けます。

ポイント:足を伸ばすのではなく、アキレス腱を伸ばすよう意識して下さい。

妊婦さんは、お腹が大きくて、自分でできない場合があります。パートナーにサポートしてもらいましょう。

・4つの予防策

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妊娠中の足のつりは、とても痛くその痛みが筋肉痛のように長く続く場合もあります。

出来るだけ足がつることのないように日頃から予防をしましょう。

1.骨盤ベルトの着用

赤ちゃんが大きくなって骨盤が歪むことにより足がつりやすくなっているケースもあります。

骨盤ベルトで、骨盤を心地良い位置と強さで支えて歪んだ筋肉や骨盤を整えて、足のつりを予防することができます。

骨盤ベルトの巻き方を間違えると、血液の流れが悪くなってしまいますので助産師さんやお医者さんに指導をしてもらうか、動画なので事前に確認を必ずして下さい。

※トコちゃんベルトⅠ,Ⅱの着用方法の動画

参考 HP トコちゃんベルトの青葉より

https://tocochan.jp/contents/mother/how_to_belt.php?PRID=GA002

2.マッサージや適度な運動

運動不足や筋肉量の減少が、足がつる原因となります。適度な運動やマッサージを行なって、筋肉量を増やして予防します。

・スクワット運動

膝を曲げ伸ばす運動は、足の筋肉を効率よく鍛えて筋肉量を増やすことが出来ます。

1日100回位を目安にゆっくりと行って下さい。

・ウォーキング

ウォーキングは、有酸素運動なので血行を良くします。身体を温めることが出来るため、肩こりや便秘解消にも効果的です。

・ふくらはぎのマッサージ

ふくらはぎを手で軽く揉みほぐしながらマッサージをすると、緊張している筋肉を緩ませることが出来ます。

妊娠中は、体調不良を感じたりお腹が張る場合は、必ず控えるようにしましょう。

3.入浴して温める

血液の循環が悪くなると身体が冷えてしまいますので、毎日入浴をして身体を温めるようにしましょう。

入浴の際は、滑って転ぶことのないように充分に注意をして下さいね。

入浴が出来ない場合は、桶にお湯をためて足湯を行うようにしてみましょう。

足湯は、入浴と同様の効果があり、身体を温めて血液の流れを良くする効果があります。

4.食生活の見直し

妊娠中は、お腹の赤ちゃんに栄養を送るためにも栄養バランスの良い食事を摂るようにしましょう。

中でも筋肉の動きに関わるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、沢山摂るように心掛けましょう。

カルシウムは、小魚や牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆類などに多く含まれています。

マグネシウムは、ナッツ類や大豆製品、海藻類に多く含まれています。

・湿布やサプリメント、漢方薬は服用していいの?

足がつる予防対策として、温湿布の使用や市販薬などを飲んでも良いのでしょうか?また、カルシウムやマグネシウムを食事で補えない場合は、サプリメントで補えるのでしょうか。

〈温湿布の使用について〉

妊娠中の湿布の使用については、意見が分かれますので必ず掛かりつけのお医者さんに相談するようにして下さい。

妊娠中の湿布の使用について、2014年に厚生労働省から妊娠後期における湿布の一部の禁忌とする改訂が行われました。

下記の3つの成分の含まれたものは、お腹の赤ちゃんの心臓に影響を与える可能性があるので使用しないよう注意して下さい。

・インドメタシン

・ジクロフェナクナトリウム

・ケトプロフェン

〈漢方薬の使用について〉

足がつる筋肉のけいれんやこむら返りを治す薬として、漢方薬「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」があります。

ドラッグストアなどで簡単に購入できますが、妊娠中は出来るだけ飲まない方が良い漢方薬です。どうしても使用が必要な場合は、必ず掛かりつけのお医者さんに相談するようにして下さい。

副作用として、血圧の上昇や浮腫みが現れる場合があります。

〈サプリメントの服用〉

食品でカルシウムやマグネシウムが摂取出来ない場合は、サプリメントで補うことは可能ですが、掛かりつけのお医者さんに相談するようにしましょう。

カルシウムとマグネシウムの比率は、2:1を目安とします。

マグネシウムが不足すると、カルシウムの値も低下してしまうため、上手に摂取していきましょう。

※妊娠時の1日の目安摂取量について

カルシウム 900mg

マグネシウム 320mg

まとめ

妊娠中は、様々なトラブルが発生しがちです。特に足がつる「こむら返り」は、激痛が生じるので大変苦痛なものです。

しかし、足がつるのは、妊娠中の一時的な症状で出産後には落ち着きます。

なるべく足がつらないよう、日頃からできる範囲で予防策を行い、快適なマタニティライフを送って下さいね!