妊娠後期のおりものの変化は出産の前兆?妊娠後期のおりものの特徴や注意点

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妊娠後期に入って、おりものの量や色、においなどに変化を感じる人も多いのではないでしょうか。

おりものは、女性の体の変化を知らせてくれる重要なサインの一つです。

妊娠後期のおりものの変化には、どのような意味があるのでしょうか。

  • 妊娠後期のおりものの特徴
  • 妊娠後期のおりものと出産の前兆との関係
  • 妊娠後期のこんなおりものには注意

今回は妊娠後期のおりものについて、上記の3点を詳しく解説します。

妊娠後期のおりものの変化は、出産が始まる予兆の一つの可能性もあります。

普段からおりものの状態をよく把握しておき、いつもとの違いに気がついた場合は冷静に確認し、出産に向けた準備ができるようにしておきましょう。

妊娠後期はおりもの量が増える?色や匂いの特徴は?

妊娠初期、中期、後期と段階を踏むにあたって、おりものの変化を感じる妊婦さんは多くいます。

その度に、「おりものがこんなに増えたけど大丈夫?」「この色のおりものは問題ないのかな?」と不安に感じてしまう方もいるでしょう。

妊娠後期に入ってからのおりものの変化には、どのような特徴があるのでしょうか。

主な特徴は以下の5つです。

1. おりものの量が増える

妊娠後期に一番よく起こりうるおりものの変化は、量が増えることです。

出産が近づくにつれて、体が出産の準備を始めるにあたり、おりものの量が増える傾向にあります。

特に臨月に入って一気に量が増えた場合は、もうすぐお産が始まる兆候の一つである可能性があります。

2. どろっとしたおりものが増える

妊娠後期に入り、どろっとしたゼリー状の粘度の高いおりものが増える場合があります。

人によってはスライムのようなおりものを感じることも。

これは、おりものが赤ちゃんがお腹から出てくるための潤滑油のような役割も果たすためであり、出産に向けた準備の一つと言えます。

3. 水っぽいおりものが増える

上の2の「どろっとしたおりもの」とは逆に、水っぽいおりものが増えることもあります。

妊娠後期に入りおりものの量が増えるにあたり、水っぽいさらさらしたおりものが出ることもよくあります。

ただし、おりものシートで抑えられないくらいの量が出たり、腹痛を伴ったりする場合は、おりものではなく出産前の破水の可能性もありますので注意が必要です。

関連記事⇒妊娠後期の尿漏れは気づかない?破水との違いと5つの注意点

4. 色が変わる(濃くなる・茶色っぽくなる・ピンク色っぽくなるなど)

おりものの量や形状の変化とともに、色が濃くなったり、茶色あるいはピンク色っぽくなったりするなど、色の変化に気がつく人もいます。

色が濃くなるのは、妊娠中に分泌量が増す女性ホルモンの一つであるエストロゲン(黄体ホルモン)の影響であると考えられますが、人それぞれで、特に色の変化がない人もいます。

茶色やピンクのおりものは、少量の出血があることが多いので、出産直前の兆候という可能性があります。

このような血混じりのおりものが続いているのに、1~2日経っても陣痛が始まらない場合や、出血の量が多い場合は、別の要因での出血も考えられますので、一度病院に相談することをおすすめします。

5. 匂いが強くなったように感じる

妊娠後期になると人によっては、おりものの匂いが強くなった、と気になる方もいるようです。

これも上の4の「色が濃くなる」と同じく、エストロゲン(黄体ホルモン)の増加によるものと考えられますが、全く変化を感じない人もいます。

人にもよりますが、酸っぱい匂いや鼻につく匂いを感じることが多いようです。

生臭い匂いが強い場合や、匂い以外に痛みやかゆみを伴う場合は、感染症などが原因であることも考えられますので、早めに医師に相談すると良いでしょう。

妊娠後期のおりものでわかるお産の前兆(サイン) ~ おしるしや破水もありうる!~

妊娠後期のおりものの変化は、もうすぐ出産が始まる前兆の可能性があります。

また、おりものの量が増えたと思っていたら、実はおりものではなく破水していた!という可能性もあります。

以下に、おりものがこんな状態の場合は、出産の前兆(サイン)であるというポイントを3つ紹介します。

このような症状がある場合は、単なるおりものの変化で済ませずに、出産が始まる前兆の可能性が高いと考え、入院の準備や病院への連絡を進めるようにしましょう。

1. 臨月に入りそれまでより一層、おりものの量が増える

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おりものの量の変化は、妊娠期間を通してありえることですが、出産間近の臨月に入っておりものの量が一層増えたと感じた場合は、お産が始まる兆候の可能性があります。

ただし、おりものの量が増えて1週間程でお産が始まった人もいれば、量の変化に気がつかなかった人もいるますので、必ずしも全員に見られる兆候ではないということです。

2. おりものに少量の出血が混じり、色が茶色やピンク色になる

おりものに少量の出血が混ざると、「おしるし」と言って、もうすぐ出産が近づく兆候と言われています。

おりものが茶色やピンク色になった場合は、出血が混じっているため、おしるしの可能性があります。

出産に向けて子宮口が開いてくると、卵膜という胎児を包んでいる膜が子宮から少しずつはがれ落ちます。

おしるしとは、このときに起こる出血が、おりものと混ざって見られることを言います。

おしるしから、1~2日後に陣痛が始まることが多いと言われていますが、4~5日後になる人もいれば、おしるしの後すぐに陣痛が始まる人もいるなど、個人差があります。

関連記事⇒臨月のおしるしとおりもの3つの見分け方と違いって?

3. 水っぽいおりものがだらだらと長時間も続く

妊娠後期に入ると、おりものが水っぽくなることはよくあります。

しかし、水っぽいおりものがたまに出るのではなく、少しずつだらだらと何時間も続く場合は、おりものではなく、出産前の破水の可能性があります。

破水は、陣痛の後に起こることが多いですが、「前期破水」と言って陣痛よりも先に破水が起こる場合もあります。

また、破水のときの羊水の出方は、一気に大量に出る人もいれば、尿漏れのように少しずつチョロチョロと出る人もいます。

よって、前期破水で、しかも少量ずつ破水している場合は、破水に気がつかない場合もあると言います。

水っぽいおりものが何時間も続いて止まらない場合は、おりものではなく破水の可能性がありますので、早急に病院に診てもらうようにしましょう。

参考

長野県 / 佐久保健福祉事務所 / 妊娠後期(28 週~分娩) の過ごし方

ユニ・チャーム / moony / ママの初めてレッスン:出産編 / Lesson3:初めての破水

妊娠後期のこんなおりものには要注意!感染症や早産の可能性も?!

妊娠後期のおりものの変化は、出産に向けた準備のためによくある症状ではありますが、おりものの様子によっては、病気への感染や出産に悪影響を及ぼす症状をあらわしている可能性があります。

では、どんなおりものが出たときは注意する必要があるのでしょうか。

また、そうしたおりものの変化から考えられる病気や症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

以下にまとめてみましたので、参考にしてくださいね。

注意すべきおりものの状態

以下のようなおりものが出た場合は、病気の可能性がないか医師に相談することをおすすめします。

  • 出血が混じった茶色やピンク色のおりものが続く(しかし陣痛は始まらない)
  • おりものに赤色の大量の出血が混じる
  • チーズのような色のポロポロとしたおりものが出る
  • 細かく泡立ったようなおりものが出る
  • 黄色や緑色のおりものが出る
  • 魚が腐ったようなにおいの強いおりものが出る
  • おりものの変化に加えてデリケートゾーンに痛みやかゆみ、赤みを伴う

おりものの変化で考えられる危険な症状

まず、上で挙げた注意すべきおりものの状態のうち、少量の出血が混じったおりものが続いていたり、鮮血が混ざったおりものが出た場合は、前置胎盤(ぜんちたいばん)や常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)など、妊娠中のトラブルが起きている可能性があります。

前置胎盤とは、胎盤が正常より低い位置に付着している状態のことを言い、出産リスクが高くほぼ100%帝王切開出産となります。

常位胎盤早期剥離とは、何らかの原因で出産前に胎盤が子宮の壁から剥がれ落ちてしまう疾患のことを言います。

いずれも、症状の一つに性器出血がみられることがありますので、異常な出血が起こった場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。

次に、出血以外におりものの形状や色、匂い、デリケートゾーンのトラブルなどに変化がある場合は、何らかの感染症にかかっている可能性が考えられます。

妊娠中にかかりやすい膣の感染症には、カンジタ膣炎やトリコモナス膣炎、細菌性膣炎などがあります。

性行為によって感染するものもありますが、妊娠中は、免疫力の低下や、ストレス、ホルモンバランスの変化などの理由で感染するリスクが高くなっています。

感染症によっては、出産時に胎児に悪影響を及ぼす恐れのあるものもありますので、おりものに異常がみられた場合は、こうした感染症の早期発見のためにも、早めに医師に相談をすると良いでしょう。

参考

公益社団法人 日本産科婦人科学会 / 病気を知ろう:産科の病気「前置胎盤」

日産婦誌59巻12号研修コーナー / D.産科疾患の診断・治療・管理 / 6.異常妊娠

妊娠後期のおりものは、よく観察して体調変化や出産の兆候を見抜こう!

妊娠後期におりものの量が増えたり、形状や色に違いを感じたりすることはよくありますが、その変化の程度は個人差が大きくあります。

おりものの変化によっては、これからお産が始まる前兆であったり、あるいは、危険な感染症や妊娠中のトラブルを現している場合もあります。

おりものは、体の中の変化を現す一つの重要な指標でもありますので、出産の兆候や危険な症状にいち早く気がつくことができるように、普段から注意を払うようにしておくと良いでしょう。