高校生はまだまだ子供。高校3年間にかかる学習費と生活費まとめ

スポンサードリンク

義務教育からは卒業となりますが、高校への進学率は98パーセント。

進学することが当たり前になりつつある現代では、経済的な理由で進学を諦めるようなことが無いよう授業料の無償化などの様々な工夫がなされています。

中学までは敷居の高かった私立の学校も選択肢としてどの家庭にもあり得る状況となり、子どもの能力や特性によって進学先は多様化していきますね。

子供の志望校の学費が高額な可能性もありますし、必ずしも志望校に通えるわけではありません。

どんな進路に進むことになっても、しっかり支えられるよう準備が必要です。

今回はそんな高校生を育てるのにかかる費用について、生活面・学習面すべてを分析していきます。

高校生の生活費


高校生になると、親は子供のすべてを把握することは不可能になります。

どこにいたのか、何にお金を使ったのか…細かいことは子供自身に任せることとなりますが、経済的にはまだまだ親の手を離れることはありません。

学生の本分は勉強とは言いますが、その他の部分ではどのような費用がかかるのでしょうか。

高校生の生活費は大きな項目として4つに分類することができます。

それぞれ説明していきましょう。

食費

男の子も女の子も、高校生になると大人と同じかそれ以上の量を食べるようになります。

また、高校は給食が無いところがほとんどです。

お弁当を作るか、学食やコンビニなどで自分で調達できるように1日500円程度昼食代を持たせる必要があります。

私が高校生の頃はお弁当は午前中にさっさと食べ終えてしまい、お昼はさらに購買でパンを買う生徒がたくさんいました。

単純に平日を20日として、500円×20日=10,000円、昼食費として食費にプラスされることになりますね。

それ以外の食費は中学時代と変わらず一人当たりの平均は3万円ほどですから、あわせて4万円ということになります。

運動部の男の子であれば平均の倍以上かかる場合もありますので覚悟が必要です。

お小遣い

高校生になると電車通学になる子もいますし、活動範囲が広がり子どもの交友関係も変わってきます。

中学生の頃よりお小遣いを増やす家庭が多いようですね。

ある統計によると、高校生のお小遣い平均額は約5,000円でした。

中学生のお小遣い平均額は約2,500円ですから倍になります。

年間にすると6万円です。

なかなかの金額にはなりますが、お小遣いは子どもが自分の世界を持つことに必要ですし、金銭感覚を養うための教育の一環とも考えられます。

親の裁量で増減可能な出費ではありますが、ある程度は確保してあげたいですね。

スマホ代

中学生では50パーセントほどだったスマホの所持率ですが、高校生になると90パーセント以上になります。

ほとんどの子が持っているのですね。

私が学生の頃も、高校生になったら携帯を買ってもらう約束をしていた子がたくさんいました。

高校生のスマホのつかい方は大人とそう変わらないでしょうから、Wi-Fiだけでなくデータ通信できる端末が必要になるでしょう。

キャリア契約であれば5,000円程度、simフリーであれば2,000円程度で契約ができます。

また、高校生は端末をすぐ壊します(私がそうでした)

頻繁に壊していると修理代や端末代がバカにならないですから、サポートに入ることをお勧めします。

雑費(被服費など)

ここにはお小遣いで賄いきれない被服費や美容院代が含まれます。

近年は制服がない高校も増えており、その場合服代がかなり必要ですね。

最近の高校生はおしゃれですから、通学用のカバンや靴もブランドものを持っている子がたくさんいます。

女の子であればお化粧をしている子もいますね。

贅沢させる必要はありませんが、お友達との付き合いもありますからある程度揃えてあげたいのが親心。

こういった雑費は平均して月々1万円ほど、年間にして12万円ほどの出費となるようです。

高校の学習費


高校からは義務教育ではなくなるため、公立高校であっても授業料が必要になります。

しかし、私立と比べるとやはり金額の差は大きいようです。

進学先によってかわる学習費は、これから高校生になるお子さんがいるご家庭にとってはとても重要なことですよね。

どのくらい差が出るのか、何にいくら必要なのか、全日制高校の学習費の詳細を私立と公立それぞれまとめてみました。

学習費とは、その名の通り学習にかかる費用のことで、大きくふたつに分類されます。

①学校教育費…学校での教育にかかる費用です。

②学校外活動費…塾や習い事など教育に繋がる費用のうち、学校外で行われるものが分類されます。

学校教育費

スポンサードリンク


学校教育費は通学先の学校に支払う学費や、通学に付随するすべての出費を指します。

私立と公立で大きく差が出る部分です。

公立 私立
授業料 2万3000円 27万円
修学旅行等 3万5000円 5万4000円
その他学校納入金 5万円 23万円
教科書等教材費 4万円 4万円
通学費 4万7000円 7万円
制服・通学用品 3万円 3万7000円
教科外活動費 4万4000円 4万4000円
学校教育費合計 27万6000円 75万5000円

出典:文部科学省「平成28年度 子供の学習費調査」

私立と公立の学校教育費は50万円もの差があるようです。

大きな差がある部分が黄色になっています。

それぞれ内訳を分析してみましょう。

①授業料

高校の授業料無償化の影響で公立高校の授業料は年間2万3000円と非常に少額です。

無償化には所得制限があるため0円とはなりませんが、非常に助かる制度ですよね。

私立高校も無償とはいきませんが公立高校での免除額と同じ額の補助金が出ています。

12万円弱の補助金が出ていても平均額は27万円。

これはもともと設定されている授業料が高額なだけでなく、補助金の所得制限対象となる高所得世帯が多いことも考えられます。

②修学旅行等

修学旅行・遠足・見学費という項目で2万円ほどの差がありました。

個人的にもっと差があると思っていたので年間2万円に止まっていていたことに少し驚きました。

公立高校の修学旅行はたいていが国内ですが、私立だと海外へ何泊もするケースがあるためです。

ちなみに私は地方の県立高校だったため修学旅行先は沖縄でしたが、近隣の私立高校に通う友人は海外数か国の中から自分の行きたい国に行くというシステムだったのを覚えています。

当時の地方は公立至上主義だったので、公立高校の受験に失敗してやむを得ず私立に進んだ場合はかなり厳しい出費になったことでしょう。

各高校のホームページに行事の様子がかかれていますから、よく確認しておきたいですね。

③その他学校納入金

学校納入金は公立が5万、私立が23万で18万円の差がありました。

公立高校でも5万円かかってしまう理由は、ここには受験料や入学金が含まれているためです。

私立は入学するかどうかにかかわらず受験料だけで1万~3万はかかります。

東京都の私立の入学金平均は約25万円、一か月の生活費ですね…。

④通学費

通学費は公立が4万7000円、私立が7万円でした。

年間7万円ということは一か月あたり5800円ほどになります。

これは通学に公共交通機関を使うための定期代などが当てはまります。

公立が少額なのは自転車や徒歩で通っている生徒が一定数いるからでしょう。

定期券は高校生の通学料金であればかなり割安で購入することができますが、距離によっては大きな出費になります。

朝の電車やバスはとても混み合いますし、いろいろな意味で近さも進学先選びの大切な判断基準になってきますね。

学校外活動費

スポンサードリンク



学校外活動費とは、教育に繋がる費用のうち学校外でかかるものを指します。

総額は私立高校で年間28万円、公立で年間17万円が平均額となっています。

内訳を見てみましょう。

公立・私立ともに学校外活動費の8割以上が補助学習費であることがわかりました。

補助学習費とは主に塾や家庭教師などの学校の授業に加えてかかる費用です。

学校で購入する以外の参考書や過去問なども含まれます。

塾に通っている高校生は全体の3割程度と意外と少ないので、受験サポートのしっかりしている高校に通えば補習なども充実していて塾に通う必要がないかもしれませんね。

私は高校時代は進学校に通っていたため、長期休暇に学校主催の勉強合宿や特別授業がありました。

一部授業料とは別に費用がかかりましたが、県立だったので毎月塾に通うよりはお手頃だったように思います。

大学受験は高校以上にシビアなのでしっかり準備できるようお子さんの希望進路と学力にあわせて計画を立てましょう。

総合シミュレート

高校生の子ども一人にかかる年間子育て費用をシミュレートしていきましょう。

私立と公立それぞれのパターンを見積もっていきます。

※スマホの方は横にスクロールできます。

公立 私立
学習費 学校教育費 27万6000円 75万5000円
学校外活動費 17万4000円 28万5000円
学習費合計 45万円 104万円
生活費 食費 48万円
お小遣い 6万円
スマホ代 5万円
雑費 12万円
生活費合計 71万円
子育て費用 3年間 348万円 525万円
子育て費用 月額 9万6000円 14万6000円

なんと中学時代より費用が減っています!

中学時代の子育て費用はコチラ

生活費は大きく変わっていませんが、学習費に大きな差がありますね。

学校教育費について、義務教育ではなくなることと高校授業料無償化の両方の影響を受けた結果、公立は中学時代より上昇し私立は減少しています。

注目は学校外活動費です。

中学時代は公立私立ともに30万円かかっていたところ、公立高校は17万、私立高校は28万円まで減りました。

詳細を見てみると、塾への費用が約半数まで減るようです。

志望高校に入った後は高校でコツコツ頑張るパターンのご家庭が多いのですね。

また、高校に進んだら部活や習い事はしない子も多いため、スポーツやその他文化活動にかかる費用も減っていきます。

小学校・中学校とさまざまな経験を積んで、高校からは将来を見据えて自分の専門の分野に進んでいくのでしょう。

まとめ

スポンサードリンク



高校生の子育て費用のまとめをご覧になって、どのように感じましたか?

私は正直びっくりしました。

子育て費用は産んでから育て終わるまで、どんどん増えていくものだと思っていたからです。

公立中学から公立高校の場合は少し増額しますが、私立高校に通うハードルは昔と比べてだいぶ低くなったように感じました。

家の経済状況で進学先が左右されてしまうのは、親としては心苦しいものです。

子供が自由に学べるよう、授業料無償化に続いて就学に関する政策が充実していくといいなと思います。

もちろん家計の中で賄えるよう、子どもが小さいうちからコツコツ準備が大切ですね!

楽しく安心した子育てライフが遅れるよう、今記事を皆さんの将来設計にお役立ていただけたら嬉しいです。