赤ちゃんがミルクを吐くのは病気?原因と危険、5つの対処法

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赤ちゃんが飲んだミルクを吐いてしまうと、苦しそうですし病気ではないかと心配になりますよね。

さらには、吐いたミルクで赤ちゃんもママもべちゃべちゃに汚れてしまい、何だか憂鬱な気持ちになってしまうこともあるでしょう。

赤ちゃんがミルクを吐くのはなぜなのでしょうか。

今回は赤ちゃんのミルクの吐き戻しについて、以下の3つのポイントをお伝えします。

  • 赤ちゃんがミルクを吐く原因
  • 赤ちゃんのミルクの吐き戻しの危険な症状
  • 赤ちゃんのミルクの吐き戻し5つの対処法

赤ちゃんはまだ胃の機能も未熟なため、ミルクを吐いてしまうことはよくあります。

ミルクを吐いてもあまり深刻に考えすぎずに、重大な病気ではないかのポイントをしっかりと見極めて対処してあげるようにしましょう。

目次

赤ちゃんがミルクを吐く原因は?胃の形状や飲みすぎ、風邪など疾患の可能性も?

赤ちゃんがミルクを飲むたびに苦しそうに吐いている様子を見ると、何かの病気ではないかと心配になってしまうこともあるでしょう。

赤ちゃんがミルクを吐いてしまうのは、あまり心配のいらない赤ちゃん特有の生理現象が原因であることと、風邪あるいは消化器官に関わる疾患が原因である場合があります。

赤ちゃんがミルクを吐くときに考えられる原因を7つ紹介します。

1. 胃の形が大人と違うので、少しの刺激でミルクを吐いてしまう

赤ちゃんの胃は細長い筒状をしており、曲がった形の大人の胃と比べて吐きやすい形状をしています。

また、胃の入り口付近の噴門というところの筋肉が未熟ですので、胃にちょっとした刺激があることで吐いてしまうことがあります。

よって、授乳後に急に姿勢が変わったり、激しく動いたり、咳込んだりなどのタイミングでミルクを吐いてしまうことがありますが、吐いた量が多くなく機嫌も良ければあまり心配する必要はありません。

2. 授乳後にげっぷと一緒にミルクを吐いてしまう

赤ちゃんはミルクや母乳を飲むときに、空気もたくさん吸い込んでしまいます。

そして、胃の中に入ってしまった空気を出すためにげっぷをするときに、一緒にミルクを吐いたり、口の端からダラダラとミルクを流したり(いつ乳)してしまうことがあります。

これも上の1と同様に、吐く量がさほど多くなく機嫌が良ければ、赤ちゃんにはよく起こることですのであまり心配する必要はないでしょう。

3. ミルクを飲みすぎて満腹で吐いてしまう

赤ちゃんは、胃の許容量を超える量のミルクを飲んでしまうと、胃が容量オーバーになりミルクを吐いてしまいます。

赤ちゃんは自分で「満腹」と認識して飲むのをやめることができません。

よって、ママが授乳の間隔を守らずに頻回に授乳をしたり、1回の授乳時間が長くなりすぎたりすると、いつの間にかミルクを飲みすぎてしまい後で吐いてしまうことがあります。

4. 風邪などウイルス感染による吐き気や胃腸機能の低下が原因でミルクを吐いてしまう

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赤ちゃんが風邪やインフルエンザなどにかかっている場合、原因のウイルスや細菌によっては胃腸の機能を低下させ、嘔吐が症状に出るものもあるため、ミルクを吐いてしまうことがあります。

普段と違う激しい吐き方をしている場合や、ミルクの吐き戻し以外に発熱などの症状がみられる場合は、単なる生理的現象ではなく、風邪などウイルスや細菌感染の可能性があります。

5. 胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)によりミルクを吐いてしまう

胃食道逆流症とは、胃の中のものが頻繁に食道に逆流してしまう症状のことを言います。

通常、胃の中のものが逆流しないように噴門が閉じられていますが、この噴門の筋肉が緩いことで胃の中のものが逆流してしまうことがあります。

赤ちゃんは、噴門の筋肉が未熟なため胃食道逆流が起こることはよくありますが、成長に伴い改善していくことがほとんどです。

しかし、逆流を起こす頻度があまりにも多い場合は、噴門の機能が普通よりも生まれつき弱い胃食道逆流症の可能性があります。

赤ちゃんの場合、成長の過程で改善するかを見極める必要があるので、胃食道逆流症の疑いがあってもすぐに手術などの処置は行いません。

吐きにくい粘度の高いミルクを飲ませたり、胃の内容物を早く腸に流す薬などを使用して様子をみることが多いです。

6. 胃軸捻転症(いじくねんてんしょう)によりミルクを吐いてしまう

胃軸捻転症とは、胃がねじれることで嘔吐や腹痛、満腹感が続く疾患です。

赤ちゃんが胃軸捻転症の場合、ミルクを吐いてしまう以外にも、げっぷがなかなか出ない、おならが多い、1日中不機嫌といった症状がみられます。

胃軸捻転症は新生児や乳児期の赤ちゃんによくみられますが、立って歩くことができる年齢になると自然に治るのが一般的です。

しかし、悪化するとミルクが飲めなくなってしまい赤ちゃんの成長に影響をすることもあるので、注意が必要です。

7. 肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)によりミルクを吐いてしまう

肥厚性幽門狭窄症とは、胃の出口にある幽門筋という部分が肥大することで、胃の出口が狭くなってしまい、飲んだミルクが腸に運ばれずに胃に残ってしまいます。

そして胃がミルクでいっぱいになると、ミルクを噴水状に吐いてしまうという疾患です。

肥厚性幽門狭窄症は、生後2,3週間~3ヶ月頃までの赤ちゃんによくみられる病気です。

ミルクを吐いてしまった後も空腹感を感じてまたミルクを欲しがるため、一見、健康なようですが、その後も繰り返し吐き続けるため、体重増加に影響が生じることがあります。

参考

特定非営利活動法人 日本小児外科学会 / 一般の皆様へ / 小児科で治療する病気 / 食道 / 胃食道逆流省

特定非営利活動法人 日本小児外科学会 / 一般の皆様へ / 小児科で治療する病気 / 消化管 / 胃軸捻転

特定非営利活動法人 日本小児外科学会 / 一般の皆様へ / 小児科で治療する病気 / 消化管 / 肥厚性幽門狭窄症

赤ちゃんのミルクの吐き戻しはこんな症状だと危険!病院を受診したほうが良い場合

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赤ちゃんは、大人と違って胃の中のものを吐きやすいですが、ミルクを吐くことが時には、食道や胃腸に関わる疾患のサインであることもあります。

とは言え、ちょっとした刺激でミルクを吐いてしまう赤ちゃんなので、重大な疾患とそうでない場合を見分けるのは難しいですよね。

ミルクの吐き戻し時に以下にあげるような症状がある場合は、念のため病院を受診して、危険な病気ではないか診てもらったほうが良いでしょう。

ミルクを大量に吐く

 

多少のミルクの吐き戻しはよくありますが、吐く量が多い場合は、風邪や消化器官の疾患の可能性があります。

飲んだ量と同じくらい吐いてしまったのにしばらくしてもミルクを欲しがらないときや、何度飲んでも同じくらい大量に吐いてしまう場合は、しっかりと栄養・水分補給ができていませんので、早めに小児科で相談をすると良いでしょう。

ミルクを何度も吐く

ミルクを何度も吐いて、しっかりと授乳量が満たされていないと感じる場合も、一度小児科に相談することをおすすめします。

もちろん、異常がなくても生理的に毎回の授乳でミルクを少量吐いてしまう赤ちゃんもいます。

その場合でも小児科を受診すれば、ミルクの量が多すぎるのではないかや、げっぷのさせ方に問題があるなど、吐き戻しの原因を知る参考になるでしょう。

中には、今後の発達・体重増加に響くような消化器官の疾患が隠れている場合もあります。

体重増加が成長曲線より遅れている

ミルクを吐き戻す量や頻度だけでは、よくある吐き戻しなのか、深刻な疾患なのかはわかりづらいと思います。

深刻な疾患を見極める方法の一つに、体重増加をチェックすることがあげられます。

消化器官に何らかの病気がありミルクの吐き戻しが多い場合は、十分に栄養補給ができないため、体重の増加が鈍くなる傾向があります。

噴水状に勢いよく吐く

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ミルクを噴水状に勢いよく吐いてしまうのは、肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)の一つの症状です。

授乳後に少量のミルクを吐いたり、口の端からミルクをダラダラと流したりするのは、赤ちゃんによくあることです。

しかし、上でもあげたように大量に吐く場合や、噴水状に勢いよく吐いてしまう場合は、消化器官の疾患が原因の可能性が高いです。

吐いたミルクに血や緑色・黄色のものが混ざっている

赤ちゃんが吐き出したミルクに血や緑色・黄色のものが混ざっている場合は、消化器官の疾患の可能性が高いため早めに小児科を受診するようにしましょう。

血が混ざっている場合は、胃に異常が起こり、胃から出血をしている可能性があります。また、緑色や黄色のものが混ざっている場合、それは胆汁と言う胆のうで作られる液体の可能性が高いです。

胆汁は、胃の内容物が何かしらの疾患が原因で腸を通りづらいときに、嘔吐物と一緒に吐き出されることがあります。

発熱・泣き止まない・ぐったり顔色が悪いなど体の異常がみられる

赤ちゃんがミルクを吐き戻してしまったときに発熱を伴う場合は、胃腸炎の可能性がありますのでますので、小児科やかかりつけ医で診察を受けると良いでしょう。

また、発熱の他にも不機嫌で泣き止まなかったり、ミルクを吐いた後ぐったりとして顔色が悪い場合なども、消化器官の疾患や、その他さまざまな疾患の可能性がありますので、早めに病院を受診することをおすすめします。

参考 兵庫県香美町 「赤ちゃんは少しの刺激で吐くことがよくあります」

赤ちゃんのミルクの吐き戻し5つの対処法 ~ 予防法や吐いてしまったときの対応は?

生理的な現象でもあるとは言え、赤ちゃんがしょっちゅうミルクを吐いてしまうのはママの大きな負担になるので、できれば防ぎたいですよね。

また、ミルクを吐いてしまった後は、どのように対処すれば良いのでしょうか。ミルクの吐き戻しの事前・事後含めて、対処法を5つ紹介します。

1. ミルクを飲ませる量をしっかり測り、飲ませすぎに注意する

赤ちゃんのミルクの吐き戻しの原因の1つに、ミルクを胃の許容量以上に飲んでしまうことがありますので、ミルクの飲ませすぎには気をつける必要があります。

ただし、母乳の場合はどれだけ飲んだかわかりづらいと思います。

母乳育児の方は、毎回の授乳時間をなるべく一定にしたり、体重増加の様子を見ながら最初は少なめからはじめて、徐々に量を増やしていくと良いでしょう。

また、量とあわせてミルクを飲ませる頻度についても、頻回になりすぎないよう気をつけましょう。

赤ちゃんがぐずっているからと言って、原因が必ずしもお腹が空いているとは限りません。

特に吐き戻しの多い赤ちゃんの場合は、別の原因で泣いていることも考えて、すぐに授乳で泣き止ませようとしすぎないようにしましょう。

2. 授乳後にしっかりとげっぷを出させる

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授乳後は、赤ちゃんを縦抱きにして背中を軽くたたき、げっぷを出させるようにしましょう。

赤ちゃんの口元がくるママの肩に、ハンカチやガーゼを置いておくと、ミルクを吐き戻してしまっても安心です。

授乳後にげっぷが出ないと、後々ふとした瞬間にげっぷが出るのと同時にミルクを吐き出してしまうことがあります。

3. 授乳後に寝かせるときは上半身を少し高くして顔を横向きにする

授乳後にすぐに寝かせると、胃の中のミルクが逆流しやすくなってしまうので、できればしばらくは縦抱きでやさしく抱っこをしていると良いです。

しかし、どうしても寝かせなくてはいけないときは、赤ちゃんの上半身の下にタオルやクッションを置いて少し上半身を高くしてあげて、顔は左右どちらかに向けると良いでしょう。

そうすることで、胃の中のミルクが食道に逆流するのを防ぐ効果があります。

4. 吐いてしまったミルクはきれいに拭き取り、着替えをして清潔を保つ

ミルクを吐いてしまったら、必ずしめったタオルなどできれいに拭き取ってあげて、服が汚れている場合は着替えさせてあげるようにしましょう。

一見気がつきづらいですが、首のしわの部分や耳の中、服の中にもミルクがついていることがあります。

汚れたミルクをそのままにしておくと、細菌が繁殖して不衛生ですし、皮膚のかぶれや、耳の中に入った場合は中耳炎の原因になってしまいます。

ママにとっては大変な後片付けだと思いますが、赤ちゃんの健康のためにも清潔を保つようにしましょう。

5. 吐いてしまった後は無理にミルクを飲ませずゆっくり休ませる

ミルクを吐いてしまったら、その分のミルクを飲ませなければいけないと思い、無理に授乳を繰り返していませんか。

吐いた後に赤ちゃんがしきりにミルクを欲しがるようであれば、また飲ませてあげると良いでしょう。

しかし、赤ちゃんがミルクを欲しがる様子がない場合は、一度吐いてしまった後に無理にその分を与えようとする必要はありません。

それよりも、胃を落ち着かせて消化を促すために、やさしく抱っこをしたり、座ってゆっくり遊ぶなど、体を休ませると良いでしょう。

赤ちゃんがミルクを吐く様子をよく見てあげて正しく対処しよう!

赤ちゃんは胃の形状が大人と異なり、またその機能も未熟なため、ちょっとした刺激で飲んだミルクを吐いてしまうことがよくあります。

少量吐いてしまう程度であれば、あまり心配する必要はありませんので、ミルクの飲みすぎやげっぷが出ていないなどの原因を考えて、少しでも吐き戻しを減らせるよう対処してあげましょう。

たくさんの量を頻繁に、勢いよく吐いてしまう場合は、主に消化器官に関わる疾患の可能性があります。

普段からミルクの吐く量や吐き方をよく見ておいて、いつもと違うなと思ったら、早めに小児科で診察を受けるようにしましょう。