妊婦健診についてよくある5つの疑問を解説!検査内容や頻度、費用って?

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妊娠すると、妊婦健康診査いわゆる妊婦健診を定期的に受診することになります。

はじめての妊娠であれば、妊婦健診とは、いつ何回くらい受けるのかや、費用はどのくらいかかるのかなど、わからないことも多いのではないでしょうか。

そんな妊婦健診について今回は、多くの方が疑問に感じるであろう以下5つの内容について詳しく解説します。

  • 妊婦健診の時期や頻度
  • 妊婦健診の検査内容
  • 妊婦健診の費用
  • 妊婦健診の服装
  • 妊婦健診の旦那さんの同行

健康で安全な妊娠・出産にとって、とても大切な妊婦健診。

その疑問点を解消し、妊婦健診を通して安全な出産に向けてしっかりと体調を整えていきましょう。

目次

疑問① 妊婦健診の時期や回数について ~ いつから始まりどのくらいの頻度で通うの?

まずはじめに気になるのが、妊婦健診がいつから始まり、どのくらい通うのかということでしょう。

妊婦健診の頻度や回数は、母子の健康状態を定期的に確認するために、厚生労働省からスケジュールの例が出されています。

妊婦健診の回数と頻度について

厚生労働省では、標準的な妊婦健診の回数を全14回とし、その受診スケジュール例を以下のように示しています。

期間 妊娠初期~23週 妊娠24週~35週 妊娠36週~出産まで
健診回数

(1回目が8週の場合)

1・2・3・4 5・6・7・8・9・10 11・12・13・14
受診間隔 4週間に1回 2週間に1回 1週間に1回

引用元:厚生労働省 / 妊婦健診Q&A

上の例では初診を妊娠8週目としていますが、それよりも早く妊娠の確定診断を受けた場合や、妊娠中のさまざまな体のトラブルにより上の例よりも頻繁に受診した場合は、妊婦健診の回数はここで示された14回よりも多くなります。

妊婦健診はいつから受けると良いのか

妊婦健診はいつから受けなければいけない、という明確な決まりはありません。

一般的に、生理が予定日より1週間程遅れ、妊娠検査薬で反応が出始めるのが妊娠5週目頃になります。

よって、妊娠が発覚して間もなくの妊娠5~6週目に初診を受ける人が多いですが、それよりも早く受診する人もいれば、遅くなる人もいます。

厚生労働省の示す妊婦健診スケジュール例で初診とされている妊娠8週目というのは、ちょうど胎児の心拍が確認でき始める頃です。

それ以前の受診では、まだ胎児の心拍が確認できず正常な妊娠を確定させることが難しいため、初診を妊娠8週目頃まで待つという判断を行う人もいます。

一方で、妊娠が発覚した5~6週目の時点で早めに受診をしておくことで、「子宮外妊娠」と言い、ほうっておくと母体の命の危険にも関わる症状に気がつくことができる可能性もあります。

「子宮外妊娠」の発生率は全妊娠の1~2%と極めて低いですが、母体の安全のためにも、早めに受診したほうが良いという考え方もあります。

参考:ルナルナ 【妊娠5週目】赤ちゃんのエコーの状態を知ろう。子宮外妊娠の症状とは?

疑問② 妊婦健診の検査内容について ~どんな検査があるの?エコーやNSTって何?

妊婦健診では、母体の健康管理から胎児の状態、発育のチェックなど毎回さまざまな検査を行います。

細かな検査項目は各産婦人科の方針によって異なる部分もありますが、よくある妊婦健診の検査内容の例について紹介します。

毎回共通して行う検査

受診する度に母子の健康状態を確認するために毎回共通して行う検査には、以下のような項目があります。

健康状態の把握

医師や看護師による問診や診察で、妊娠週数に応じた健康状態をチェックします。

基本検査計測

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高血圧や妊娠糖尿病、体重の増えすぎなど健康状態の異常がないか確認するために行う検査です。

以下の項目を毎回全て行うわけではなく、検査の回数やタイミングは産婦人科によって異なります。

子宮底長測定(子宮の大きさを測る)/腹囲測定/血圧測定/浮腫チェック/尿検査(糖尿・蛋白尿の有無)/体重測定

保健指導

妊娠期間を健やかに過ごすための食事や生活に関するアドバイスや、妊娠出産育児に関する精神的な不安や悩みの相談にも応じます。

また、妊娠出産に伴う経済的な問題や家庭問題を抱えている方については、市区町村の保健師さんと連携して個別でサポートをします。

必要に応じて行われる医学的検査(厚生労働省の標準的な妊婦健診例に則る)

毎回ではなく、時期ごとに必要に応じて行われるさまざまな医学的検査があります。

厚生労働省の示す標準的な妊婦健診例に掲載されている検査としては、以下の項目があります。

血液検査

血液検査は出産までに計3回行われ、感染症の有無や、貧血の有無などたくさんの項目を調べます。

時期と回数 検査項目
妊娠初期に1回 血液型(ABO血液型・Rh血液型、不規則抗体)、血算、血糖、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、 梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体
妊娠24週~35週に1回 血算、血糖
妊娠36週以降に1回 血算
妊娠30週頃までに1回

※他の回と同時に行われる場合が多い

HTLV-1抗体検査

子宮頸がん検診(細胞診)

妊娠初期に1回検査する。

子宮頸がん検診については、妊婦健診の必須項目になっています。

超音波検査(エコー検査)

子宮内に超音波をあてて胎児の様子を確認するいわゆるエコー検査で、妊娠23週までの間に2回、妊娠24週から35週までの間に1回、妊娠36週以降に1回実施となっています。

毎回の健診で実施する産婦人科も多くあります。

B群溶血性レンサ球菌(GBS)

妊娠24週から35週までの間に1回検査する。

B群レンサ球菌感染症と言い母体が感染していると、分娩時に赤ちゃんに感染する恐れのある危険な感染症の細菌の有無を調べます。

性器クラミジア

妊娠30週頃までに1回検査する。

母体を通して分娩時に赤ちゃんに感染すると、重症化する恐れがある性器クラミジア感染症の有無を調べます。

その他必要に応じて、あるいは希望に応じて行われる医学的検査

厚生労働省の示す標準的な妊婦健診例に掲載されている検査項目以外にも、産婦人科ごとに必要に応じて追加している検査や、希望者のみ行う検査などがあります。

これらの検査項目を追加すると、産婦人科にもよりますが、実費の負担額が増える場合が多いので、検査の内容や目的をしっかりと確認して受診を判断するようにしましょう。

超音波検査による胎児スクリーニング

超音波検査(エコー検査)でわかる範囲内で、胎児の骨や心臓、脊髄などに先天的な異常がないかを確認する検査です。

毎回の妊婦健診の超音波検査のタイミングで同時に行っている産婦人科が多くあります。

羊水検査

羊水の一部を採取して、胎児の染色体異常や遺伝子異常を調べる検査です。

絨毛検査

絨毛細胞を採取し、そこから胎児の染色体異常や先天的異常の有無を調べる検査です。

胎盤ができる前の早期に検査を行うことができます。

母体血清マーカー

母体の血液を少量採取して、胎児の染色体異常調べる検査です。

実施の場合、妊娠15週~18週頃に行われる場合が多いです。

新型出生前診断(NIPT)

母体血清マーカーテストよりもさらに高い精度で、母体の血液から胎児の染色体異常を調べることができる検査です。

受けるには、他の検査で染色体異常のリスクが確認された場合、高齢出産の場合など、いくつかの条件を満たしている必要があります。

胎児心拍数モニタリング(NST)

分娩監視装置を使い、子宮収縮、胎児心拍、胎動を測定する検査です。

胎動が少ないときや、おなかの張りが大きいとき、出産予定日を過ぎたときなどに行い、胎児の状態を確認します。

参考

厚生労働省 / 妊婦健診Q&A

日産婦誌59巻11号 / D.産科疾患の診断・治療・管理 / 5.妊婦健診

日産婦誌62巻3号 / C.産婦人科検査法 / 19.羊水検査・絨毛検査・母体血清 マーカー検査

疑問③ 妊婦健診の費用について ~ どのくらいお金がかかるの?補助券って何?

妊婦健診で頻繁に産婦人科に通うとなると、健診費用も相当かかるのではないかと不安を感じている人もいるでしょう。

妊婦健診の気になる費用について紹介します。

妊婦健診費用が一部補助される「補助券」について

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妊婦健診の費用は健康保険の対象外です。

その代わりに、国は各市町村に公費で妊婦健診費用の一部を助成するよう通知を出しています。

母子手帳の交付と同時にもらえる「補助券」がそれにあたります。

公費で負担される金額は市町村によって異なりますが、一般的に、厚生労働省が例示する全14回の妊婦健診分の補助券が発行されており、公費負担額の全国平均は98,834円となっています。(平成26年4月時点)

参考:厚生労働省 / 妊婦健康診査の公費負担の状況にかかる調査結果について

「補助券」を使っても自己負担額は発生する

妊婦健診費用の一部は「補助券」で補助されますが、各産婦人科で毎回行う検査費用のすべてを「補助券」の補助金額でまかないきれるわけではありません。

安全な出産のために必要と判断された検査を行うと、一般的には毎回の妊婦健診で一部は自己負担額が発生してしまう場合が多いです。

また、「補助券」が交付されるのは全14回分の妊婦健診費用ですが、それ以外に妊娠中のトラブル等により追加で健診に通うことで自己負担額が増える場合も多々あります。

たまひよnetの先輩ママデータによると、妊婦健診の自己負担額は、トータルで平均約58,000円ということです。

参考:たまひよnet / 妊娠初期 / 妊娠・出産 お金の話

自己負担額が多くなった場合、妊婦健診費用は「医療費控除」の対象になる

妊婦健診の費用は、医療費控除の対象になります。

医療費控除とは、1月1日~12月31日までの1年間で、家族の医療費の合計が10万円を超えた場合、超えた金額が医療費控除額となり確定申告をすれば、還付金を得ることができる制度です。

妊婦健診費用の自己負担額以外にも、出産費用のうち出産育児一時金など補助を抜いた実費分も対象になりますので、特に妊娠中は自分や家族にかかった1年間の医療費をしっかりと控えておくようにしましょう。

疑問④ 妊婦健診の服装について ~ どんな服装で行くと良いの?

妊婦健診にいざ行くとなると、どんな服装で行くべきか迷う方もいるのではないでしょうか。

あるいは、何も考えずに普段着で行ったら、健診で服を脱ぐときに手間取って大変だった…

なんていうこともあるかもしれません。

妊婦健診に行くのにおすすめの服装についてお伝えします。

<妊婦健診でおすすめの服装>

  • ゆったりとしたスカート
  • ゆったりとしたトップス
  • 脱ぎやすい靴
  • なるべく軽めの生地の服

まず、スカートが適している理由については、妊婦健診では膣内に器具を入れて超音波検査を行う「経腟超音波検査(経腟エコー)」や、子宮の状態を医師が確かめる内診があります。

こうした検査を行うときは、ショーツを脱いで内診台に座る必要があります。

ズボンだと下半身全体が露出してしまいますが、スカートの場合はショーツを脱いでスカートをめくるだけで良いので、着脱が簡単ですし、恥ずかしさも軽減されるでしょう。

次に、スカートやトップスが「ゆったりと」したものであるほうが良い理由としては、妊娠中期頃に入ると、超音波検査が、お腹に器具をあてる「経腹超音波検査(経腹エコー)」に切り替わります。

ベッドに横たわりお腹全体を出す必要があるので、めくりやすいトップスや、おろしやすいゆったりとしたスカートが適しているでしょう。

経腹エコーを行うだけであれば、スカートではなく、ゆったりとしたボトムスでも可です。

ただし、診察状況により急遽、内診を行うことになるという場合などもありますので、スカートのほうがどんな検査にも対応しやすいでしょう。

お腹を出す必要があるので、ワンピースは不向きです。

脱ぎやすい靴が良い理由は、ベッドや内診台に乗る際にスムーズに靴を脱ぎ履きするためです。

脱ぎづらいロングブーツなどは避けましょう。

最後に、軽めの生地の服をおすすめするのは、妊婦健診では毎回、体重測定があるためです。

重い生地や金具のついた服を着ていると、正確な体重の変化を知ることができませんので、注意しましょう。

疑問⑤ 妊婦健診の旦那さんの同行について ~ 夫も一緒に行って良いの?

妊娠の喜びを夫婦で実感するために、夫と一緒に妊婦健診に行きたいと思う女性も多いでしょう。

産婦人科のルールにもよりますが、ほとんどの産婦人科は旦那さんの同行を可としています。

特に近年、夫婦で妊婦健診を受ける方は増えているように感じます。

夫婦で妊婦健診に行くことで、旦那さんの親になる自覚も増しますし、医師のアドバイスを一緒に聞くことができると女性にとっても安心でしょう。

ただし、お腹の大きな妊婦さんや体調のすぐれない妊婦さんも多く通う産婦人科です。

待合室の椅子がいっぱいのときに、そうした妊婦さんを差し置いて旦那さんが座ってしまうなど、周囲への配慮が欠けることがないよう、夫婦ともに気をつけるようにしましょう。

妊婦健診をしっかりと受け、出産に向けて心身ともに健康を維持しよう

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妊娠すると始まる妊婦健診は、約14回あるいはそれ以上の回数通う必要があり、さまざまな検査を行います。

検査内容や費用など不安なことも多いかもしれませんが、妊婦健診は安全な出産を行うためにとても重要なものです。

決められた時期にしっかりと受診することで、お腹の赤ちゃん、そしてママ自身の体の状態を把握し、母子ともに健康を維持できるようにしましょう。