乳児湿疹の原因はミルクやおっぱい?本当の原因と4つの部位別正しいケア方法

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赤ちゃんが生まれてしばらくすると、おでこや頬にブツブツができることがあります。

これは『乳児湿疹』と呼ばれ、生後間もなくから1歳ごろまでの赤ちゃんにできる特有の湿疹です。

突然乳児湿疹が出ることも多く、びっくりするお母さんも多いのではないでしょうか。

私の娘も生後3か月頃に乳児湿疹が出て、あまりにも広範囲でびっくりしたことを覚えています。

「なんで乳児湿疹になってしまったの?」

「私の食べたものが原因?」

「ミルクが合わなかったのかな?」

「妊娠中の過ごし方に問題があった?」

など、赤ちゃんにトラブルがあらわれると、自分を責めてしまうお母さんも少なくありません。

しかし乳児湿疹の原因は、おっぱいやミルクではありません。

主な原因は次の2つです。

  1. 皮脂の分泌量が多い
  2. 乾燥

乳児湿疹はお母さんが原因ではないので安心してくださいね!

より詳しく乳児湿疹のことを知り、正しいケアをすることで完治までの時間を短くすることもできますよ。

湿疹の原因と正しいケアの方法について紹介します。

これって本当?乳児湿疹の原因

冒頭でも触れたように、赤ちゃんに乳児湿疹が出てしまうとおっぱいやミルクが原因と考えるお母さんが多いようです。

私もその当時は乳児湿疹についての知識が少なかったので、前の日に食べたものが原因なのかと落ち込んでしまいました。

乳児湿疹の原因について詳しく見ていきましょう。

お母さんの食事が原因?

母乳を飲ませているお母さんは、

「昨日食べたケーキが悪かった?」

など食べ物が母乳に影響し、乳児湿疹になってしまったのかもと思う人も多いです。

しかしこれは全くの誤解!お母さんが食べたものが影響して湿疹が出る場合は、『食物アレルギー』の可能性があります。

「甘いものを控えたら乳児湿疹が良くなった」

という経験がある人も少なくありませんが、食事と乳児湿疹の関係は医学的に実証されてはいないそう。

乳児湿疹ではお母さんの食事は全く関係ありませんので、安心してくださいね。

ミルクが原因?

ではミルクはどうなのでしょう。

乳児湿疹は、母乳だろうがミルクだろうが、出てしまうときは出てしまうのです。

ミルクを飲んで湿疹が出る場合は、母乳同様『食物アレルギー』の可能性があります。

ミルクのメーカーを変えたり、アレルギー対応のミルクにしたりするといいでしょう。

金属が原因?

乳児湿疹の原因として、『金属』というワードが出ることもあります。

これも乳児湿疹とは別の『金属アレルギー』として扱われることになります。

金属アレルギーがない赤ちゃんは、金属に触れても乳児湿疹を起こすことはありませんから、直接の原因とは言えないでしょう。

妊娠中の過ごし方が原因?

「乳児湿疹がひどいのは妊娠中の過ごし方に問題があるからだ!」

なんていわれのないことを突き付けられ、落ち込んでいる人もいるかもしれません。自分でそう思い込んでいる人もいるかもしれませんね。

私の友人に双子を出産した人がいます。

同じように妊娠期を過ごし、同じように授乳をしている双子ちゃん。

ひとりは乳児湿疹とは無縁のツルツルお肌ですが、もうひとりは乳児湿疹が出てつらそうな時期がありました。

双子ちゃんを見ていたら、妊娠中の過ごし方も乳児湿疹には関係なさそうです。

ストレスが原因?

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大人が肌トラブルを抱えるときはストレスもひとつの原因となりますよね。

そんなことから

「乳児湿疹も赤ちゃんのストレスが原因なのでは?」

と思ってしまう人もいるでしょう。

しかしストレスも乳児湿疹とは関係ありません。

本当の原因は皮脂の量と乾燥

乳児湿疹が出てしまう本当の原因は、

  1. 皮脂の量が多い
  2. 肌の乾燥

この2つです。

生後3か月頃までは皮脂の分泌が多い

生まれたばかりの赤ちゃんはお腹の中のホルモンの影響で、皮脂の分泌量が多いです。

新生児ってサラッとしたイメージでしたが、意外と脂っぽい肌でびっくりしたことを覚えています。

生後3か月頃までは皮脂の分泌量が多く、肌はべたつきがち。

皮脂の量が多いと毛穴をふさぎ、脂が溜まって湿疹ができやすくなってしまいます。

3か月以降は肌が乾燥しやすい

赤ちゃんが生後3ヶ月を過ぎると、この皮脂の分泌量はグッと減ります。

皮脂は肌を外部の刺激から守る役割もあるのですが、皮脂の分泌量が減るとバリア機能も低下します。

赤ちゃんの肌は大人よりも薄く、外部の刺激に弱いのです。

その上皮脂量が減り乾燥してしまうと、外部の刺激により乳児湿疹を引き起こしてしまうのです。

乳児湿疹には3つのタイプがある!

乳児湿疹といっても症状は様々です。

先に紹介した原因によっても症状が異なり、3つのタイプに分けられます。

  1. 脂漏性湿疹
  2. 乾燥性湿疹
  3. 新生児ニキビ

ここではこの3つの乳児湿疹について詳しく見ていきましょう。

脂漏性湿疹

『脂漏性湿疹』は、生後3か月頃までによく見られる乳児湿疹です。

脂漏性湿疹の原因は、名前のとおり皮脂の分泌量が多いことが原因。

・顔
・頭

この2つの部位にできることが多く、黄色っぽいかさぶたのような湿疹で肌が覆われます。

かゆみは少なく、かきむしってひどくなることはほとんどありません。

治りが悪いと肌が炎症を起こし、ジュクジュクしたり赤く腫れたりすることもあります。

乾燥性湿疹

『乾燥性湿疹』は、生後3か月以降によく見られる乳児湿疹です。

肌の乾燥が原因で起こる乳児湿疹で、かゆみやピリピリするような感覚があることも。

・頬
・おでこ
・耳周辺

など、部分的に起こることが多く、肌表面はカサカサ・ゴワゴワしていることが特徴です。

新生児ニキビ

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『新生児ニキビ』は、大人のニキビと同様毛穴が詰まり炎症を起こすことでできる乳児湿疹です。

赤くプツプツした湿疹が特徴。

・おでこ
・頬

この2つの部位を中心にあらわれます。

赤ちゃんが肌をひっかいてしまうことで、症状が悪化することもあります。

あせもとの違い

赤ちゃんは汗を多くかきますよね。

冬でもちょっと厚着をさせると汗だくなんていうことも。

赤ちゃんはあせもができやすく、乳児湿疹との見分け方がわからないという人もいるでしょう。

あせもは

・首や脇、背中など汗をたくさんかくところにできやすい
・かゆみがある
・比較的早く治る

などの特徴があります。

肌が重なっている部分にできたらあせも、顔や頭などにゴワゴワした湿疹ができたら乳児湿疹、というのがひとつの目安になります。

乳児湿疹はいつ・どこにできる?

乳児湿疹は多くの赤ちゃんが経験する肌トラブルです。

いつ・どこにできるかは赤ちゃんによって異なります。

生まれてすぐ乳児湿疹が出る赤ちゃんも

冒頭でも触れたように、乳児湿疹は生後すぐから1歳頃までにみられることが多い肌トラブル。

生まれてからわりとすぐに乳児湿疹の症状が出る赤ちゃんもいれば、1歳目前になって乳児湿疹が出たという赤ちゃんまで様々です。

季節の変わり目にできやすいとい赤ちゃんも少なくありません。

乳児湿疹は1回済ませれば次はならない、というわけではないので注意が必要。

体質によっては繰り返し乳児湿疹ができる赤ちゃんもいます。

おでこや頬を中心に全身にできる

乳児湿疹は、おでこや頬など顔を中心にできることが多いです。

脂漏性湿疹は頭皮にもできることが多く、フケだと思ってしまう人も少なくありません。

顔や頭だけでなく、背中やお尻など蒸れやすい部分にもできやすい傾向にあります。

私の娘は顔以外では耳の後ろから首の後ろにかけて乳児湿疹ができました。

寝ていることが多い月齢でもあったので、首の後ろは治りにくくケアも大変でした。

あとの項目では部位別のケア方法を紹介するので、参考にしてみてくださいね。

乳児湿疹3つの予防法

乳児湿疹は肌がごわごわしていて、赤ちゃんがかわいそうと思ってしまいますよね。

「できれば乳児湿疹なんて起こしたくない!」

という人がほとんどだと思います。

乳児湿疹を予防するには、

  1. 肌を清潔に保つ
  2. 保湿をする
  3. 赤ちゃんの爪を短くカット

この3つが大きなポイントとなります。

予防法を普段から心がけておくことで、乳児湿疹をできにくくするだけでなく、できてしまっても治りやすい環境にすることができますよ。

ほどよく洗って肌を清潔にする!

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乳児湿疹の原因のひとつに、皮脂の分泌量が多いことがありましたよね。

皮脂の分泌量が多い時は、皮脂で毛穴をふさいでしまわないようにほどよく洗ってあげることが大切です。

肌の表面を清潔に保つことで、乳児湿疹をできにくくします。

ただし洗いすぎはNG。

皮脂の取りすぎでバリア機能が低下し、乳児湿疹の原因となってしまうことも。

ゴシゴシ来ずらずやさしく拭き取るようなイメージで、ガーゼを使って洗ってあげましょう。

赤ちゃんを洗うときのポイントは、

・低刺激の石けんを使う!
・すすぎは念入りに!
・お湯は38度程度のぬるめが基本!
・柔らかいタオルで優しく水気を取る!

この4つ。

桃やイチゴなど、柔らかい果物を洗うようなイメージで優しく洗ってくださいね。

肌を保湿する!

乳児湿疹のもうひとつの原因は、乾燥です。

乾燥しがちな赤ちゃんの肌を外部の刺激から守るためには、徹底した保湿も大きなポイントになります。

保湿に使うのは、赤ちゃん用の低刺激のものを使います。

私が使っていたのは、ビーンスタークの『薬用ローション』。

さっぱりとした使い心地なのにしっとりと潤うので、生後すぐから使っていました。

保湿は顔を中心に、全身にしっかり塗ってくださいね。

保湿をするタイミングは、

・お風呂のあと
・おっぱいや離乳食のあと
・お昼寝のあと
・お出かけのあと

など、肌が乾燥しやすいタイミングで行うのがおすすめですよ。

赤ちゃんの爪を短くカットしてかきむしりを予防!

脂漏性湿疹のときはかゆみはほとんどありませんが、乾燥性湿疹の場合はかゆみがあります。

赤ちゃんの爪は小さく、大人よりも爪が伸びるペースが速く感じます。

爪が伸びたままになっていると、顔をひっかいてしまいそれが刺激となり、乳児湿疹のきっかけとなってしまうことも。

こまめに爪をチェックして、短くしておくことが大切です。

乳児湿疹ができたらどうやってケアする?

もし乳児湿疹ができてしまっても、あわてることはありません。

きちんとケアをすることで、乳児湿疹を悪化させずに治すことも可能。

ここでは、

・頭
・顔
・首
・体

の4つの部位に分けて、それぞれに合ったケア方法を紹介します。

頭にできた乳児湿疹はかさぶたケアが必須!

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頭に乳児湿疹ができるのは、多くは皮脂が原因の脂漏性湿疹です。

この場合、頭皮に黄色っぽいかさぶたができることがあります。

頭皮は髪の毛が生えていることもあり、なかなか治りにくいことも。

<頭皮のかさぶたケア>

  1. 入浴前にオリーブオイルでふやかす
  2. 頭を洗いながら自然とふやけたかさぶたが取れればOK

まだ取れないかさぶたはそのままで大丈夫です。無理やり剥がすのはやめましょう。

毎日少しずつケアしてあげましょう。

かさぶたを取った後はしっかり保湿をすることも忘れずに!

顔にできた乳児湿疹は汚れをふき取って保湿!

乳児湿疹が一番できやすいのは顔です。

口の周りやおでこ、頬などにできやすいです。

授乳や離乳食で汚れやすい口やあごは、こまめに汚れをふき取りましょう。

おでこや頬はしっかり保湿をすることで、治りやすくなりますよ。

乳児湿疹が顔にできると、石鹸を使うのをためらう人もいます。

余計な皮脂を取り除いたり刺激のもとを取り除いたりするためには必要なことです。

低刺激の石けんで優しく洗ってあげてくださいね。

首にできた乳児湿疹は清潔&保湿でケア!

首はシワが多く、汚れが溜まりやすい部位です。

よく洗っているつもりでも、そのもっと奥に見落としがちな汚れが溜まっているかも。

首の後ろも汗が溜まりやすく、乳児湿疹になりやすいです。首の乳児湿疹は、

・念入りに洗う
・保湿してあげる

この2つが大きなポイントです。

体にできた乳児湿疹は服の繊維もチェック!

体もほかの部位と同様、清潔に保ちつつ保湿を徹底するのは一番のケア方法。

それに加えてチェックしてもらいたいのが、肌着などの素材やタグなどが刺激になっていないか。

ということです。乳児湿疹になりかけている肌は、ちょっとした刺激でも悪化してしまいます。

化学繊維の肌着は、肌が弱い赤ちゃんには刺激になることも。

コットン100%のものは、肌にやさしくあせもしっかり吸い取ってくれるのでおすすめです。

汗をかいたらこまめに取り換えることもポイントです。

乳児湿疹はどのくらいで治る?

乳児湿疹ができると、

「早く治ってほしい」

「どのくらいで治るんだろう」

と不安が大きくなってしまいますよね。

ここでは乳児湿疹ができてから治るまでどのくらいかかるのか、詳しく紹介します。

1週間から10日ほど様子を見よう

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乳児湿疹が治るまでの期間は個人差が大きいです。

・赤ちゃんの体質
・季節

などが治るまでの期間に影響を与えます。

私の娘は乳児湿疹ができてから肌がすっきりきれいになるまでは1週間ほどかかりました。

乳児湿疹ができている場所や範囲にもよりますが、1週間から10日ほどは様子を見るようにしましょう。

受診の目安は?

赤ちゃんの肌に原因不明のブツブツができると、あわてて受診をしたくなりますよね。

私もびっくりしてあわてて受診したひとりです。かかりつけの小児科の先生に言われたのが、

「熱がなければしばらく様子見てもいいよ。1週間たっても治らなかったらまた来てね。」

ということでした。

発熱もなく元気な様子なら様子を見ていてOKなんですね。

特に薬も出ず、清潔を保つように指導されただけでした。

次のような場合は、受診をするようにしましょう。

・発疹とともに発熱がある
・1週間たっても治らない
・ジュクジュクして炎症がひどい

治らない場合はほかの病気のことも

乳児湿疹が10日以上経ってもまったくよくならないという場合は、別の病気が隠れていることもあります。

・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー

アトピー性皮膚炎は関節の内側など柔らかい部位にできやすく、悪くなったりよくなったりを繰りかえす特徴があります。

強いかゆみがあったり、膨れ上がるような湿疹が出たりすることもあります。

ミルクやおっぱいを飲んだ後や離乳食のあとに症状がひどくなる場合は、食物アレルギーの可能性も。

このような症状や気がかりなことがある場合は、かかりつけの小児科や皮膚科の医師に相談することをおすすめします。

まとめ

乳児湿疹は、

・皮脂の分泌量が多い
・肌の乾燥

この2つが大きな原因といわれています。

お母さんの食事や妊娠中の過ごし方が原因ではありませんから、自分を責めないでくださいね。

乳児湿疹は多くの赤ちゃんが経験するもの。

普段から保湿を行うことで乳児湿疹ができにくい肌作りをすることもできます。

乳児湿疹ができてしまっても焦らずに、

・肌をよく洗う
・しっかり保湿をする
・清潔を心がける

この3点に気を付けて、正しいケアをしてあげましょう。