妊娠初期は流産が起こりやすい?流産や死産、8つのポイントから学ぶ予防策

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妊娠初期に流産をしたことがある人は、実は少なくありません。

一定の確率で起こることだからです。

でも、流産はや死産は他人に言いたくない経験なので、体験談を聞くこともできません。

『妊娠初期は流産が起こりやすいの?』

『流産は、年齢で確率が変わるの?』

など、これから出産を控えている人もそうでない人も、女性なら誰もが気になることです。

こちらでは、

  • 流産とその原因
  • 妊娠初期の流産
  • 流産率と年齢
  • 死産や早産の基礎知識
  • 流産防止策

など、流産や死産について8つのポイントで解説します。

妊娠初期の流産とは?

流産という言葉は聞いたことがあるものの、自分が経験していないのに詳しく知っている人は多くありません。

悲しいことですから、「自分には起こらないこと」と思いたいです。

でも、万が一の場合、事前に少しでも「流産」について知っていたら、自分を責めずに済むでしょう。

なぜなら、お母さんのせいではないからです。

まず、流産について説明すると…

  • 妊娠22週未満で胎児が外に出てしまうこと。
  • 妊娠22週未満では、生き延びることができない。
  • 「流れてしまった」という表現をすることもある。
  • 流産のほとんどは、胎児の問題である。
  • 12週以降は死産届が必要。

昔は、子供が流れてしまうと、母体に原因があるのではないか、何かをしたからではないかと言われることも多かったようです。

しかし、それは迷信です。

わたしは、不妊治療を経験し、高度生殖補助医療を受けました。

その過程で、妊娠には科学的な確率が大切であることを学びました。

着床をしないと…。流産をすると…。自分の行動を責めたくなりますが、医学的に突き詰めていけば、そこには原因があるのです。

妊娠初期の流産は、母体のせい?

突然、『流産』と聞かされたら、驚いてしまいますよね。

中には妊娠判定の前に、気づかずに流産をしている人もいます。その人は、

「今月は、生理が遅れたな。」

「生理の前に不正出血があったな。」

と思う程度でしょう。

または妊娠判定の後、心拍確認ができなかったという人もいます。

初期の流産の原因を

  • 着床時期にたくさん動いたから。
  • 着床後、胎児によくないものを食べたから。

などと考える人もいますが、実は違います。

着床前の行動と流産の関係は低いと考えられます。

着床と妊娠、流産の関係

着床とは、受精卵が子宮の壁にくっつくことです。

足が生えたように根付くそうなので、ちょっとやそっとのことではポロッと落ちることはないそうです。

着床は、性交後7~10日前後で起こると言われています。

体の変化はほとんど感じませんが、中には以下の症状があったという人もいます。

  • 着床痛があった。
  • 下腹部に違和感を覚えた。
  • 不正出血があった。

ほとんどの人は生理前の不快感ととらえます。

妊娠していた場合、生理予定日になっても生理が来ることはなく、その後、産婦人科で妊娠判定を行い、心拍確認をするという流れになります。

つまり、妊娠判定前は、妊娠と気づかずに通常通り生活する人がほとんどです。

普段の生活では、いつも通り運動をしたり、働いたり、食事をしたり、お酒を飲んだりしています。

それが原因で流産をしてしまうなら、もっと多くの人が流産を経験しているでしょう。

わたしも、今考えると、着床時期にヨガもしましたし、お酒も飲みました。

勿論、「妊娠しているかもしれない。」となってからはやめましたが。

妊娠初期の流産の原因は?

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では、どうして妊娠全体の15%も多くが、流産をしてしまうのでしょうか。

その原因は、「染色体異常」によるものです。

難しく聞こえますが、簡単に言うと赤ちゃんの元がもっている情報のこと。

ポイントは3つです。

  1. 精子と卵子が出会って、受精卵ができる。
  2. 受精卵は、精子と卵子からの染色体でできている。
  3. 通常、それぞれ2本ずつ、計46本となる。

この組み合わせがうまくいっていない、本数が合わない、ある部分が欠失しているとなると、受精卵は赤ちゃんまで育つ力がないことになります。

まれに、染色体の本数が多い(トリソミー)、少ない(モノソミー)場合、障害をもったお子さんとして生まれてくることもあります。

多く知られているのはダウン症ですが、正式には21番目の染色体が1本多い、21番トリソミーと言われます。

このように、染色体の組み合わさり方で、すでに受精卵はその命の行き先が決められています。

それは、いくらお母さんでも、お医者さんでも防ぎようがありません。

わたしも、不妊治療を行ったので、受精卵の成長をデータという形で確認することができました。

現代の医学では、受精卵を胚盤胞という着床手前の状態まで培養できるからです。

その過程で、多くの受精卵が成長をストップさせるのを目の当たりにしました。

それは、防ぎようのないことです。

関連記事:パトー症候群ってどんな病気?特徴・症状・予後と両親の心構え

流産率は年齢によって変わるの?

さきほど、妊娠全体の15%が初期流産をするとお話しました。

でも、それは「全体の」ですから、20代も40代の人も含めたお話です。

妊娠率が年齢に左右されるように、流産も年齢によって確率が変わります。

一般的には、下記の確率で妊娠が流産に終わってしまいます。

  • 20~30代前半では15%
  • 35歳では20%
  • 40歳では35%
  • 45歳では60%

(『お医者さんがつくった妊娠・出産の本』日本産科婦人科学会監修)

年齢に応じて人間のからだの働きが変化するのに応じて、精子、卵子、それによってできる受精卵の力も変わるのは当然のことです。

赤ちゃんのできやすい時期、できにくい原因、流産の仕組みなど、大切なことですが、わたしも大人になって初めて知りました。

もっと早くに知りたかったという情報ばかりです。

流産と死産の違い

同じようで、少し違います。

日本では12週以降の流産の場合、死産届を出します。

その時にはすでに産婦人科にかかっている時期ですので、万が一の場合は医師から指示があります。

それ以前は届け出をする必要はありません。

死産は12週以降。ここまでくると、母体による原因も考えられます。

  • 高血圧症
  • 糖尿病
  • 感染症
  • 喫煙
  • 肥満
  • 子宮形態異常
  • 子宮内感染

などが挙げられます。

胎児側の原因としては、

  • 多胎妊娠
  • 発育不全
  • 染色体異常

などが挙げられます。

しかし、原因がはっきりしない場合もあります。

中には、前日までモニターで元気に動いていたのに、次の日心拍が停止してしまうこともあります。

関連記事:死産の原因と8つの予防策~初期・後期時期別原因と対策

流産を防ぐにはどうすればいいの?

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できることは、母体がリスクを回避し、しっかりと検診を受けることです。

  1. 胎動減少を感じたら医師に相談する
  2. 禁煙
  3. 禁酒
  4. 体重コントロール

どんなに気を付けても、胎動を感じてからも1000人に2くらいの確率で死産は起こっています。

自身で努力できること、特に禁煙と禁酒は絶対にしましょう。

早産って何?

早産とは、

  • 妊娠22週以降37週未満で生まれること。
  • 機能が未熟なのでNICU(新生児集中治療室)で育てられる。
  • 妊娠高血圧症や多胎、子宮内感染などが原因で起こる。
  • 5%が早産になる。

原因が分からないことも多いです。

早い段階で早産の可能性が疑われる場合は、生まれてから赤ちゃんを運ぶより、NICUのある病院を選びましょう。

また、早産をすると、次の妊娠も早産率が高くなるというデータがあります。

その確率を下げる治療もあるので、一度お医者さんに相談してみましょう。

まとめ

今回は、流産の原因やその確率について解説してきました。

伝えたかったのは、次の4つです。

・妊娠初期の流産は、母体のせいではないこと。

・流産には原因があること。

・年齢によって、流産の確率が変わること。

・流産と死産や早産の基礎知識を知っておくとよいこと。

「妊娠」=「健康な赤ちゃんをだっこできる」と考える人は多いですが、そうでないこともあります。

わたしも、妊娠に至るまで、またそれ以降も、経験するまでは知り得なかった悲しいことが起こるということが分かりました。

この記事が、流産について知りたい、また悩んでいるという妊婦さんのお役に少しでも立てたならありがたいです。

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