里帰り出産4つのメリットと3つのデメリット&準備や手続きまとめ

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様変わりする里帰り出産事情

里帰り出産が当たり前のように行われてきた日本ですが、最近になって大きく里帰り出産事情が様変わりしています。地方の産婦人科で出産を受け入れない病院が増えていること、働いている祖父母が増えたこと、そして最近の子育ては夫婦でするもの、という“育メンブーム”も「里帰りをしない」派カップルの追い風となっています。

里帰りしなくても大丈夫なの? そもそも里帰りのメリットは? 初めての出産で分からないことばかりなのに、周りのことを考えるなんて大変! そんな疑問、不安を一緒に解消していきましょう。

 

里帰り出産、いつからいつまで?

 

里帰り出産は、出産の時期に合わせて実家に戻り、地元の病産院で出産することを言います。里帰りをするタイミングは、出産の1カ月前~出産後の1カ月検診が終わるまでが一般的なようです。

ただ、これは妊産婦さんの健康状態や出産後の移動方法などに大きく左右されます。妊娠高血圧症候群、切迫早産、胎盤や赤ちゃんの姿勢の異常など、なんらかの問題があるときなどは、出産する病院が健康状態を管理していく必要がありますから、早めの帰省が必要です。

また、出産後に飛行機で海外や遠方に帰る必要がある人は、赤ちゃんがしっかりするまで実家にいた方が安心ですから、長い場合では半年間、里帰りするという人もいます。

いずれにしても病院の先生などと相談しながら、遅くても34週までには帰れるようにしましょう。健康に問題がない人でも予定日近くになると、長時間の移動や乗り物の振動などで陣痛が始まったり、破水するなどのトラブルも考えられます。

 

そもそも里帰りは必要なの?

出産後の身体を休め、赤ちゃんとの新しい生活に慣れるために実家に里帰りをし、慣れた頃に夫婦の生活拠点へと戻ってくるというのが「里帰り」の習慣。多くの場合は、自分の生まれ育った家に戻り、くつろいで赤ちゃんのお世話をすることができるので心身ともに安らげます。遠方でなくても近くに祖父母が住んでいる場合でも里帰りをするママたちが多いです。

ただ最近では、生後すぐからパパに育児参加してほしい、出産スタイルにこだわりたいから里帰りしないでお世話になった産院で産みたい、実母は働いているので夫同様に世話などできない、などさまざまな理由で里帰りをしないで出産する人も増えています。

里帰りは、いいことばかりではないのも事実。する、しない両方のメリット、デメリットをしっかりと考えて、悔いの残らないように出産の時期を迎えたいですね。

 

里帰りするメリット

 

・出産経験者がいて安心

出産を経験者がそばにいるわけですから、陣痛が来ても安心です。入院するタイミングもある程度分かっていますし、入院して陣痛が長引いたりしても、実母であれば気兼ねがいりません。痛いところをさすってもらえたり、夫であればわからないような細かい気遣いをしてもらえます。

・家事をしなくてもいい!

普通に家に戻ったら、しなきゃいけない洗濯、炊事、掃除。夫だったら気兼ねするかもしれませんが、同性の母だったら甘えられますよね。出産後は広がった骨盤や子宮を元に戻し、身体を休める大事な時期。夜中も授乳などで起きなければいけませんから、ゆっくり休める貴重な機会です。

・育児のアドバイスを聞ける

実母の場合は自分を育ててくれた人、姑であっても夫を育ててくれた人ですから、子育てに関する豊富なアドバイスを聞くことができます。

初めての育児であれば、誰しも不安になるもの。母乳育児をしたいのに、思うように出なかったり、しょっちゅう赤ちゃんが泣いて眠れなかったり…。産後は、ホルモンの影響で孤独感を感じたりするマタニティブルーに陥るケースも多く、親しい人の支えが必要です。睡眠不足の時に赤ちゃんを抱っこしてもらったり、育児に対する不安を聞いてもらえる存在がすぐそばにいるのは、ありがたいです。

・二人目以降の場合は、上の子を見てもらえる

経産婦さんの場合は、上の子のお世話を祖父母にしてもらえます。特に上のお子さんが小さい場合には、赤ちゃん返りをしてむずがったりしますから、公園などに連れ出して気晴らしをしてもらえたりするのは、非常に助かりますよね。

里帰りのデメリット

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・夫がそばにいない

自分と夫との間にできた赤ちゃんだから、何かあれば一番に相談したいのは夫。でも、里帰り中に電話をするタイミングを失ったりして、もどかしい思いをすることがあります。

なによりも大きなデメリットは、パパの育児参加が遅れてしまうということ。妻が実家で楽しそうにしていると、疎外感を感じてしまうパパもいるかもしれませんね。

・病院を替えなければいけない

遠方に里帰りする場合には、妊娠中にお世話になっていた病院から実家近くの病産院に転院する必要があります。診断書や家族の同意書が必要になったり手続きも面倒ですし、その病産院の考え方と自分の行いたい出産、育児のスタイルが合わない場合には、大きなストレスになります。例えば、フリースタイル分娩で出産をしたいのに、実家の近くで受け入れてくれる病院は無痛分娩のみ、という場合には考え直した方がいいかもしれません。

・実母(姑)との関係が悪くなることも

最善の育児法というのは、時代とともに移り変わります。赤ちゃんが口にするのは母乳のみがいいと言われた時も、沐浴後には白湯を与えたほうがいいと言われた時もありますし、添い寝をする、しない、離乳食は早め、遅めなど、「赤ちゃんにとって一番いい方法」に絶対的な答えはありません。

実母(姑)が育児をしたのは数十年も前のことですから、実母(姑)の「こうした方がいい」ということと自分の考えとが異なることは当然あります。口論になって関係が悪くなってしまった、というケースも少なからずあります。

 

里帰りをしないメリット

 

・夫が育児に参加できる

生まれたばかりの赤ちゃんは、驚くような早さで成長していきます。その1カ月の成長ぶりを見逃さずに夫にも育児に参加してもらえるのが里帰りしない最大のメリット。一番大変な出産から生後まもなくの育児に参加してもらうことでパパとしての意識を持ってもらい、積極的に家事に参加してくれるようになることが期待できます。

・(二人目以降の場合)子供のストレスが少ない

ただでさえお兄ちゃん、お姉ちゃんになるという変化があるというのに、幼稚園や保育園を休まなくてはいけない、パパに会えないという大きな変化は子供にとってストレスになるケースもあります。

 

里帰りをしないデメリット

・家事の負担がある

家のことを全部やってもらい、仕事もするというのは夫にとっては大変なこと。最近では、育児休暇を推奨する会社も増えていますが、まだまだ少数派。やはり家にいると気になるところもありますし、産後の体調の悪い時でも動いてしまい、回復が遅くなるということがあります。

・孤独感がある

出産してすぐは自分も母としてはまだ未熟なのが当然です。赤ちゃんもおとなしく寝てくれている子ばかりでもありません。何をしても泣いている赤ちゃんをどうしたらいいのかわからなくて途方にくれることも。

夫が会社に出かけてしまった後、自分と赤ちゃんが取り残されてしまったように感じることも産後の精神的にも不安定な時期にはよくあることです。

里帰り出産すると決めたら・・・

 

1.出産する病院を決める

実家が地方にある場合、出産できる施設が減っているので、妊娠したら実家近くの病産院で受け入れてもらえるか確認をしましょう。出産は受け入れていても、受け入れ件数が少なく、里帰り出産は受け入れないという病院もあります。

連絡をして、受け入れてもらえることになったら、早めに分娩を予約しておきましょう。

2.里帰り出産をすることを今の病産院に伝える

受け入れ先が決まったら、早めに主治医に伝えましょう。里帰り前には、赤ちゃんの発育状態や母体の健康状態について書かれた紹介状をもらいます。

3.転院先の病院で受診をしておく

安定期に入ったら一度帰省して受診し、順調に経過していても、出産前に3回~4回、受診しておくと病院の様子が分かって安心です。

また、受け入れ先の病産院によっては、分娩予約のために妊娠初期に受診する必要があるケースもありますので、必ず確認しておきましょう。

4.交通手段を決めよう

電車の場合は指定席を予約、飛行機は予定日の8日~28日前に乗るには医師の診断書と同意書が必要です。

5.必要なものは送っておく

公共交通機関で帰省する場合には、産前産後に必要な衣類、赤ちゃんの衣類などは宅配で送ると楽です。

 

里帰り出産をしないと決めたら・・・

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1.出産時に備える

実家に帰っている場合でもそうですが、陣痛がきた時にそばに誰かがいるとは限りません。夫の留守中に陣痛がつくことを考えて、タクシー会社の電話番号を見えるところに貼っておく、入院セットをすぐに持っていけるところに置いておくなどの準備が必要です。

2.実家のサポートを相談する

里帰りせずに実母や姑に手伝いに来てもらうという方法もあります。その場合は、どのぐらいの期間来てくれるのか、その際にして欲しいことなど話し合っておくとスムーズですね。

実家に帰る時と違って、家には夫が帰ってくるわけですし、実母の場合には気を遣って疲れることもあるでしょう。何度か家に来てもらって近くのスーパーに3人で一緒に買い物に行くなどして、慣れてもらうといいかもしれません。

3.産褥サービスについて調べておく

一人でやっていくつもりだったけれど、体調が思わしくないということはよくあります。無理をせずに上手にサービスを使って、産後のしんどい時期を乗り越えるために、行政の産後サポートのサービスや、民間の産褥サービスなどについて調べておくといいでしょう。

4.食事の準備をしておく

赤ちゃんに母乳をあげるためにも、食事はしっかり摂りたいですね。でも産後、夫が留守の時に自分のためだけに食事を準備するのは面倒なもの。毎日夫にも頼るわけにもいきませんから、冷凍保存しておけるお惣菜などを準備しておくと便利です。

 

里帰り出産したら・・・産後気をつけること

産後、出生届をはじめ、以下のような様々な手続きが必要です。赤ちゃんの健康保険などは1カ月検診で必要ですから、早く申請しなくてはいけません。いずれも母子手帳などが必要になってきますので、どのようにして受け渡しをするかなど、パパと相談しておきましょう。

  • 手続き内容 期限 必要書類 申請場所
    出生届け 生まれた日を含めて14日以内 出生証明書・母子手帳・印鑑 生まれた場所・居住地・本籍地のいずれかの市区町村の役所
    児童手当 夫婦どちらかの収入の多い方の前年の収入証明、印鑑、年金加入証明書または健康保険証の写し、振込先口座がわかるもの 居住する市区町村の役場
    小児医療証

    (乳幼児医療費助成制度)

    なるべく早く 申請用紙、健康保険証、印鑑、マイナンバー、課税証明書 居住する市区町村役場
    健康保険 なるべく1カ月検診までに 健康保険被扶養者届、印鑑、母子手帳、出生届受理証明書、課税証明書または前年度の給与明細(会社員の場合は会社が用意してくれる)

    年金証明書(公務員の場合)

    会社員、公務員の場合は、担当者または健康保険組合に。自営業の場合は市区町村の窓口へ。
    出産手当金

    (妊産婦が仕事をしている場合)

    申請書 勤務先、または健康保険組合
    妊婦健康診断補助券(チケット、受診票など名称は様々) 里帰り中の病院で使えなかったものは、居住地の自治体で返金してくれるところもあります。確認してみましょう。

 

実家へのお礼はどうする?

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里帰り出産したら、家族が2人、上の子がいる場合はその子の分も増えるわけですから、光熱費、食費をはじめ実家にかなりの負担がかかります。甘えっぱなしにならないためにも、生活費を渡すなどしてきっちりとけじめをつけましょう。

相場は1か月あたり2~3万円。お金を受け取らないご両親もいると思われますが、その際には何かプレゼントで感謝の気持ちを伝えましょう。赤ちゃんの写真を入れた写真立てや、商品券やお食事券、旅行券などが定番ですが、ご両親の好みを考えて喜ばれるものを贈りたいですね。

いずれにしても感謝の気持ちを伝える、というのが大切です。

 

まとめ

里帰り出産が当たり前のように行われてきた時代から時は移り変わり、男性の育児参加が叫ばれるにつれて、里帰りをしないことを選択する女性たちが増えてきました。自分の子供だから面倒を見て当たり前という人がいる一方で、育児休暇を取ってまで男性が出産直後の母子のケアをするということにはまだまだ社会には障壁があるというのが実感です。

産後すぐのママの体はどれだけ順調でも健康体とは言えません。心身ともにケアが必要なときに誰だったら頼りやすいのか、夫婦でどんな育児をしていきたいのか、夫婦でよく話し合っていくことが、出産後のより良い家庭作りにつながっていくのです。慣習や周囲の意見に惑わされることなく、納得のいく選択肢をピックアップしてくださいね。