胎児スクリーニングって何?費用や検査内容と5つのわかること

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産婦人科で胎児スクリーニング(胎児ドック)を薦められ、迷っていませんか?

妊娠中は、お腹の赤ちゃんが元気に健康に育っているのか、毎日気になります。

エコーなどの検診で、赤ちゃんの動きや大きさ・健康状態など知り、とても安心しますね。

しかし、エコーだけでは、染色体異常や先天性形態異常がはっきりと確認できないことがあります。

そのため、出産の前に、赤ちゃんに何らかの異常はないのかを調べるための検査があります。

初めての妊娠で、『胎児スクリーニング』という言葉を初めて知った人も多いでしょう。

実際、費用や検査の内容、どこで受けられるのかなど分からない状態かもしれません。

「胎児スクリーニングを薦められたけど、どんな検査なの?」

「受けるべきか悩んでいる。そもそも検査を受けた方がいいのかな。」

「胎児スクリーニングをすることで、何が分かるの?」

など、胎児スクリーニングで、悩み不安を抱えている人もたくさんいます。

そこで、今回は胎児スクリーニングについて次の内容でご説明していきます。

・胎児スクリーニングとは
・検査内容や費用
・胎児スクリーニングでわかること5つ

これから胎児スクリーニングを受けるかどうか迷っている人や、胎児スクリーニングについて詳しく内容などを知りたい人の参考になれば嬉しいです。

胎児スクリーニングとは?妊婦健診との違い

胎児スクリーニングは、胎児超音波スクリーニング検査や胎児ドックとも呼ばれています。

産婦人科では、時期が来ると胎児スクリーニングの検査があることを説明されます。

全ての女性は、年齢に関わらず先天性異常をもった赤ちゃんを出産する可能性があります。

確率は2~3%で、先天性異常をもった赤ちゃんの95%は、問題のない妊婦さんに起こっています。

そのため、他人ごとではなく、自分の身にも起こることであることを覚えておきましょう。

胎児スクリーニングとは、超音波検査により、先天性異常の可能性があるかどうかを調べます。

所要時間は15分ほどなので、身体への負担も少ないでしょう。

結果は、早ければその日のうちに出ます。

病院によっては、遺伝子カウンセリングや血清マーカー検査と組み合わせて実施することもあります。

もちろん妊婦健診でもエコーで胎児や母体の状態をチェックしています。

しかし、妊婦健診は、胎児の成長、羊水の量、頭の位置や大きさなどを確認しており、先天性異常や染色体異常までは見ることができません。

いつから、誰が検査を受けることができるの?

胎児スクリーニングは、主に、妊娠20週頃のいわゆる妊娠中期に受けることができます。

胎児が小さすぎると細部まで超音波で映すことができず、胎児が大きすぎると、骨が石灰化しているので超音波がさえぎられることがあります。

しかし、妊娠初期や30週前後の妊娠後期などでも、病院によっては検査を受けることは可能です。

遅すぎた、早すぎたと自己判断する前に、一度産婦人科に相談してみましょう。

また、検査を受けられる人は、『希望している人』です。

誰でも受けることができますし、逆に受けなくてもよいのです。

胎児スクリーニングを受けるメリットとデメリット

まず、何を目的として胎児スクリーニングを受けるのかということを夫婦でしっかりと話し合っておきましょう。

メリットは、赤ちゃんに何らかの異常が見つかったときに、時期が早ければ中絶という選択肢ができます。

赤ちゃんの病気が判明したからと言って、中絶が認められるわけではありません。

しかし、赤ちゃんの病気を受け入れ支えていくだけの経済的余裕がない場合は、適用されることがあります。

また、もし異常があるようであれば、出産する病院を施設の整ったところに変更することができる、病気について勉強し心構えをすることができる、安全にお産をするための対策ができるなどの、準備をするという点で良い面もあります。

デメリットとして、検査を受けようか迷っている理由はここにあると言えるでしょう。

異常が見つかった場合に、心理的な不安やストレスが強いられる場合があります。

自分の赤ちゃんであるから、愛情は変わらずありますが、やはり不安は付きまといます。

検査を受ける前にも、大きな心構えが必要です。

また、胎児スクリーニングは100%正確ではありません。

検査では異常なしであっても、予期せず出生後に赤ちゃんの異常が分かる場合もあります。

その逆に、検査では異常が疑われていたのに、出産してみると問題がない場合もあります。

また、超音波的特徴のないダウン症や鎖肛(生まれつき肛門が作られない)は、発見されにくいのです。

赤ちゃんのすべての異常が見つかるわけではないということを知っておきましょう。

胎児スクリーニングのメリットやデメリットまで把握したうえで、検査を受けるか考えてみてください。

胎児スクリーニングの検査内容やかかる費用

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胎児スクリーニングを受けるにあたって、その検査内容や費用も気になるところですね。

胎児スクリーニングの検査内容

妊娠初期(11~13週頃)は、主に超音波検査により染色体異常を見分けます。

病院によって検査内容が異なることもありますが、他には、鼻骨の観察、心拍数の測定、お母さんの血液採取による検査、絨毛の検査などが行われます。

妊娠中期(18~20週頃)以降は、超音波検査により、胎児の体や臓器の異常を確認します。

胎児スクリーニングにかかる費用

費用は検査の内容によって違います。

健診の補助券もなく、健康保険の対象外でもあるので、全額自己負担となります。

基本的には2~5万円程度ですが、検査内容によっては、まだ高額になる可能性もあるので、一度病院で相談してみましょう。

初期胎児ドッグで染色体異常の疑いがある場合には、絨毛検査や羊水の検査を行い、確定診断を行う場合もあります。

胎児スクリーニングで分かる5つのこと

胎児スクリーニングをすることで、何を発見できるのでしょうか。

21トリソミー(ダウン症候群)

ダウン症の約95%が標準型21トリソミー型と呼ばれています。

これは、22本あるはずの常染色体が1本多く、23本となり起こっているもので、受精時に偶然に起こることなのです。

症状としては、特徴的な顔立ち、精神発達の遅れ、多発奇形を示す症候群で、日本では1000人に1人の割合で見られています。

18トリソミー

妊娠の中期から後期にかけて、胎児の発育の遅れや羊水が多いことがきっかけでみつかることがあります。

出生の頻度は、8000人に1人の割合で、21トリソミーよりは低い確率で、女の子に多く見られます。

口と下あごが小さく、細い鼻、関節が拘縮しがち、指が他の指に重なる握り方をする、足の底がまるくカーブしているような症状がみられ、重い心疾患があります。

分娩時や出産後に死亡する子どもが多いのですが、救命される子どもの数が少しずつ増えてきています。

13トリソミー

2万人に1人の割合で発症する疾患です。

両目の間隔が開いており、鼻筋が低く、小頭症、眼球は小さく、耳の位置が低い、口唇・口蓋裂を伴う場合もあり、特徴的な症状がみられます。

指は多指になることもあり、握り方が他の指に重なるように握ります。

また、痙攣することや無呼吸発作があり、発達も遅れます。

心疾患が重い場合は、救命が困難な場合もあり、1歳までに死亡する例が多いです。

臓器の異常

心臓の三尖弁や静脈管に逆流はみられないか、脳や胃、腎臓に異常はないかを確認します。

臓器の形や働きなどを確認できます。

顔、脊椎、手足、へその緒など外見の異常

胎児スクリーニングは見た目の異常も確認することができます。

頭の形や胸、お腹、背中、手足が4本あるか、へその緒など確認しています。

鼻の骨が正常に発育しているかどうか、眼球なども観察することができます。

しかし、口唇口蓋裂や多指症などは、小さいために発見ができない場合もあります。

このように、大きく分けて、5つのことが胎児スクリーニングで発見することができます。

しかし、100%確定できない場合や確認できない場合もあるので、病院の先生と慎重に相談していきましょう。

まとめ

胎児スクリーニングは、メリットもデメリットもある検査のひとつです。

必要性を感じなければ受けない人も多いでしょう。

しかし、赤ちゃんが生まれてくる前に知ることで、先にできることがあるのは確かです。

夫婦でしっかりと話し合い、胎児スクリーニングを受けるかどうか焦らずに相談していきましょう。