スウェーデンの少子化対策が凄い!日本でも取り入れるべきポイントとは?

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日本の出生率が年々下がっているといわれており、国はいくつもの対策を考案してきました。

しかし、少子化問題は以前解決されず、現在もなお下がる一方です。

これは日本だけではなく、少なくとも先進国に多い悩みとして取り上げられています。

日本と同じく少子化問題に悩んでいたスウェーデンは、近年の出生率が上がっていると言われています。

日本と同じ位置にありながらなぜ少子化問題は改善の道へとつながったのでしょうか。

今回は、スウェーデンの少子化対策でどのようなことをしてきたのか、日本でも取り入れられるポイントについてご紹介します。

スウェーデンも日本と同じ少子化問題は深刻だった

スウェーデンの少子化対策は、さまざまな国で注目されています。

内閣府は欧米諸国の少子化対策について、各国々ではどういった出生率の評価をしているのか、時代とともに確認してみましょう。

【1986年】

スウェーデン:低すぎる
日本:満足な水準

【2003年】

スウェーデン:満足な水準
日本:低すぎる

上記のように、昔と今の出生率の評価が、日本とスウェーデンでは逆転しています。

また、出生率の水準に対する政策スタンスについて、日本は現在「回復させる」と変更しています。

日本がおこなっている出生率向上のための政策とは?

妊娠をしたとき、子育てをしたときなど、仕事を休まなくてはいけない状況は働く女性にとって大きな問題ではないでしょうか。

日本では、少しでも多くの女性に子供を出産・育児しやすい環境を整えてもらうために、子供手当てや育児休暇制度を充実させています。

一番問題としている費用面を、しっかり対応することで出生率があがると思われていました。

しかし、現実的なデータを見ると日本の少子化問題は解決されておらず、出生率の水準に対する政策スタンスを、まだ「回復させる→介入しない」に変更できずにいます。

スウェーデンの少子化対策が凄い!と言われている理由

各国では少子化対策の一環として、さまざまな政策が実施されています。

日本でも子育てしやすい政策がたくさんありますが、「少子化対策が凄い!」といわれているスウェーデンと比べると、少子化対策への政策が低いことがわかりました。

スウェーデンの少子化対策と日本は、どんな違いがあるのかそれぞれ確認していきましょう。

育児休暇制度について

日本もスウェーデンのどちらも育児休暇制度があり、休んでいる間の手当が充実しています。

【日本】

・子が1歳になるまで(特例で1歳半まで)
・雇用者
・有期雇用者(パートや派遣社員)
・給料の30%保証と休業終了時に休業中の給料10%(雇用保険加入者のみ)・本人と事業主の負担分の社会保険料を免除

【スウェーデン】

・子供が8歳になるまで
・または基礎学年1年終了するまで
・両親合わせて480労働日
(配偶者に譲ることのできないパパクオータ/ママクオータの各60労働日を含む)
・給料の80%保証(390日育児休業により得られなかった分)
・残り90日分は日額660円保証
・2年以内に次の出産した場合は時短労働でも前の子の出産直前の給料の8割保証

スウェーデンは両親保険といって、育児休業の収入補填する制度を取り入れており、休業した最初の390日は賃金の80%保証、その後の90日間は定額手当を支給しています。

この両親保険のほかに、スウェーデンの多くの企業は独自の上乗せ給付をおこなっています。

日本の少子化問題が解決しないのは、保証が充実しているのにもかかわらず「育児休暇は取りづらい」という意見が多いのです。

この背景には、代わりとなる従業員がいないなどの理由があるのではないでしょうか。

スウェーデンはこの問題を解決するために、代替えで職場を引き継ぐ臨時契約社員を74.4%の企業が占めているのです。

一時的に雇用は手間がかかるため、日本の企業は人を雇わないケースが多く見られます。

こういった働きやすい環境づくりも、少子化政策だけではなく行うべきではないでしょうか。

出産休暇(出産手当)

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出産するために休むと受給できる出産手当も、日本とスウェーデンの政策に大きな違いが見られました。

【日本】

・産前6週間+産後8週間
・標準報酬日額の60%支給
・公務員の夫は妻が入院などすると出産後2週間までの間に2日以内で休暇取得できる

【スウェーデン】

・出産前後の各7週間

日本とスウェーデンの出産休暇を比較すると、日本の方が対策は充実しているように見えますね。

しかし、スウェーデンには家族政策として「出産休暇は父親も60日取得」できる

制度があります。

パパクォーターと呼ばれており、父親しか取得できない休暇であることから、スウェーデンの父親は産休する率が増えています。

児童手当

子供が生まれると一定の年齢まで「児童手当」が支給されるのですが、この手当も日本とスウェーデンで大きな違いがありました。

※2004年の比較です。

【日本】

・小学校3年生終了まで
・所得制限あり
・第2子まで毎月5千円
・第3子以降は1人につき月1万円
・扶養控除や特定扶養控除あり

【スウェーデン】

・16歳未満まで
・所得制限なし
・第2子まで毎月14,000円
・第3子は月17,000円
・第4子は月24,000円
・第5子は月27,000円
・子供が17歳以上でも学生の場合は延長児童手当を児童手当と同額で支給
・扶養控除などなし

スウェーデンの児童手当は、第3子以上は同額とせず、第4子、第5子と子供の人数が増えると家計に大きな負担があると想定して、しっかり政策が行われています。

日本は現在(2018年)、子供が中学校3年生までと児童手当の対象が広がりましたが、それでもスウェーデンと比較すると手当は薄いといえますね。

スウェーデンの少子化対策は保育園問題もしっかり対応!

日本は現在「待機児童」が少子化を導く問題とされています。

どんなに出産できる政策があったとしても、出産後に働ける場を作ることがもっとも大切ではないでしょうか。

日本のほとんどの家庭は、夫婦共働きで生活を助け合っており、産後少し休んでから職場復帰する方もたくさんいらっしゃいます。

そんな中、子供の預け先がないとなると、出産するべきかとても悩まれる方が多いです。

実際、私も田舎暮らしでありながら、待機児童に直面しました。

とくに月齢の低いクラスほど待機児童が多く、年中や年長さんになると空きがあるように見られます。

スウェーデンでも同じように保育サービスはあり、待機児童の問題もあったそうです。

それが今では、待機児童は解消し、多くのママたちは産後に職場復帰を果たしています。

スウェーデンの少子化対策について内閣府が伝えている文書によると、保育所に入所している割合は、日本と同じように年令が高くなるにつれて利用者が増えていることがわかりました。

そして驚くことに、0歳児保育はほとんど見られなかったのです。

スウェーデンでは産後、ゆっくり育児に専念できるようにと、子供が1歳くらいまで両親休暇や短時間勤務などを充実させてサポートしています。

日本では、早ければ生後3カ月で職場復帰する方も多く、その方たちの理由で多いのが「金銭面」です。

出産するために助成金があるのは助かりますが、出産後の充実さも少子化対策にはとても大切なポイントになるのではないでしょうか。

まとめ

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今回は、スウェーデンの少子化対策と日本の対策の比較、日本でも取り入れるべきポイントはあるのかについてお伝えしました。

日本とスウェーデンはどちらも少子化問題を抱えていたものの、現在はスウェーデンの出生率が高まっています。

これはスウェーデンがおこなった少子化対策が成功したと言えるのではないでしょうか。

スウェーデンがおこなった少子化対策について、再度まとめます。

・育児休暇制度は子供が8歳になるまで
・育児休暇制度は両親合わせて480労働日支給
・出産休暇は出産前後で各7週間
・出産休暇は父親も60日取得できる
・児童手当は所得制限なしで16歳未満まで

日本の待機児童や出生率低下を改善するためには、もう少し未来の見える具体的な政策が必要ではないかと思います。

実際に子育てしていると、金銭面や休暇の取りづらさは目立つばかりです。

国はさまざまな政策を掲げていますが、お金を掛ける着眼点をもう少し子育て世帯にしてくれたらなと思います。