おせちは喪中だと食べちゃダメ?食べれない理由と喪中のときのお正月の過ごし方

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身近な人が亡くなると、その後1年は喪に服すという人が多いと思います。

私の祖母が亡くなった時にも、両親は1周忌までは故人の冥福を祈る期間として厳かな時を過ごしていました。

そんな時でもやってくるのがお正月。

喪中のときのお正月の過ごし方って、ちょっと気になりますよね。

年賀状などは控えるのが通例ですが、おせちについては特に気になります。

「おせちは喪中だと用意しないほうがいいの?」
「おせちをがないとなんとなくさみしい」
「喪中でもおせちを食べていいならどんなものならいい?」

など、気になるポイントはたくさんあると思います。

喪中のときのおせちについては、実は「これ!」という決まりがないのが事実です。

・各家庭のしきたりや感情に任せる
・お祝い料理を避けておせちを作る
・重箱には詰めない
・故人のために食べたくないという人がいれば避ける

というように、おせちをどうするかは各家庭で決めているケースが多いよう。

とはいえ、亡くなった人がいるのにおせちを食べていると非常識だと思われないかという不安もありますよね!

「喪中だけどおせちはどうしたらいいんだろう」

と悩んでいる人のために、すんなりと納得のいくような答えが見つかれば幸いです。

喪中やおせちについても詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

喪中とは?

まずは喪中について詳しく紹介していきますね。

皆さんは喪中とはどのようなことだと思っていますか?

亡くなった人の冥福を祈る期間だということはわかると思いますが、

・具体的な期間は?
・やってはいけないことはある?

など自信をもって説明できる人は少ないかもしれません。

私も祖母が亡くなるまでは喪中がどのくらいの期間なのかよく知りませんでした。

喪中のほかに『忌中』というのもありますが、その違いについても紹介します!

故人をしのんで静かに過ごすこと

喪中は言ってしまえば『しきたり』のひとつ。

昭和初期までは人が亡くなったら喪に服すために自宅謹慎などが法律で決められていましたが、現在はこういった法令は廃止されています。

そのかわりにしきたりとして残っているわけですね。喪中の間は

・故人の冥福を祈る
・行動を慎む
・お祝いなど派手は祭事は慎む

というのが一般的です。

以前は喪に服している期間は外出なども喪服を着用していたとか。

喪中と忌中の違いは?

人が亡くなると、

・喪中
・忌中

の両方を見かけることがありますよね。

この2つの違いをきちんと理解している人は少ないかもしれません。

私も言葉は知っていても意味や期間までは知りませんでした。

ここでは喪中と忌中についてみていきましょう。

喪中

身近な人が亡くなった後、故人の死を悼う期間を喪中といいます。

喪中の期間は亡くなった人の続柄によって変わります。

・親または配偶者・・・13か月
・子ども・・・13か月
・兄弟姉妹・・・150日
・祖父母150日

となっていて、この期間は一般的には『喪に服すとき』とされます。

忌中

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忌中は神道に基づくもので、喪中とはちょっと考え方が違います。

もしかしたら喪中と思ってたのが実は忌中だったということもあるかもしれません。

忌中の基本的な考え方は、『死者=穢れたもの』というものです。

そのため外出を控えたりお祝い事にはもちろん参加しません。

わかりやすいところだと、四十九日の法要が終わったら忌中が明けると考えていいでしょう。

忌中の期間も喪中と同様亡くなった人との続柄によって変わります。

・親または配偶者・・・50日
・子ども・・・30日
・兄弟姉妹・・・20日
・祖父母・・・30日

忌中を過ぎれば一般的な祭事などにも参加することは可能です。

お祝い事などは忌中のほうが厳しい

人が亡くなるのは突然です。

そのため、亡くなる前から予定されていたお祝い事もあるでしょう。

周りの目もありますから、できれば避けたほうがいいですが忌中を過ぎていればさほど問題はないというのが一般的な考え方です。

しかし四十九日の前のお祝い事は避けたほうがいいかもしれません。

・結婚式
・七五三

など、予約をしていることや時期が決まっていることに関してはやむを得ないこととして、忌中であっても行ってもいいでしょう。

しかし、その場合は身内などにきちんと説明をしてから行う必要がありそうです。

おせちってどんなものなの?

さて、次はおせちについてです。

『おせち=お祝いのごちそう』

というイメージが強いですが、喪中のときにはお祝い事はタブーですよね。

まずはおせちとはどのようなものなのかを学ぶことも大切です。

お正月に食べるお祝いのごちそう

みなさんが思っているイメージの通り、おせち料理はお正月に食べるお祝いのごちそうです。もともとは中国から伝わったもので、

『御節句(おせちく・おせつく)』

という季節の節目である節句がおせちの名前の由来です。

初めは宮中の行事として行われていましたが、江戸時代になると庶民もこの行事を取り入れるようになります。

季節の節目ではなく、一年で最も大切な節目であるお正月におせち料理を食べるようになったといわれています。

料理ひとつひとつに意味がある

おせち料理はいろいろなごちそうがあるのが魅力ですよね。

我が家でも毎年いくつかの種類のおせち料理を作ります。

おせち料理にはそれぞれ意味があるので、そういった意味も踏まえて作ったり用意したりしたいものです。

・子孫繁栄
・健康
・金運上昇
・豊作
・長寿
・商売繁盛

など、それぞれの料理におめでたい意味が込められています。

地域によってお正月料理が違うのも特徴

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おせち料理は地域によっても特色がありますよね。

私が住む地域ではお正月には

・ゼンマイの煮物
・鮭や根菜の汁物

などを用意する家庭が多いです。

また大みそかからおせち料理を食べ始めるという習慣も私の住む地域ならではなのだとか!

地域に根付いたものを食べることもおせちのひとつの魅力ですね。

おせちは喪中のときに食べてはいけないって本当?

では本題です。

「おせちは喪中のときには用意しないほうがいい?」

ということはとても気になりますよね。

・身近な人が亡くなったのに非常識と思われそう
・新年を迎えるためにおせちを用意したい
・少しはおせちを食べないと新年を迎えた気がしない

など、喪中だからと言っておせちを食べないとなんとなく感覚的に始まらないような気もしますよね。

喪中でも、ここまで紹介してきたことを理解していれば、おせちを食べても問題ないとされています。

喪が明ければ気にしなくてもよい

前の項目で、

・喪中は150日もしくは13ヶ月
・忌中は20日~50日

ということを紹介しました。

ここでいう『喪が明ける』というのは、『忌中が明ける』ということ。

おせち料理はお祝いのごちそうではあるもの、『三が日には炊事をしない』ということも大きな目的。

そのため、お正月が忌中の期間意向であればおせち料理も食べてもいいのです。

私は食べても問題ない、と思いますが、人によっては「喪中が明けるまでは!」と思う人もいるでしょう。

気になるようなら忌中を過ぎていてもおせちは食べないという選択もOKですよ。

おめでたい由来のあるものを避けるのもおすすめ

忌中は過ぎたけど、やっぱりおせちを食べるのはちょっと気になるという人は、おめでたい由来のあるおせちを避けて用意するという方法もありますよ。

おすすめのおせちに関しては次の項目で紹介していきますので、参考にしてみてくださいね。

身内に気になるという人がいれば避けるのがベター

ここでは忌中以降であればおせちを食べても問題はない、と紹介しましたが、おせちを用意するかどうかは家族や身内に相談するのがおすすめです。

例えば旦那さんの両親が亡くなった場合、自分はおせちを食べてもいいと思っても旦那さんはおせちなんてとんでもない、と思っているかもしれません。

祖父母が亡くなった場合は、両親に聞いてみてもいいかもしれません。

同居をしていなくても、故人への思いは人それぞれです。

おせちを食べることに抵抗があるという人がいる場合は、喪中が明けるまではおせちも避けたほうがいいでしょう。

喪中でもOK!おすすめおせち5選

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喪中でもできれば周りを気にせずにおせちを食べたいですよね。

そういった場合には、できるだけおめでたい由来のある料理を選ばないということがひとつのポイントです。

1.煮豆
2.煮しめ
3.田作り
4.栗きんとん
5.だて巻き

おすすめは上記の5つ。

どれも縁起のいい食べ物ではありますが、おめでたいことに直結しているものではありません。

重箱入れずに小鉢や大皿に盛りつけていただきましょう。

不老長寿を願う黒豆

おせち料理の定番のひとつでもある黒豆は、不老長寿を願う縁起のいい食べ物です。

・マメに働けるように願いを込める
・黒い色が邪気を払う

といった意味も込められています。

私も毎年黒豆を煮ますが、黒豆は美容や健康にもいいのでおせち以外にもよく登場していますよ。

精進料理のひとつでもある煮しめ

根菜などをだし汁でコトコトと煮つけた煮しめも、おせちの定番ですよね。

それぞれの素材にも意味があり、おせちにぴったりです。

・里芋・・・子孫繁栄
・レンコン・・・先の見通しがつくように
・こんにゃく・・・手綱に見立てて身を引き締める
・にんじん・・・梅の花に見立てて華やかに

煮しめは精進料理のひとつでもありますから、喪中のときのおせちにもぜひおすすめしたい一品です。

田作りは豊作を願う料理

田作りもおせち料理には欠かせないものです。

田作りには主にカタクチイワシが使われていますが、カタクチイワシは江戸時代には田んぼの肥料として使われていました。

しかしカタクチイワシを肥料とするのはとても高級で、すべての人が使えたというわけではなかったようです。

それをおせち料理として食べることで、豊作を祈願したそう。

金運を運ぶ栗きんとん

栗きんとんも喪中のときにも食べやすいおせち料理のひとつです。

・黄色い見た目
・きんとん=金団と書くこと

などから、商売繁盛や金運アップのための縁起物としておせち料理には欠かせません。

茶巾などにしてデザートとして食べてもよさそうですね!

知恵や文化の発展を願うだて巻き

だて巻きは華やかさもプラスしてくれるのでおすすめのおせちです。

だて巻きは見た目が巻物のように見えることから、

・知識が増えますように
・文化が発展しますように

といった願いが込められています。

だて巻きははんぺんと卵を使って作ることもできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

避けたほうがベター?NGおせち3選

喪中でもさほど気にせず食べられるおせちがある反面、「これはちょっと避けたほうがいいかも」というおせちがあるのも事実。

1.鯛の塩焼き
2.紅白なます・かまぼこ
3.昆布巻き

上記の3つはおめでたい意味が強いおせちですので、喪中のときには避けたほうがいいかもしれません。

『おめでたい』の代表・鯛の塩焼き

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結婚式や赤ちゃんが生まれた時など、様々なお祝いの席で鯛の塩焼きが登場しますよね。

『鯛=おめでたい』

というイメージが強いため、喪中のときのおせちにはあまり向きません。

どうしても鯛の塩焼きをおせち料理に入れたいなら、切り身を使ったりほかの魚で代用したりするといいでしょう。

紅白を組み合わせるなますやかまぼこも避けよう

紅白なますと紅白かまぼこはおせちの定番です。

我が家のおせちでもこの2つは欠かすことができませんが、やはり紅白はお祝いの印象が強いですよね。

喪中のときは避けたほうがいいかもしれません。

また、エビも紅白ではありませんが避けるべきという考えの人が多いようです。

昆布巻きも『喜ぶ』料理

軟らかく煮た昆布巻きはとてもおいしいですよね。

しかし昆布もおめでたい食べ物として昔から使われてきています。

『よろこんぶ』

などといわれる通り、おめでたい食材。

昆布巻きだけでなく結び昆布なども避けたほうがいいでしょう。

おせちだけじゃない!喪中のお正月の過ごし方

喪中のときに気になるのはおせちだけではありませんよね。

「鏡餅は用意しないほうがいい?」
「神棚の飾りはどうしたらいいの?」
「門松などの正月飾りは?」

など、気になるものはいくつもあります。

最後に、喪中のときのおせち以外のお正月の過ごし方について紹介しますね。

喪中はがきは11月中に

まず身近な人が亡くなった場合、喪中はがきを出して新年のあいさつを遠慮する旨をお伝えしますよね。

年賀はがきの販売が例年だと11月1日からです。

早い人だと11月中にはある程度の準備を終わらせてしまうという人も多いですよね。

そして年賀状の投函が始まるのが12月15日。

この時期までには喪中はがきが相手方に届いているのが理想です。

準備なども考慮して、できれば11月中にはお知らせできると親切でしょう。

正月飾りや鏡餅は避けたほうがベター

正月飾りや鏡餅は、年神様を迎え入れるためのお飾りです。

実は、喪中のときに年神様を迎え入れるのは神様に対して失礼だという考えがあるのです。

そのため、忌中が明けていたとしても喪中が明けるまでは正月飾りや鏡餅は避けたほうがいいでしょう。

ただし、角餅や丸餅をお雑煮として食べるのはOK!

お雑煮はおせち料理のひとつとして考え、喪中であっても食べてもいいでしょう。

私の祖母が亡くなった時も、お雑煮は普通に食べていましたよ。

神棚はどうしたらいい?

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年末に神棚の掃除をしたり、お札やしめ縄の交換をするという家庭も多いと思います。

前の項目でも触れましたが、神道において人の死は穢れを意味します。

そのため喪が明けるまでは神棚に触るのはタブー。

四十九日が終わるまでは神棚に触らないようにしましょう。

掃除も喪が明けてからにし、お札やしめ縄の交換も同様です。

別居している親族が亡くなった場合は、家自体が喪に服しているわけではないので、今まで通り掃除や交換を行ってくださいね。

初詣は喪が明けていれば問題なし

では初詣はどうなのでしょう。初詣は

・神社
・お寺

のどちらに行くかによって若干変わってきます。

繰り返しになりますが、神道では人の死は穢れです。

そのため忌中が明けるまでは鳥居をくぐることはできません。

参拝に行く場合は四十九日が終わってからにしましょう。

お寺の場合は、人の死は穢れという考えがないため、いつ参拝に行っても問題ありません。

ただし、宗派によっては喪中のNGというケースもありますから、気になるようなら直接問い合わせてみてくださいね。

まとめ

おせち料理を毎年欠かさず作っているという人は、身近な人が亡くなると

「喪中のときはおせちを用意しないほうがいいのかな」

と思ってしまいますよね。

基本的には四十九日の法要が済んだ後であれば、おせちを用意しても問題ないといえるでしょう。

・故人が好きなおせちがあった
・生前、故人も一緒におせちを食べようと言っていた

など、喪が明けないうちでもおせちを食べることで弔いになることもあります。

それぞれ家庭の考え方で決めていいでしょう。ただし、

・1年経つまではお祝い事は避けたい
・おせちという気分になれない

という考えを持つ家族がいれば、その気持ちを大切にすることも必要です。

喪中は身近な人の死があったということです。

その後の過ごし方は家族でよく話し合って決められるといいですね。