赤ちゃんのうつぶせ寝は危険?乳児の窒息や死亡事故を防ぐための7つの注意点

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赤ちゃんが寝返りができるようになってくると、気がつくとうつぶせで寝ていたり、仰向けだとなかなか寝つかない赤ちゃんがうつぶせだとぐっすり寝てくれることってありませんか?

そんなふうに赤ちゃんがうつぶせ寝を気に入ったとしても

「うつぶせ寝は赤ちゃんにあまり良くない」

「危険だからやめさせたほうが良い」

なんて話を聞いたことがある方も多いでしょう。

そこで今回は、赤ちゃんのうつぶせ寝はなぜ危険なのか、危険を防ぐための注意点やメリットなどをお伝えします。

  • 赤ちゃんのうつぶせ寝の危険と7つの注意点
  • 赤ちゃんのうつぶせ寝のメリット
  • 赤ちゃんのうつぶせ寝好きは直すべきか

うつぶせ寝での危険な事故の防ぎ方を知り、赤ちゃんがぐっすりと良い睡眠ができるように寝室の環境を整えてあげましょう。

赤ちゃんのうつぶせ寝はなぜ危険?窒息や突然死を防ぐための7つの注意点

赤ちゃんをうつぶせで寝かせるのは危険、と何となく耳にしたことがあるママやパパは多いのではないでしょうか。

赤ちゃんのうつぶせ寝が危険とされる理由は主に、

①窒息を起こす可能性が高まること

②乳児突然死症候群(SIDS)の発症率を高める要因の1つ

とされていることの、2点があります。

それぞれの危険の詳細と、危険を防ぐための注意点についてお伝えします。

うつぶせ寝による「窒息」の危険について

赤ちゃんが寝ている間に窒息して亡くなってしまう事故は、赤ちゃんの事故死の原因の中で高い割合を占めています。

もちろんうつぶせ寝でなくても、顔がクッションやタオルで塞がれてしまって窒息してしまう危険はあります。

ただしうつぶせ寝の場合は、お布団やマットレスに顔が埋まりやすいため、窒息のリスクをより高めてしまう可能性があります。

特に、自分で寝返りをうつことができない新生児~生後6ヶ月頃までの赤ちゃんは、うつぶせ寝の状態で苦しくなっても自分で体勢を変えることができないため、窒息のリスクが高くなります。

うつぶせ寝による「乳児突然死症候群(SIDS)」の危険について

乳児突然死症候群(SIDS)といって、元気だった赤ちゃんが突然死してしまう病気があります。

特に生後4ヶ月前後の発症が多いとされています。

乳児突然死症候群(SIDS)が発症する詳しい原因や防ぎ方は、まだ解明されていません。

ただし、うつぶせ寝をすることがその発症率を高める一つの要因になると厚生労働省の調べでも発表されています。

うつぶせ寝による危険な事故を防ぐための7つの注意点

それでは、うつぶせ寝による窒息や乳児突然死症候群(SIDS)を防ぐためには、何に気をつければ良いのでしょうか。

以下に赤ちゃんのうつぶせ寝による危険な事故を防ぐための注意点を7つ紹介します。

<うつぶせ寝による窒息・乳児突然死症候群(SIDS)を防ぐための注意点>

①1歳になるまでの赤ちゃんは、仰向けで寝かしつける。特に寝返りができるようになる前の赤ちゃんは、うつぶせで遊んだまま寝てしまわないようにも注意する。

②掛け布団は赤ちゃん用の軽いものを利用し、敷き布団やマットレスは赤ちゃん用のかためのものを利用する。

③寝ている赤ちゃんの顔の近くに、口や鼻をおおったり、首に巻き付いてしまいそうなもの(タオルやクッション、衣服など)を置かない。

④赤ちゃんの寝室には、顔や頭がはさまってしまうような隙間を作らない。

⑤ママやパパが添い寝をしたまま眠ってしまい。赤ちゃんの身体を圧迫しないようにする。

⑥できるだけ母乳で育てる。(乳児突然死症候群(SIDS)の発症率軽減のため。)

⑦ママやパパなど家族が喫煙をしない。(乳児突然死症候群(SIDS)の発症率軽減のため。)

参考

厚生労働省 / 乳児突然死症候群(SIDS)について

消費者庁『0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください! – 家庭内で、就寝時に窒息死事故が多数発生しています- 』

赤ちゃんのうつぶせ寝は良いこともある?!赤ちゃんのうつぶせ寝のメリットについて

赤ちゃんのうつぶせ寝は危険なイメージがありますが、好んでうつぶせ寝をする赤ちゃんがいるくらいですし、悪いことばかりでもないのではないでしょうか。

赤ちゃんがうつぶせ寝をすることのメリットを紹介します。

赤ちゃんの頭の形が変形しにくい

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生後6ヶ月頃までの赤ちゃんは、頭蓋骨の一部がやわらかいため、頭が圧迫によって変形しやすくなっています。

仰向けで寝る時間が長いと、頭の後ろ平らに(絶壁に)なってしまったり、左右どちらかに向く癖があると、頭の形が左右に偏ってしまったりします。

うつぶせ寝にすることで、それらの頭の変形のリスクを下げることができます。

げっぷが出やすく、母乳やミルクを吐きにくい

赤ちゃんを授乳後すぐに仰向けで寝かせると、母乳やミルクを吐いてしまうことがあると思います。

これは、仰向けで寝かせることで、胃に溜まった母乳やミルクが食道へ逆流しやすくなってしまうためです。

逆にうつぶせで寝かせることで、胃に溜まった空気は食道に進みやすくなり、げっぷが出やすくなります。

げっぷがなかなか出なかったり、吐き戻しの多い赤ちゃんは、授乳後ママが見守る中でしばらくの間うつぶせにしてあげると良いです。

赤ちゃんの呼吸がしやすい

仰向けで寝るよりもうつぶせで寝るほうが、赤ちゃんは肺を膨らましやすく、呼吸がしやすくなります。

早産などで未熟児として生まれた赤ちゃんは、仰向けではなく、うつぶせ寝や横向きで寝かせられている場合もあります。

ただしこれは、保育器の中で常に呼吸を確認できる状態においてなので、自宅で寝返りができるようになる前の赤ちゃんをうつぶせで寝かせるのは、窒息などのリスクがあるためおすすめできません。

赤ちゃんがぐっすりと眠り夜泣きが減る

上の項目で説明した通り、うつぶせ寝は赤ちゃんにとって仰向け寝よりも呼吸が楽にできます。

よって、仰向け寝のときよりも朝までぐっすりと眠ることができたり、夜泣きが減ったりする赤ちゃんもいます。

参考

中野こども医院 小児科『胃軸捻転症』

赤ちゃんのうつぶせ寝好きは直すべき?赤ちゃんがうつぶせで寝てしまったらどうするか

赤ちゃんのうつぶせ寝は、窒息や乳児突然死症候群(SIDS)のリスクがあるから危険だけれど、赤ちゃん自身はうつぶせ寝が好きで、気がついたらうつぶせで寝てしまっている…。

せっかくぐっすりと赤ちゃんが眠っているのに、うつぶせになる度に仰向けに戻すべきなのかと、迷うママやパパも多いのではないでしょうか。

赤ちゃんのうつぶせ寝は直すべきなのかどうかについて、考えてみます。

自分で寝返りができるようになる前(生後6ヶ月頃まで)の赤ちゃんの場合

まず、自分で寝返りができるようになる前の赤ちゃんについては、睡眠時は仰向けで寝かせるようにしましょう。

寝返りができない赤ちゃんは、うつぶせ寝のまま呼吸が苦しくなっても、体勢を変えることができないため、窒息のリスクがより高まります。

万が一、うつぶせの状態で遊んだまま寝てしまったときも、仰向け寝に戻してあげたほうが良いです。

ただし、呼吸に関わる疾患などで、医師からうつぶせ寝や横向き寝をすすめられている場合は、医師の指示に従うようにしてください。

自分で自由に寝返りができる(生後6ヶ月頃~1歳の)赤ちゃんの場合

自分で寝返りができるようになった赤ちゃんの場合でも、乳児突然死症候群(SIDS)の発症率軽減のために、1歳になるまでは、寝かしつけのときは仰向けが良いとされています。

しかし、寝返りができるようになると、仰向けで寝ていても自分でうつぶせ寝になってしまうこともあるでしょう。

その場合は、無理にその都度仰向けに直す必要はないと考えます。

自由に寝返りができる赤ちゃんであれば、うつぶせ寝から苦しくなればまた自分で仰向け寝に戻ることができるためです。

ただし、うつぶせ寝になってしまったときに、周囲に寝返りを阻害するものや、窒息の原因になるものを置かないように注意しましょう。

赤ちゃんのうつぶせ寝による危険を防ぎ、快適な睡眠をさせてあげましょう!

赤ちゃんがうつぶせで寝ることは、窒息や乳児突然死症候群(SIDS)の発症リスクを高める原因になります。

よって、寝室から窒息の原因を取り除き、1歳になるまでは仰向けで寝かしつけることが良いということがわかりました。

ただし、うつぶせ寝によって赤ちゃんの頭の形が良くなったり、呼吸がしやすくぐっすりと眠ることができるようになったりするというメリットもあります。

自分で寝返りができるようになった赤ちゃんについては、寝返りでうつぶせ寝になってしまっても大丈夫なように、今回紹介した内容を参考に安全で快適な寝室の環境を整えてあげましょう。