妊婦と市販薬~妊娠中の市販薬の影響と流産リスクや4つのポイント

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「混んでいる病院に行くのはちょっと…」「病院に行かずに治したい!」と、つい手軽に行かれるドラッグストアで市販薬を購入したくなる時もありますよね。

お腹の大きな妊婦さんだったら、病院に行かずに手軽に治したいという気持ちがあってもおかしくありません。

でも市販薬を買う時にこんな疑問を持つことはありませんか?

・妊婦だけど、市販薬の便秘薬を使っても良いの?

・風邪をひいちゃった、この薬は妊婦でも使える?

さらに、

・赤ちゃんが出来たけど、薬を飲んでいたかも知れない…

という、不安になってしまった妊婦さんもいますよね。

そこで妊婦さんが市販薬を上手に活用するために、4つのポイントをまとめました。

  • 妊婦が市販薬を飲んで大丈夫?
  • 妊娠中に薬の影響を最も受ける時期
  • 妊婦でも飲める市販薬とは?
  • 妊婦が市販薬に対して心得ておくべきこと

トラブルや不安な気持ちに陥らないように、きちんと市販薬について把握しておきましょう。

市販薬と上手に付き合えるように、解説していきます。

・妊婦が市販薬を飲んで平気かな?妊婦が飲める市販薬がある訳

妊婦が市販薬を飲んでも大丈夫?と問われた時、妊婦でも飲める薬もある、というのが答えになります。

そしてうっかり市販薬を飲んだとしても、それが赤ちゃんの奇形に繋がる可能性は決して高くはありません。

それは2つのきちんとした理由があります。

(1)国内外の統計によると、薬を飲んでいない妊婦でも約1~2%の赤ちゃんに何らかの奇形があったと報告されています。

その後に新たに判明した奇形を合わせると、赤ちゃんのうち5%には、生まれつき何らかの異常を持って生まれて来ているとされています。

(「日本産科婦人科学会雑誌2006年 学際領域の診療 妊娠と薬物」より引用)

また、虎の門病院の「妊娠と薬」外来に寄せられた相談のうち、99%は“薬を飲んでいても問題は出なかった”ということでした。

つまり、妊婦さんが薬を飲んでいたか否かに関わらず、赤ちゃんが奇形を持って生まれてくる可能性がゼロではないことに変わりありません。

薬を飲んでいたらリスクが生じる!と安易に結び付けないようにしましょう。

(2)そもそも市販薬は一般的に、様々な人が気軽にドラッグストアで買えることが前提で流通しているので、当然ながら、妊婦も手に取ることを想定して作られているものがほとんどです。

ほとんどの薬は万が一飲んだとしても影響はほとんど無いので、過度に心配はしなくて良いのです。

・妊娠が分かる頃がすでに一番リスクが高い!薬を飲むうえで注意をしなければならない時期

妊娠に気が付かずに薬を飲んだ際に、薬を飲んだ時の妊娠週数がとても重要であるとしています。

妊娠期間を4つに区切り、胎児の成長と影響の受け方をまとめました。

(1)妊娠 1 カ月前後(最終月経の1日目を0週0日とする)

月経周期の14日目前後で排卵し、受精をすると、受精卵はめまぐるしく細胞分裂を繰り返しながら子宮へ到達し、着床します。

その間に薬の影響を受けた時は、受精卵は育って行くことが出来ずに流れてしまいます。

また、小さな影響を受けたとしても、他の細胞がそこの部分を補ってくれるので、問題なく育っていくとされています。

従って受精から2週間は薬を飲んでも問題ありません。

(2)妊娠 2 カ月前後(妊娠4週0日~7週0日)

胎児が人となるために様々な器官が作られるとても大切な時期である為、薬の影響を最も受けやすい時期です。

ちょうど妊娠が分かる頃には、既に一番大切な時期に差し掛かっていることになるので、妊娠を望んでいる女性は薬を安易に飲まないように注意しましょう。

(3)妊娠 3 カ月から 4 カ月前後 (妊娠8週0日~15週0日)

体を作る上で大切な器官が作られる時期は終わります。

この時期は口蓋や外性器が作られ、4カ月位になると性別が分かるようになります。

2カ月の頃に比べて、薬の影響を受けるリスクは下がります。

(4)妊娠 5 カ月から分娩まで (妊娠16週0日~分娩まで)

この時期はほぼ胎児の器官は作られているので、奇形のリスクは非常に少なくなります。

しかし、胎盤を通して薬の影響が胎児に直接行ってしまう、胎児毒性のリスクがあります。

市販薬ですと頭痛薬の主成分がアセトアミノフェン以外を飲むことによって、胎児の心臓に過度の負担がかかってしまう動脈管収縮を起こすことがあるので注意が必要です。

(愛知県薬剤師会「妊娠・授乳と薬」より引用)

上記のとおり、体調不良が続いたり気分が悪いと思ったら妊娠をしていた!と、ちょうど妊娠に気付く頃には、既に一番大切な時期に差し掛かっていることになります。

妊娠を望んでいる女性は、きちんと生理周期を把握して、その時期は薬を安易に飲まないように注意していれば、余計な心配をしなくても済みますね。

・これなら大丈夫!妊婦さんでも飲んで安心な市販薬

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妊婦さんでも飲める市販薬はあります。

ドラッグストアで手に取った時に、成分を確認し、下記が記載されている薬を選びましょう。

使用上の注意を確認し、妊娠中の使用について注意が記載してあるものは、薬剤師に必ず確認しましょう。

妊娠中に飲んでも問題ない薬の成分をまとめました。

解熱鎮痛消炎薬 アセトアミノフェン
鎮咳薬 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、ジメモルファンリン酸

塩、ベンプロペリンリン酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩

去痰薬 ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩
抗ヒスタミン薬 第一世代:クロルフェニラミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸

塩、ヒドロキシジン

第二世代:ロラタジン、セチリジン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸

塩など

抗アレルギー薬 クロモグリク酸ナトリウム
気管支拡張薬 サルブタモール硫酸塩、テルブタリン硫酸塩、

クレンブテロール塩酸塩、テオフィリン、

イソプレナリン塩酸塩

止瀉薬、整腸薬 ロペラミド塩酸塩、乳酸菌
抗菌薬 ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系
漢方薬 香蘇散、参蘇飲、麦門冬湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、小青竜湯(麻黄含有、長期不可)、葛根湯(麻黄含有、長期不可)
便秘症 マグネシウム塩類下剤、パントテン酸、ピコスルファートナトリウム水和物
ステロイド外用薬 一般的な使用量、使用方法であれば、外用したステロイドの経皮吸収の量は少なく、妊娠中でも特に問題はない

(愛知県薬剤師会より転用)

・もしかしたら薬を飲んでいたかも…後悔しない為に妊婦さんが心得ておくべき3つのこと

市販薬では病院で処方されている薬よりも成分が少なく、赤ちゃんへの影響はほとんどないので、必要以上に心配をする必要はないのですが、やはり妊娠を望んでいる時期や、妊娠中は赤ちゃんにとっても薬の影響があるということはきちんと意識しておかねばなりません。

不安や後悔の気持ちを持ちながら、マタニティ生活を送るのは気分が悪いものです。

不安に陥らないために3つのポイントをあげます。

  • 妊婦さんは安易に市販薬に手を出すのではなく、出来れば主治医と相談してから購入するようにしましょう。主治医からOKが出された薬であれば、より安心ですよね。なるべく不安を減らしたいものです。
  • 赤ちゃんを望んでいるのなら、基礎体温を付けて、薬の影響を受ける時期を把握しておく心構えをしっかり持ちましょう。
  • もし妊娠と気付いたのが、週数が経ってからの場合、薬をいつ飲んだのか分からない時もあります。一人で悩み、悔やむよりも、まずは主治医に相談をしましょう。

また、下記は妊婦さんが薬について悩んだ時に相談できる専門機関ですので、紹介します。専門医に相談し、説明を受けることが大切です。

国立成育医療研究センター内 妊娠と薬情報センター

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国立成育医療研究センター内に「妊婦と薬」についての相談窓口があります

03-5494-7845  平日 10:00~12:00、13:00~16:00

https://www.ncchd.go.jp/index.html

虎の門病院 産婦人科

毎週木曜日午後、「妊娠と薬」の外来があり、完全予約制になっています。

飲んだ薬が胎児や赤ちゃんにどのように影響するのか等、相談できるようになっています。

電話番号:03-3588-1111 内線:3410(薬剤部医薬情報科)

まとめ

妊娠を希望している方、妊婦さんは薬に関してはとても慎重になります。飲んでしまったけど、赤ちゃんは大丈夫かな?と不安になるのは当然のことです。

しかし、正しい知識を頭に入れておくことで、何かあった時に慌てずに冷静に対応することができるのです。

妊婦さんでも使える市販薬もありますが、まずは主治医に相談してから購入すると、よりいっそう安心して服用することが出来ます。

赤ちゃんと妊婦さん自身のために、日頃から薬に対しての理解を深めておくことがとても大切ですね。