妊娠中期の出血が止まらない!胎児への影響や流産リスクと3つの対処法

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妊娠中期になると、お腹の膨らみが目立つようになりますよね。

胎動も感じるようになり、母としての幸せを感じる頃です。

そんな妊娠中期に出血が出て止まらなくなったら、

「流産は大丈夫?」

「赤ちゃんへの影響はない?」

など色々と心配になるもの。

こちらの記事では、妊娠中期に出血が出る原因や胎児への影響などについて解説しています。

妊娠中期に出血が出た場合にはどうすればいいのでしょうか。

対処法を3つご紹介します。

  • まずは安静にし、医師に連絡する
  • 症状を記録しておく
  • 出血が多い場合はご自身で運転しての受診は避ける

もしも妊娠中期に出血の症状がみられたら、ぜひこちらの記事を参考にしてくださいね。

妊娠中期の出血が止まらない!鮮血も!胎児への影響や流産は?

妊娠中期(妊娠16~27週)からは、いわゆる「安定期」に入ります。

つわりも収まり、子宮内では胎盤が完成する時期です。

そのため、妊娠中期以降の妊婦さんには大きなトラブルが起こらないと思っていませんか?

実は切迫早産など出血を伴うリスクが発生する可能性がありますので、油断はできません。

妊娠中期の出血が止まらなくなる原因や流産との関係について解説します。

切迫流産・切迫早産

「切迫流産」とは、妊娠22週未満で流産しかかっている状態をいいます。

一方、妊娠22~36週6日の間に早産しかかっている状態を「切迫早産」といいます。

つまり、時期の違いで流産か早産に区別されるということなんです。

切迫流産・早産で、出血が止まらなくなったという先輩ママさんは多くいらっしゃいます。

鮮血の出血のほか、下腹部に痛みや張り、硬く板状になる、水っぽいおりものが出るなどの症状が現れます。

妊娠12週未満の流産は、染色体異常など胎児の側に原因があるケースがほとんど。

しかし、それ以降の流産や早産は、妊婦さん側に原因があることが多く、その中で最も多いのが「絨毛膜羊膜炎」です。

妊娠中は抵抗力が衰えるため、膣内の自浄作用が低下し、病原菌が繁殖。

病原菌が子宮内の赤ちゃんを包む絨毛膜や羊膜にまで侵入して炎症が起こります。

また性感染症や歯周病も発症原因といわれています。

絨毛膜羊膜炎になると、子宮頸管が柔らかくなり子宮口が広がる上、子宮の収縮が起こることから流産や早産になってしまうのです。

早産で生まれた赤ちゃんのほとんどは、体重が2,500g未満の低体重児です。

医療の進歩によって死亡率は著しく減少していますが、下記の危険性があります。

絨毛膜羊膜炎を経て早産に至った場合は、新生児の呼吸窮迫症候群が約3倍、周産期死亡率が約4倍に増加するほか、脳性麻痺を発症する危険も増加するといわれています。

(出典元:公益社団法人日本産科婦人科学会

絨毛膜羊膜炎になってしまうと早産だけではなく、生まれてくる赤ちゃんにも影響を及ぼしてしまうということですね。

前置胎盤

(画像出典元:佐野産婦人科医院

前置胎盤とは、胎盤が通常より低い位置にあり、図のように子宮口にかかっている状態をいいます。

その頻度は、全分娩の0.3~0.6%といわれています。

(出典:公益社団法人日本産科婦人科学会

一般的に妊娠が進むと、子宮頸部の伸展や子宮口が開いてきます。

前置胎盤の場合、子宮口の部分に胎盤が被さっているため、子宮壁から胎盤が剥がれ、出血してしまうのです。

この場合、痛みはなく突然大量の鮮血の出血がみられるのが特徴的です。

また早産になる可能性もあり、場合によっては大量出血を起こして母子ともに危険になることも。

下記は前置胎盤を起こしやすい原因といわれているものです。

  • 高齢妊娠
  • 過去の出産・流産
  • 双子以上の多胎
  • 子宮手術(帝王切開・流産・人工中絶など)
  • 喫煙

胎盤は母体から胎児に血液から酸素や栄養を供給したり、胎児側から母体へ老廃物を受け取るという大切な役割があります。

そのため、たくさんの血管が通っています。

この前置胎盤は、お腹が大きくなるにつれて、徐々に胎盤の位置が上がっていき、自然分娩ができるようになることもあります。

しかし、改善されなかった場合は、帝王切開での分娩になることがほとんどです。

通常、胎盤は出産後に自然と剥がれますが、前置胎盤の場合、子宮に胎盤がくっついてしまって剥がれないことも。

この癒着胎盤は大量出血が伴い母体が危険な状態になるため、子宮を摘出しなければならなくなることもあります。

胎盤早期剥離

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胎盤が出産後ではなく、妊娠中に剥がれてしまうことを胎盤早期剥離といいます。

軽症の場合は、お腹の張りや不正出血がみられますが、重症化すると、激しい下腹部痛、お腹が板状のようになって硬くなる、不正出血といった症状が出現します。

出血量は多いとは限らず、少量の場合も。

常位胎盤早期剥離になりやすい危険因子としては、妊娠高血圧症候群、交通事故などによる腹部の外傷などのほか、妊娠中の喫煙もリスクがあるといわれています。

胎盤は母体からお腹の赤ちゃんに酸素や栄養を送っていますので、早期剥離によって酸素や栄養欠乏になり危険な状態に。

また大量出血した場合には、母体も危険な状態になってしまいます。

関連記事⇒妊娠後期に原因不明の出血が!胎児への影響や流産のリスクと7つの対処法

妊娠中期の少量の出血!その原因は?

妊娠中期に少量の出血がみられる場合、どうした原因が考えられるのでしょうか?

妊娠中期に起こりうる出血の主なものについて解説します。

子宮膣部びらん

(画像出典元:下平レディースクリニック

子宮膣部というのは、膣に突出している子宮の入り口部分をいいます。

この部分がただれた症状を「子宮膣部びらん」といいます。月経後の女性の多くにみられるものです。

性交渉によって微量の出血がみられることもありますが、びらんが原因の場合はあまり心配することはありません。

胎児への影響や流産のリスクはありません。

しかし、子宮頸がんによる出血の可能性もありますので、医師の診断を受けることをおすすめします。

子宮頚管ポリープ

子宮頸管ポリープとは、子宮頸管の粘膜が増殖してキノコのような形の腫瘍が膣に向かって垂れ下がる病気です。

この腫瘍は柔らかく出血しやすいので、性行為、激しい運動などで少量の出血がみられることがあります。

子宮頸管ポリープの多くは良性腫瘍ですが、まれに悪性の場合があります。

子宮頸管ポリープから切迫流・早産や胎児に影響を及ぼす絨毛膜羊膜炎を発症することもあります。

出血がみられたら、早目に病院で検査を受けましょう。

子宮頸がん

(画像出典:兵庫県小児科医会

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発症します。

発症率が20~30代の若い女性で急増することも大きな特徴です。

HPVに罹患しても、多くの場合は免疫力によって排除されます。

しかし喫煙や免疫力が低下している場合には、がん化してしまうことも。

妊娠中に前がん状態の高度異形成や初期のがんがみつかった場合は、妊娠を継続させるため、子宮頸部の円錐切除という手術が行われることがあります。

この手術によって子宮頸部が短くなってしまうので、流産・早産が起こりやすくなってしまいます。

子宮頸がんは、早期の段階では目立った自覚症状がありません。

進行に伴い、不正出血、性交時の出血、水のようなおりもの、下腹部痛といった症状が現れます。

妊娠中に子宮頸がんがみつかったというケースもあるので、気になる症状がみられたら、早急に医師に相談してくださいね。

性感染症による合併症

クラミジアなどの感染によって、子宮頸管炎、子宮内膜炎などを発症した場合、不正出血などの症状が現れます。

出血のほか、下腹部痛や発熱、臭いにおいのする黄色いおりものなどがみられることも。

妊娠中は抵抗力が低下することから、セックスでの感染リスクがより高くなりますので、注意が必要です。

子宮頸管炎等の病原菌の感染が広がると、絨毛膜羊膜炎を発症します。

絨毛膜羊膜炎になると切迫早産のリスクが高くなる上、胎児の脳や呼吸器などに深刻な影響を及ぼします。

関連記事⇒妊娠中期に性行為はして大丈夫?胎児への影響と出血や痛い時の3つの対策

妊娠中期にピンクや茶色、オレンジの出血が!原因は何?

妊娠中期に、ピンクや茶色、オレンジの出血がみられることもあります。

こうした出血は何が原因で発生するのでしょうか?こちらで解説してまいります!

ピンク色の血がみられた場合

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妊娠中期のピンクの出血は、子宮の収縮で卵膜と子宮の壁の間にずれが生じることによるものが多いので、あまり心配することはないといわれています。

しかし、切迫早産などが原因の微量の出血がおりものに混ざってピンクの出血のように見えることも。

そのため、微量とはいえ出血がみられたら、医師に相談してくださいね。

茶色の血がみられた場合

妊娠中期の茶色の出血は、子宮内での古い出血が排出されたものです。

量が少ない場合はあまり心配はいりません。

しかし、量が多い場合は、切迫流産・早産など深刻なケースかもしれませんので、早急に医師の診断を受けましょう。

オレンジ色の血がみられた場合

オレンジ色の出血自体、珍しいものですよね。

妊娠中期にオレンジ色の出血があった先輩ママさんも当時はとても不安だったという声が多く上がっています。

オレンジ色の出血は、一時的な微量のものであれば心配はありません。

しかし出血が続いたり、多量である場合は、病気などのトラブルによるものの可能性がありますので、医師の診断を受けてくださいね。

妊娠中期の便秘で出血が!

妊娠中は、運動不足がちになる上、女性ホルモンのプロゲステロンの作用で腸のぜんどう運動が低下するため、多くの妊婦さんが便秘に悩まされます。

硬い便を出そうといきむと、出血し、切れ痔になってしまうことも。

便秘や排便時のいきみ、大きくなる子宮によって肛門に負担がかかり、肛門周辺の静脈がうっ血して痔核(いぼ痔)になりやすくなるともいわれれています。

いぼ痔になると、便をした時に大量の出血が出ることもあるんです。

痔の症状を放っておくと、座るのもつらくなりますので、かかりつけの産婦人科でお早目に相談することをおすすめします。

妊娠中期の便秘解消法

肛門周辺の静脈のうっ血によっていぼ痔になることから、座りっぱなしの状態はタブーです。

デスクワークの方でも、休憩時間は席を立って軽くウォーキングすることをおすすめします。

また、入浴で身体を温めると、うっ血した静脈の血流がよくなります。

ただし妊娠中の長風呂は、のぼせや動悸の原因になりますので、早目に上がるようにしましょう。

関連記事⇒妊娠中期の左下腹部痛は便秘が原因?チクチクと痛い原因と2つの対策

妊娠中期に出血があったらどうする?3つの対処法をご紹介

妊娠中期に出血がみられた場合、不安になってどのように対処すればいいのかわからなくなりますよね。

そこで、こちらでは3つの対処法をご紹介します。

1.まずは安静にし、医師に連絡する

妊娠中期の出血は、切迫早産や前置胎盤など生命にリスクを及ぼすものが原因であることも考えられます。

まずは、横になりしばらく安静にしてください。

症状が落ち着いたら、医師に連絡して相談してください。ただし激しい腹痛を伴う場合には、早急に医師に連絡して指示をあおぎましょう。

2.症状を記録しておく

出血があった時間や、どんな色か、また腹痛などを併発した症状があれば、一緒に細かく記録しておきましょう。

出血がどのくらいの量でどのくらい続くのかは、原因を明確にする重要な判断基準になります。必ず覚えておくようにしましょう。

メモはスマートフォンのメモ帳アプリを利用してもOKです。

記録することによって、医師へ詳細な症状を伝えられるので、より的確な診断を受けることができますよ。

3.出血が多い場合は自分で運転するのは避ける

多量の出血がある場合は、妊婦さんご自身も精神的に動揺している上、運転途中でトラブルが発生することも考えられます。

そのため、妊婦さんご自身で運転して病院へ行くのは避けてください。

また、このような場合は、ご家族の運転かタクシーなど、なるべく安静な状態で通院しましょう。

バスや電車での通院もタブーです。

まとめ

妊娠中期に何らかの出血があった場合は、緊急の対処が必要なケースがあります。

そのため、早急に医師に連絡して診察してもらいましょう。

たとえ微量の出血であっても、出血がみられたら、とにかく医師の診断を受けるのがベターです。

赤ちゃんがお腹にいる時から、もうお母さんです。

赤ちゃんを守るためにも迅速な対処を行ってくださいね。