赤ちゃんと5つの耳トラブル~においや耳垂れ、耳垢など注意すべき症状と対処方法

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赤ちゃんのお世話をしていて、耳から水や耳垂れのようなものが出たり、耳垢がたくさん出たりして、何かの耳のトラブルじゃないかと気になったことはありませんか。

また、赤ちゃんが耳を頻繁に触っていて、「何か異常があるのかな?」と心配になってしまうこともあるかもしれません。

ここでは、赤ちゃんの耳によく起こるトラブルの紹介とあわせて、その症状や対処法について詳しくお伝えしていきます。

  • 赤ちゃんの耳の5つのトラブル
  • 赤ちゃんの耳の注意すべき症状
  • 赤ちゃんの耳のトラブルの対処法

赤ちゃんや小さい子どものうちは、耳に細菌が侵入しやすいため耳のトラブルはとても起きやすいです。

どんな症状が赤ちゃんの耳のトラブルをあらわしているのか良く理解し、気になる症状がある場合は早めに耳鼻科を受診しましょう。

赤ちゃんの耳で起こりうる5つのトラブル ~ 発熱やかゆみ、痛みを伴う疾患も!

はじめての育児で慌ただしく過ぎていく毎日に、赤ちゃんの耳の中までじっくりチェックしている余裕のあるママはあまり多くないのではないでしょうか。

しかし実は、赤ちゃんは耳管(じかん)が太くて短いため、細菌が耳に感染しやすく耳に関するトラブルがとても多い時期でもあります。

では、具体的にどんな耳のトラブルが起こりうるのでしょうか。以下に、赤ちゃんにも起こる耳に関する5つのトラブルを紹介します。

1. 急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)

風邪を引いたときなどに、細菌がのどや鼻から耳管(じかん)を通って中耳に侵入して、炎症を起こす疾患です。

赤ちゃんなど乳幼児は耳管が短いため、起こりやすいとされる疾患の一つです。

急性中耳炎の症状としては、耳の痛みや高熱があります。

赤ちゃんの場合は、耳をさわり不機嫌に泣く、哺乳量が減るといった様子がよくみられます。

また、炎症が進むと、中耳の中にある膿が、鼓膜を破って耳垂れとなって出てくることもあります。

2. 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)

滲出性中耳炎とは、急性中耳炎と同じく風邪などをきっかけに細菌が中耳に入り込み、中耳に水がたまってしまう疾患です。

特に幼児~小学校低学年頃の子どもに多くみられますが、急性中耳炎の後に赤ちゃんがかかる場合もあります。

滲出性中耳炎の場合、痛みや発熱といった症状はなく、水がたまることで耳が聞こえにくくなるという症状があります。

赤ちゃんの場合、耳が聞こえずらいことに周囲が気がつきづらいのが難点で、症状が慢性化すると言葉の発達に影響することもあります。

3. 外耳道炎(がいじどうえん)

外耳道炎とは、耳の入り口付近の外耳(がいじ)が、炎症を起こす疾患です。

耳垢掃除をしすぎることや、ミルクやよだれが耳の中に入り込むことが原因で起こります。

外耳に水分がたまることが主な原因であるため、プールに通う子どもがかかりやすい疾患でもあります。

外耳道炎の症状としては、耳のかゆみや痛み、耳だれが出る、耳がにおうなどがあります。

4. 耳垢栓塞(じこうせんそく)

耳垢栓塞とは、耳垢が耳奥にたまることで、耳がふさがれて聞こえづらくなってしまう疾患です。

赤ちゃんは外耳道が狭いため、耳垢がたまりやすくなって起きることがありますが、その他にも、耳垢掃除のしすぎで耳垢を耳の奥に押し込んでしまい起こることもあります。

耳垢栓塞の症状としては、耳が聞こえにくくなる症状や耳の中の異物感があります。

赤ちゃんの場合は症状を訴えることができないため、周期が気がつきにくい疾患の一つです。

5. 難聴

何らかの原因で耳が聞こえづらくなる疾患を難聴と言います。

生まれつき耳の聞こえが悪い先天性難聴と、中耳炎や髄膜炎、おたふく風邪などの後遺症で起こる後天性難聴があります。

赤ちゃんの難聴は、周囲の人には非常にわかりづらい疾患です。

先天性難聴については、新生児期(入院中や1ヶ月健診時)に聴覚検査を行うことで早期発見できる体制になっています。

後天性難聴については、何かの病気をきっかけに音への反応が悪くなった場合や、言葉の発達に遅れを感じる場合は、一度耳鼻科で検査をしてもらうことをおすすめします。

参考

たまひよnet 「鼻・耳の病気」

いのうえ耳鼻咽喉科 / 病気のはなし / みみの病気

耳垢や耳垂れ、耳を触るのも病気のサイン?赤ちゃんの耳で注意すべき症状について

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赤ちゃんの耳のトラブルにはどうしたら気がつくことができるのでしょうか。

耳垂れや耳のにおいなどわかりりやすい症状は良いですが、耳の痛みや聞こえづらさなどを、赤ちゃんの様子から判断するのはなかなか難しそうですよね。

以下に、赤ちゃんにこんな様子があるときは耳に関するトラブルの可能性もあるという、注意すべき症状を紹介します。

1. 耳垂れが出る

耳垂れとは、耳から出る粘り気のある液体や膿のようなもののことです。

耳垂れは中耳炎や外耳炎などの疾患の症状として、わかりやすいものの一つです。

2. 耳の奥に耳垢がたまっている

耳垢は本来、ほうっておいても自然ととれるものです。

しかし、赤ちゃんの場合、自然ととれづらい粘り気のある耳垢をしている場合が多いことや、外耳道(耳の入り口付近)が狭いことにより、耳垢がたまってしまうことがあります。

耳垢が耳の奥にたまっている場合は、耳垢栓塞という耳垢が耳を塞いでいる状態になっている可能性があります。

奥のほうにある耳垢をママやパパが無理にとろうとすると、かえって耳垢を奥に押しやってしまったり、耳を傷つけてしまったりすることがあります。

とりづらそうな耳垢が見えた場合は、無理せず耳鼻科を受診して耳垢掃除をしてもらうようにしましょう。

3. 耳の中がにおう

赤ちゃんの耳の中がくさかったり、いつもと違う異常なにおいがしたりする場合は、中耳炎や外耳炎などの炎症を起こしている可能性があります。

耳が炎症を起こして膿など耳垂れがたまっていると、耳のにおいの原因となります。

4. 熱が下がらない

赤ちゃんに起こりやすい耳のトラブルの一つである中耳炎になった場合、症状として発熱が伴うことがあります。

風邪症状から発熱に発展して、なかなか熱が下がらないときなどは、細菌が耳まで感染して中耳炎になっている可能性があります。

5. 耳をよく触り、機嫌が悪い

耳に痛みやかゆみがある場合や、耳垢がたまっていて異物感がある場合など、症状を訴えることができない赤ちゃんは、耳をよく触ることがあります。

赤ちゃんが耳をよく触っていて且つ、機嫌が悪くて体調がおかしそうな場合は、中耳炎や外耳道炎、耳垢栓塞など何かしら耳のトラブルを抱えている可能性があります。

6. 頭を左右に振り、泣き止まない

中耳炎や外耳道炎によって、耳に痛みやかゆみを感じている場合、上に挙げた「耳をよく触る」という様子以外に、頭を左右に振る様子もよくみられます。

頭を左右にふって泣き止まないなど不自然な様子がみられた場合も、耳が痛いなどのトラブルのサインかもしれません。

7. 大きな物音や呼びかけへの反応が悪くなった

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それまでと比べて、大きな物音へや呼びかけへの反応が鈍くなったと感じる場合、もしかすると耳垢栓塞や難聴など、耳が聞こえづらくなる疾患の可能性があります。

赤ちゃんの耳の聞こえ方の変化は、大人にはなかなか気がつきにくいものですが、「もしかして」と異常を感じた場合は、早めに耳鼻科などで聴覚検査を行ってもらうと良いでしょう。

赤ちゃんの耳の聞こえづらさは放っておくと、言語習得の遅れなどにつながる可能性もあります。

参考 東京都福祉保健局 / 子供家庭 / 赤ちゃんの耳のきこえについて

赤ちゃんの耳のトラブル防止・対処法 ~ 耳垢掃除のしすぎは逆効果?!

赤ちゃんは耳に関するトラブルが多いということがわかりましたが、トラブルを防ぐためには、あるいは実際に疾患にかかってしまった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。赤ちゃんの耳のトラブルの防止・対処法を4つ紹介します。

1. 赤ちゃんの耳に異常を感じたとき、あるいは定期的に耳鼻科を受診する

まず、赤ちゃんの耳に関する異常を感じた場合は、すぐに耳鼻科を受診して症状が悪化する前に早期に治療を行うようにしましょう。

また、異常を特に感じていなくても、赤ちゃんや小さな子どもの場合は、できれば3ヶ月~半年に1回程度、耳鼻科に定期健診に行くことをおすすめします。

赤ちゃん時代は耳に関するトラブルが多い時期ですが、耳の疾患は医師ではないと気がつきにくいものも多くあります。

また、耳鼻科で診てもらうタイミングで、耳垢掃除をしてもらうこともできます。

定期的にプロに耳垢を掃除してもらうことで、耳のトラブルの予防にもつながりますよ。

2. 耳垢掃除のしすぎや、誤った方法での耳垢掃除に注意する

耳垢掃除を頻繁に行いすぎたり、誤った方法で耳垢掃除をしたりすると、耳の中を傷つけ、また、耳垢を奥に押し込んでしまい、かえって耳のトラブルを悪化させてしまいます。

本来、耳垢掃除はしなくても、耳垢は乾いて自然と落ちると言われています。

しかし、赤ちゃんのうちは、湿った耳垢がたまりやすいという特徴があるため、週に1回程度は軽く耳の入り口付近を掃除してあげると良いでしょう。

赤ちゃんの耳の皮膚はとても繊細ですので、耳垢掃除をする場合は、赤ちゃん用の綿棒で耳の入り口から1cmくらいまでを優しく撫でて汚れを落とす程度が良いです。

くれぐれも、強くこすりすぎたり、耳の奥まで触ってしまったりして耳を傷つけることがないよう注意しましょう。

3. ミルクの吐き戻しやよだれが耳に入ったままにしない

赤ちゃんが吐いてしまったミルクやよだれなどが耳に入ってしまうこともあると思いますが、そのままにせずに、しっかりと拭き取ってあげるようにしましょう。

耳の中に水分がたまることは、外耳道炎を起こす原因になります。

4. 鼻水や鼻づまりはこまめに吸い取るなどそのままにしない

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赤ちゃんが風邪を引いてしまい鼻水や鼻づまりがある場合は、そのままにせずに早めに治療してあげることがまず大切です。

鼻と耳は耳管(じかん)を通してつながっているため、鼻水の細菌やウイルスが耳に入り込んで、中耳炎を起こしてしまう可能性があります。

小児科の指示に従って治療をするのにあわせて、市販の鼻水吸引器で鼻水を吸い取ったり、鼻の入り口付近の鼻水をこまめに拭き取ってあげるようにしましょう。

ただし、使い過ぎは逆に鼓膜などを傷つけることがあるので、適度な頻度を守りましょう。

参考 総合南東北病院 / ニュース / 中耳炎

赤ちゃんの耳のトラブルは気がつきにくい!耳の中や赤ちゃんの様子をよく見てあげよう!

赤ちゃんや小さな子どもは、中耳炎や外耳道炎など耳の疾患にとてもかかりやすいです。

しかし赤ちゃんは「耳が痛い、聞こえづらい」など症状を訴えることができないため、周囲の大人は耳のトラブルに気がつきにくいのが現状です。

耳垂れや耳のにおいなどの異常に気がついたときはもちろんですが、赤ちゃんが耳を頻繁にさわっていたり、頭を左右に振って泣き止まなかったりなど、いつもと違う様子がみられた場合は、早めに耳鼻科に相談すること良いでしょう。

症状が悪化すると、耳が聞こえづらくなり言葉の発達に影響を与えるような疾患もありますので、トラブルを早期発見できるように、日頃から赤ちゃんの耳の状態や様子をよく観察してあげましょう。