妊婦の食中毒に注意!胎児への影響や4つの予防策と感染時の対策

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妊娠中は、飲める薬の種類が少なくなるので、妊娠前よりも病気に気をつける方が大多数でしょう。

数ある病気の中でも「食中毒」は、下痢や嘔吐が続いたり、時に発熱したりと大変です。

実は、妊娠中は免疫が落ちるため、食中毒にかかるリスクが大きいことをご存知ですか?

できるだけ薬を飲みたくない妊娠中、出来る事なら食中毒にかかることは避けたいところ。

怖い食中毒を防ぐためには、どんな事に気をつければ良いのでしょうか。

また、妊娠中に食中毒になってしまった場合は、どう対処すれば良いのでしょうか。

今回は、食中毒の予防策と、食中毒になってしまった場合の対策をまとめました。
・食中毒の胎児、妊婦への影響は?
・感染すると怖い、リステリア菌
・食中毒を防ぐために出来る事
・食中毒になったら早急に病院へ!

「リステリア菌」「カンピロバクター」以外は、妊婦や胎児に影響はありませんが、下痢や嘔吐といった辛い症状に悩むことになります。

妊娠中に食べる食品には十分注意し、食中毒に感染した患者からの二次感染にも注意して下さいね。

食中毒の種類と感染の原因

食中毒の種類は、「細菌によるもの」「細菌以外によるもの」の2種類に分けることが出来ます。

細菌による食中毒は、細菌そのものが原因なので、十分な加熱や滅菌消毒などで菌を死滅させる必要があります。

もちろん加熱以前に口に入れないことが望ましいですが、細菌は多くの食材に潜んでいます。

きちんと調理方法を守って食事をとることが大切ですね。

ただし、黄色ブドウ球菌などの毒素を産生する菌は加熱したも食中毒を引き起こしますので注意しましょう。

細菌以外による食中毒は、ウイルスや食品自体が持つ毒によって引き起こされます。

冬場に感染しやすいと言われるノロウイルスの食中毒は有名ですよね。

食品自体が持つ毒は、主にキノコ類や貝類があげられます。

以下に2種類の食中毒の原因菌と、感染する原因についてまとめました。

『細菌による食中毒の原因菌』

細菌による食中毒で怖いのは、集団食中毒です。

自分で調理していないものに関しては、しっかりと加熱されているかどうかの見極めが難しくなりますが、妊娠中はより慎重に選びたいですね。

不安な人は外食はなるべく控えて、自炊で食管理するのも良いでしょう。

○腸管出血性大腸菌

感染する原因
・家畜の糞尿から細菌がついた野菜
・加熱が不十分な肉
・患者の排泄物

○リステリア菌

感染する原因
・加熱が不十分な加工肉
・加熱が不十分な魚介類の加工品
・十分な殺菌がされていない乳製品
・感染した家畜やペット
・患者の排泄物

○カンピロバクター

感染する原因
・加熱が不十分な食肉
・感染した家畜やペット(特に鶏)
・患者の排泄物

○サルモネラ菌

感染する原因
・加熱が不十分な食肉、鶏卵(特に鶏卵)
・感染した家畜やペット
・患者の排泄物

○腸炎ビブリオ

感染する原因
・加熱が不十分な魚介類
・患者の排泄物

『細菌以外による食中毒の原因』

○ノロウイルス

ノロウイルスに感染した食材や人から二次感染をして、食中毒になることがあります。

あたりやすいと言われる牡蠣は、海水に含まれるプランクトンだけではなく、微量のノロウイルスや大腸菌などの細菌を吸収しています。

そのため、加熱が不十分でない場合には、食中毒になりやすくなっているのです。

感染する原因
・加熱が十分ではない生牡蠣や貝類
・患者の排泄物

○フグ

フグにはテトロドトキシンという毒があります。

強い毒性があり、死亡例も報告されているほどです。

釣ったフグを食べたり、素人が処理したフグのパックを購入したりするのは、絶対にやめてください!

厚生労働省では、妊娠中はおろか一般の人でも食することを注意喚起していますので注意してくださいね。

感染する原因
・フグの肝臓

「細菌による食中毒」と「細菌以外による食中毒」、いずれも加熱や排泄物に注意する必要があります。

普段から食中毒への意識を忘れずに、妊娠中の食事を楽しみましょう。

参考:厚生労働省「食中毒」

関連記事⇒妊婦はウニを食べちゃダメ?妊娠中の雲丹の食中毒や2つの危険性と影響

食中毒の妊婦や赤ちゃんへの影響

妊婦が食中毒になった場合、下痢や腹痛、嘔吐の症状が現れます。

これらの症状は、赤ちゃんに直接的な影響はありません。

よく「下痢をすると子宮が収縮して流産する」なんていう話が堂々とネット上に書かれていますが、これは迷信!

下痢をして赤ちゃんが流産になってしまうという医学的な根拠はどこにもありませんよ。

ただし、妊婦が食中毒になった場合、非妊娠時のようにどの薬でも飲めるわけではありません。

そのため、妊娠中に食中毒になった場合、妊婦の方はとても苦労することに・・・。

さらに、食中毒の原因菌が、赤ちゃんや妊婦に悪影響を及ぼす場合もあるんです。

妊婦や赤ちゃんに影響が出てしまう食中毒の原因菌は以下の2つ。

・リステリア菌

・カンピロバクター

妊婦にとっても、お腹にいる赤ちゃんにとっても、怖い細菌なので、しっかりと覚えておいてくださいね。

では、詳しくみていきましょう。

リステリア菌

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リステリア菌がお腹の中の赤ちゃんに与える影響は以下の通りです。

・流産

・早産

・死産

・髄膜脳炎

・敗血症

特に、免疫が低下し感染の確率が高まる、妊娠26周~30周は要注意!

リステリア感染症は、20~30%もの胎児、新生児が死に至るとても怖い感染症です。

また妊婦の方も「敗血症」、「髄膜炎」になる危険性があり、最悪の場合は死に至ってしまうことも。

カンピロバクター

カンピロバクター感染症については、厚生労働省などの公の機関から胎児への影響についての発表はありません。

私が妊婦だった頃、産婦人科の担当医に質問した時には、カンピロバクターがお腹の中の赤ちゃんに与える影響として、

・早産

・敗血症

・髄膜炎

以上の3つの可能性を説明されました。

ですが、胎児がこれらを発症する確率はとても低いとのこと。

関連記事⇒妊娠中は髄膜炎に要注意!胎児への影響と妊婦の髄膜炎3つのポイント

2つのタイプ別でみる食中毒の予防策

食中毒(食あたり)にならないために、気をつけるべきことがたくさんあります。

『細菌による食中毒の予防策12個』

・食品を食べる時は、じゅうぶんに加熱して食べる

・生野菜、果物はよく洗ってから食べる

・切ったあと、常温で数時間放置した野菜や果物は廃棄する

・賞味期限が切れた食べ物は口にしない

・賞味期限内でも、開封後に時間が経った食べ物は口にしない

・生肉や生魚を調理するのに使用するまな板と、その他の食品を調理するまな板を分ける

・生肉や生魚を触った後は、手を石鹸で洗い、消毒液で消毒する

・自家製の缶詰を作らない、食べない

・食中毒に感染している患者との接触を避ける

・食中毒に感染している患者と接触してしまった場合は、手を石鹸で洗い、消毒液で消毒する

・ペットと接触したあとは、手を石鹸で洗い、消毒液で消毒する

・可能なら、「生ハム」「ナチュラルチーズ」「魚介類加工品」を食べない

胎児への感染が心配なリステリア菌は、「生ハム」「ナチュラルチーズ」「魚介類加工品」を避けることが大切です。

また、アメリカではメロンからの感染も報告されていますから、生野菜や果物は必ず洗ってから食べて下さい。

私はリステリア菌が怖くて、粉チーズなどまで避けてしまったのですが、チーズ類では「ナチュラルチーズ」だけが心配です。

チーズが好きな方は、しっかり加熱されたチーズなら食べても大丈夫ですよ。

関連記事⇒妊婦はナチュラルチーズを食べちゃダメ?影響と安全チーズ5つの栄養素

『細菌以外による食中毒(ノロウイルス)の予防策4つ』

フグの食中毒については、フグ毒に気をつければ良いだけです。

ここでは、ノロウイルスの予防策を4つご紹介しますね。

・家庭内に患者がいる場合、マスクをして過ごす

・家庭内に患者がいる場合は、家中を消毒する

・患者の排泄物を処理するときは、使い捨ての手袋をはめる

・家の中の消毒には「次亜塩素酸ナトリウム」を含む消毒液を利用する

ノロウイルスはとても感染力が強く、1人が感染すると家族中に感染してしまうほど、危険な食中毒です。

その理由は、患者の嘔吐物や糞便に含まれる菌が、空中に舞って、それを吸い込むことで感染してしまうため。

私も一度、息子から感染した事があるのですが、家族全滅してしまいました・・・。

ノロウイルスには、アルコールなどの通常の消毒液ではなく「次亜塩素酸ナトリウム」を含む消毒液が有効です。

嘔吐物を拭いたあとは、「次亜塩素酸ナトリウム」を含む消毒液を吹きかけ、キッチンペーパーなどで拭いて下さい。

薬局で「次亜塩素酸ナトリウム」を入手し、作成する事も出来ますが、家庭用ハイターを50倍に薄めた方が簡単に作成可能ですよ。

作成した消毒液は、霧吹きなどに入れて使用するのがオススメです。

また、この消毒液は手指の消毒には使用できませんので、注意して下さいね。

食中毒になってしまった時は?

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食中毒になってしまった時は、

・自己判断で薬を飲まない

・脱水症状にならないよう、水分をしっかり摂取する

・何が原因か分るよう、直前に食べた食事の包装や嘔吐物の一部を保存する

・すぐに産婦人科を受診する

以上の4つのポイントに注意しましょう。

さらに、リステリア菌に感染する可能性がある食品を口にしていた場合は、かならず産婦人科で伝えて下さい。

感染してすぐであれば、抗生物質の使用で、胎児への影響を防ぐ事が出来ます。

まとめ ~妊娠中の食あたりには要注意!~

食中毒になると、下痢や嘔吐などといった症状に苦しめられます。

妊娠していない方ですら苦しいなら、強い薬が飲めない妊婦の方は、なおさら。

リステリア菌、カンピロバクターといった妊婦や赤ちゃんに影響を与える可能性のある怖い食中毒もありますので、日頃から注意が必要です。

食中毒を予防するのに一番大切な事は、食品をよく加熱すること。

生ハムや生焼け肉、加熱されていないナチュラルチーズなど、美味しいものばかりですが、妊娠中は口にする食品に十分に注意して下さい。

万が一、食中毒の疑いがある場合は、すぐに医療機関を受診して下さいね。